最初は好きだと
思わなかった
一度だけ
くちづけを
かわしてみたけど
なんとなく
二度が三度に
度重なって
好きになったぜ
お前のことが
って何 これ?
だから お前に捧げる俺の詩だよ
わるくないだろ
だって これ「♪恋の奴隷」じゃない
うん たしかにヒントはもらった
ていうか ただのパクリじゃん
それにこれが花?
鉢植えだけど咲いてないよ
それはハーブだよ
レモングラスとかいうらしい
お前 詩とか花とか好きだろ
全然違うし
あんたにそんなこと頼んだ?
もう少し喜ぶかと思ったけど
まあいい
ところでな
俺たちけっこう似合いだと思うんだ
ええっ どこが?
最初にコンビニで会ったときから
なんていうか価値観が近いな
そう思ったんだ
お互いパジャマ姿だったから?
あんたも知っての通り
あの店はあたしの部屋から近いし
あの夜はたまたまなのっ
それだけじゃない
お前は俺にパピコをくれた
優しい女だと思った
それはあんたが物欲しそうな顔してたからさ
夜中の3時にパジャマのままチャリでやってきて
カップ焼きそばを買うようなビンボウ人を
ちょっと哀れだと思ってさ
それでお返しに煙草を差しだしたら
珍しそうに吸って
むせたところが可愛いかった
ハイライトなんてキツイだけの安物を
吸ったのは高校以来だからっ
コンビニの前で2人しゃがんで
夜空を眺めたよな
台風の後だから星がよく見えてな
はいはい、眼の前の産業道路には
ダンプがビュンビュン走っていたね
でもキスしたよな
会って一時間もたっていないのに
お前は許してくれた
あれは失敗だったね
女にはそういう気まぐれもあんだよ
あんたが
わるいけどキスさせてくんないか
って道聞くみたいにいうからさ
つい
頼まれると断れない
女だから
あたしは
な、そこだよ
俺がいいたいのは
お前は女で俺は男だ
わかるか
だから何が?
誰もあたしが男で
あんたが女だとは
思わないよ
そういう理屈っぽいところが
俺は気に入っている
こうみえて俺は頭のいい女が好きなんだ
お前は高卒ってしょっちゅう俺をバカにするが
俺だって駿台の私大文系コースにいたこともある
頭はわるいけどそれほどバカじゃない
処置ないね
あんたそんなこと気にしてたの?
あたしのは面接だけで誰でも入れる短大なの
ほんとは美容学校に行きたかったけど
親が反対するから
そうか ならいまからでも行けよ
俺が学費くらい出すから
あんたみたいにコンドー嫌いで
生でやりたがってちゃ
すぐにガキでもできて
学校どころじゃないだろ
それそれその話なんだ
話が戻ってこないんじゃないかと
心配したよ
俺がいいたいのは
どうせなら
この際一緒に住まないかと
何が と だよ
あんたの汚いアパートでってか
お前の部屋だってきれいとは
いえないよ
もう少し広いところに
引っ越してもいいよ
それでな
一緒に暮らすうちに
いずれ俺と結婚してもいいかなとか
思ったりとかしてな
思わないよ
短気なやつだな
少しは考えるもんだ
あたしにだって選ぶ権利があるもん
それはそうだ
お前はなかなかいい女だしな
けどな俺もチラベルトに似ているって
いわれるくらいだしな
それから気が合うってことも大事だよ
俺はこんなに長く女と話したことないんだ
お前だってそうポンポンいえる男は
いまのところいないだろ
チラベルトに似ているって女に自慢する男も
めったにいないだろうね
じゃあ、あんたに聞くよ
あんたはあたしの話を聞いてくれるの
両親のことや妹たちのことや
友だちのことや仕事のことや
あたしの悩みや困っていることや
おもしろかった話や楽しい思い出を
ちゃんと聞いてくれるの
あたしが毎日どんなことを
どんな風に感じているのか
ちゃんと最後まで
泣くかもしれないけど
聞いてくれるの
どうして黙ってるの
お前怒るときれいだな
と思ってな
まあ待てよ
俺はな
お前がどんなことを
聞いてほしいのか
話したいのか
実のところ
よくわからない
でもな
お前が聞いてほしいなら
俺は聞いてやるよ
いつまでだって
お前が何をいいたいのか
わからないかもしれない
でも
俺は聞いてやるよ
黙っていつまでだって
お前がいいというまで
約束するよ
だからともかく
二人で暮らさないか
ナベさんの奥さんが
一緒になるなら
ハーブを分けてくれるって
たくさんあるんだ
そしたらお前の好きな
何とかスパゲッティとか
何とかティとか
作れるだろ
(7/14/02)
思わなかった
一度だけ
くちづけを
かわしてみたけど
なんとなく
二度が三度に
度重なって
好きになったぜ
お前のことが
って何 これ?
