コタツ評論

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山科系発見

2017-01-29 20:20:00 | 政治
ダボス会議における中国側の代表意見とみなしてよいでしょう。いったい、こういう中国がどうして日本と戦争したがっているというのでしょう。むしろ、中国と戦争したがっているのは日本ではないでしょうか。

「米国よ、日本を見習え」アリババ会長の提言
http://www.msn.com/ja-jp/money/news/%e3%80%8c%e7%b1%b3%e5%9b%bd%e3%82%88%e3%80%81%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%82%92%e8%a6%8b%e7%bf%92%e3%81%88%e3%80%8d%e3%82%a2%e3%83%aa%e3%83%90%e3%83%90%e4%bc%9a%e9%95%b7%e3%81%ae%e6%8f%90%e8%a8%80/ar-AAmfGc7?ocid=iehp



中国最大の通販サイト「アリババ」のジャック・マー会長。この人も山科系の顔の人ですね。
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井蛙

2017-01-09 18:03:00 | 政治
プサン総領事館前に新たな慰安婦像が設置されたことで、政府は駐韓国大使とプサン総領事を一時帰国させた。

2015年12月の日韓合意によって、日本側はソウル日本大使館前の慰安婦像の撤去を期待していたが、さらに今度はプサン総領事館前に設置された。

これに「日韓合意の精神を覆すもの」と日本側が強く反発し、抗議の意思を明らかにするために、今回の対抗措置となった。

「一時帰国ではなく大使召還を」と「国交断絶」を息巻く声から、「感情的な反発より冷静な対応を」と鎮静化につとめる朝日新聞まで、さまざまな声が上がっているが、韓国側が「合意に反した」という認識は共通している。

だが、日韓合意など最初からなかったのではないか。そんな疑念を呼び起こす小さなニュースが9日に報じられた。アメリカのバイデン副大統領と安倍首相の電話会談である。

安倍首相、バイデン米副大統領と電話協議 日韓合意巡り
http://www.asahi.com/articles/ASK16444FK16ULFA00V.html

米国政府として慰安婦問題に関する日韓合意を支持しており、双方によって着実に履行されることを強く期待するとバイデン米副大統領が話した。ー中略ー 日本側の「対抗措置は話題にならなかったという」。

そっけない記事だが、さすがに朝鮮日報の記事はより詳細かつ率直に報じている。

慰安婦:少女像設置に対抗措置、安倍首相は米副大統領に電話で根回し
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/01/07/2017010700410.html

事実上、米国の介入を要請したものと解されている。

日韓二国間の慰安婦問題の「合意」をめぐる軋轢に、なぜ、バイデン副大統領から安倍首相に電話がかかってくるのか。その電話で安倍首相は米国の介入を要請する「根回し」をしたのか。

次のNYT(ニューヨークタイムズ)の記事がその疑問に答えてくれる。

No Closure on the ‘Comfort Women’
http://www.nytimes.com/2017/01/06/opinion/no-closure-on-the-comfort-women.html?ref=opinion&_r=1

The tension between two countries that should be jointly confronting North Korea’s nuclear threat and China’s spreading influence prompted Washington to mediate an agreement in December 2015 in which Japan apologized and promised $8.3 million to care for the surviving women. The deal was meant to be a “final and irreversible resolution” to the matter.

mediateー仲介する

北朝鮮の核脅威と中国の影響力拡大に共同して取り組むべき二国間の緊張関係を解消するために、ワシントンは、2015年12月に日本が謝罪し、830万ドルで生存女性を救済する約束を仲介した。この取引は、この慰安婦問題に対する「最終的かつ不可逆的解決」であることが意図されていた(グーグル翻訳)。

「反日・嫌韓」という日韓の「緊張」に業を煮やしたアメリカが仲介して、「最終的かつ不可逆的解決」の日韓合意が結ばれたとわかる。

そもそも日韓に慰安婦問題について合意する気運や意思などなく、アメリカから強く「促されて ”prompted ”」渋々合意したのではないか。いみじくも、先の朝鮮日報記事が仲介ではなく「介入」という言葉を選んだように、アメリカ主導の「合意」ではなかったか。

そんな仮説を裏づけてしまうのが、2015年12月当時の毎日新聞の連載記事だ。日韓合意の裏にアメリカの介入がと書いているのではない。まったく反対なのだ。

連載「電撃妥結」
http://www.mainichi.jp/ch151285850i/%E6%97%A5%E9%9F%93%E6%85%B0%E5%AE%89%E5%A9%A6%E5%95%8F%E9%A1%8C%E5%90%88%E6%84%8F

「電撃妥結」というタイトルが「想定外」だったことを表して皮肉である。以下は連載の目次とリードだが、ほかの大手マスコミもほとんど同様な「安倍外交の成果」記事に終始していたはずだ。