だから お前に捧げる俺の詩だよ
わるくないだろ
だって これ「♪恋の奴隷」じゃない
うん たしかにヒントはもらった
ていうか ただのパクリじゃん
それにこれが花?
鉢植えだけど咲いてないよ
それはハーブだよ
レモングラスとかいうらしい
お前 詩とか花とか好きだろ
全然違うし
あんたにそんなこと頼んだ?
もう少し喜ぶかと思ったけど
まあいい
ところでな
俺たちけっこう似合いだと思うんだ
ええっ どこが?
最初にコンビニで会ったときから
なんていうか価値観が近いな
そう思ったんだ
お互いパジャマ姿だったから?
あんたも知っての通り
あの店はあたしの部屋から近いし
あの夜はたまたまなのっ
それだけじゃない
お前は俺にパピコをくれた
優しい女だと思った
それはあんたが物欲しそうな顔してたからさ
夜中の3時にパジャマのままチャリでやってきて
カップ焼きそばを買うようなビンボウ人を
ちょっと哀れだと思ってさ
それでお返しに煙草を差しだしたら
珍しそうに吸って
むせたところが可愛いかった
ハイライトなんてキツイだけの安物を
吸ったのは高校以来だからっ
コンビニの前で2人しゃがんで
夜空を眺めたよな
台風の後だから星がよく見えてな
はいはい、眼の前の産業道路には
ダンプがビュンビュン走っていたね
でもキスしたよな
会って一時間もたっていないのに
お前は許してくれた
あれは失敗だったね
女にはそういう気まぐれもあんだよ
あんたが
わるいけどキスさせてくんないか
って道聞くみたいにいうからさ
つい
頼まれると断れない
女だから
あたしは
な、そこだよ
俺がいいたいのは
お前は女で俺は男だ
わかるか
だから何が?
誰もあたしが男で
あんたが女だとは
思わないよ
そういう理屈っぽいところが
俺は気に入っている
こうみえて俺は頭のいい女が好きなんだ
お前は高卒ってしょっちゅう俺をバカにするが
俺だって駿台の私大文系コースにいたこともある
頭はわるいけどそれほどバカじゃない
処置ないね
あんたそんなこと気にしてたの?
あたしのは面接だけで誰でも入れる短大なの
ほんとは美容学校に行きたかったけど
親が反対するから
そうか ならいまからでも行けよ
俺が学費くらい出すから
あんたみたいにコンドー嫌いで
生でやりたがってちゃ
すぐにガキでもできて
学校どころじゃないだろ
それそれその話なんだ
話が戻ってこないんじゃないかと
心配したよ
俺がいいたいのは
どうせなら
この際一緒に住まないかと
何が と だよ
あんたの汚いアパートでってか
お前の部屋だってきれいとは
いえないよ
もう少し広いところに
引っ越してもいいよ
それでな
一緒に暮らすうちに
いずれ俺と結婚してもいいかなとか
思ったりとかしてな
思わないよ
短気なやつだな
少しは考えるもんだ
あたしにだって選ぶ権利があるもん
それはそうだ
お前はなかなかいい女だしな
けどな俺もチラベルトに似ているって
いわれるくらいだしな
それから気が合うってことも大事だよ
俺はこんなに長く女と話したことないんだ
お前だってそうポンポンいえる男は
いまのところいないだろ
チラベルトに似ているって女に自慢する男も
めったにいないだろうね
じゃあ、あんたに聞くよ
あんたはあたしの話を聞いてくれるの
両親のことや妹たちのことや
友だちのことや仕事のことや
あたしの悩みや困っていることや
おもしろかった話や楽しい思い出を
ちゃんと聞いてくれるの
あたしが毎日どんなことを
どんな風に感じているのか
ちゃんと最後まで
泣くかもしれないけど
聞いてくれるの
どうして黙ってるの
お前怒るときれいだな
と思ってな
まあ待てよ
俺はな
お前がどんなことを
聞いてほしいのか
話したいのか
実のところ
よくわからない
でもな
お前が聞いてほしいなら
俺は聞いてやるよ
いつまでだって
お前が何をいいたいのか
わからないかもしれない
でも
俺は聞いてやるよ
黙っていつまでだって
お前がいいというまで
約束するよ
だからともかく
二人で暮らさないか
ナベさんの奥さんが
一緒になるなら
ハーブを分けてくれるって
たくさんあるんだ
そしたらお前の好きな
何とかスパゲッティとか
何とかティとか
作れるだろ
(7/14/02)