電撃・妥結 慰安婦問題、日韓解決合意/上(その1) 大統領支持層が後押し
 
28日午後、ソウルの青瓦台(大統領府)2階接見室。韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は岸田文雄外相を迎え、笑顔で5秒ほど固い握手を交わした。合意を歓迎しつつ、朴氏…
(2015年12月29日 03:15)

電撃・妥結 慰安婦問題、日韓解決合意/上(その2) 対中傾斜論、払拭狙い

電撃的な妥結の背景には元慰安婦の存在や政治的な面からの判断もあった。金大中(キムデジュン)政権で統一相を務めた康仁徳(カンインドク)氏は「…
(2015年12月29日 02:47)

電撃・妥結 慰安婦問題、日韓解決合意/中 際立った官邸主導 側近ライン活用、参院選へ布石

慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的に解決」するとの日韓合意から一夜明けた29日午前東京都内のホテル。安倍晋三首相は前夜に帰国した岸田文雄外相から日韓外相会談の…
(2015年12月30日 02:49)

電撃・妥結 慰安婦問題、日韓解決合意/下 心、解きほぐせず 「像の設置続行」

「朴槿恵(パククネ)政権は合意を無効にせよ」。ソウルの日本大使館前に30日昼、シュプレヒコールが響いた。元慰安婦の支援団体、韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議…(2015年12月31日 02:37)

4回の連載記事中、日本政府や外交筋、韓国側当局者が慰安婦問題の合意という難題を前にして、いかに苦労したかについて迫真的かつ感動的に書かれている。しかし、もっとも重要なことについては書かれていない。

この合意がアメリカの仲介によって、その影響下で結ばれたことについては一言も書かれていない。わずかに、韓国の外交関係者に取材したコメントのなかで、

米国内での(韓国が中国へ接近しすぎだという)中国傾斜論が影響を及ぼしたのだろうと見る(上 その2)。

と触れられているのみだ。

日韓双方が激しく議論し、厳しい国内世論をなだめて、ようやく妥結に至ったのなら、日本側がすでに10億円を拠出するなど、それなりに合意事項を履行をしているに対して、韓国の不誠実を批難できよう。

しかし、アメリカの介入あってこその「合意」であれば、話はまったく違ってくる。それでは、日韓合意ではなく、日米韓合意になる。

それも、日米韓がイコールパートナーとして対等な位置づけならともかく、日米と米韓それぞれ二国間の合意に近いことは誰でも想像がつく。

だからこそ、安倍首相はバイデン副大統領との電話会談でアメリカ「再介入」の「根回し」及んだわけだ。

韓国側が慰安婦像を不作為のまま放置し、日本側が「大使引き揚げ」、日韓スワップ協定の協議中止、日韓ハイレベル経済協議の延期などを含む対抗措置をとることで、両国は再び「緊張関係」に「後戻り」することになる。

2016年にようやく結ばれた日韓軍事情報包括保護協定も、その実効性を疑われる事態も招きかねない。

日韓が連携して中国と北朝鮮に対抗するために、両国の緊張関係を解くという「不可逆的“ irreversible resolution”」な合意だったはずじゃないか!と憤っているのは、誰よりもアメリカだろう。

井蛙不可以語於海者、拘於虚也(荘子)

「井蛙は以って海を語るべからず、虚に拘めばなり」

井蛙(せいあ)
拘(なず)

「井の中の蛙大海を知らず」で知られる警句だが、大事なのは井戸の中でも、大海でも、それらを知らないことでもなく、「虚に拘めばなり」ではないかと思う。

日本に外交主権はない。韓国にもない。日韓合意とは「宗主国」アメリカの意向に対する合意に過ぎない。にもかかわらず、毎日新聞をはじめとするマスメディアはそれをひた隠し、あたかも日韓双方の外交努力によってようやく、従軍慰安婦という戦争の負の遺産とその戦後処理の問題が「最終的か不可逆的解決」が成された、と国民は信じているし、あるいは信じようとしている。

ならば、「虚に拘めばなり」の「虚」が示す戯言とは、この「最終的か不可逆的解決」であることは自ずから明らかだろう。もちろん、それ以前の「嫌韓反日」が同様であることは言うまでもない。

荘子は井蛙にさらに続けている。

夏蟲不可以語於冰者篤於時也
曲士不可以語於道者束於教也

夏虫は以って 氷を語るべからず、時に篤ければなり。
曲士は以って道を語るべからず、教に束わるればなり。

夏しか知らない虫と氷について語ることはできない。

最後の行が難しい。「道」はなんとなくわかるが、「曲士」とはどんな人だろうか。「教に束わる」とは何のことだろうか。しかし、この行こそ、何よりも荘子が言いたかった事柄なのだ。

蛙や夏虫は大海や氷を知らないが、曲士は道を知っているようだ。そして、「道」は誰が語っても道だから、その前後の「曲士」と「教に束わる」が道を裏切っていることがわかる。

ここで検索するのをぐっと我慢して、「曲士」を「曲者(くせもの)」くらいに、「教に束わる」を「教えに束ねる」ほどに考えてみる。何となくわかるような気がしてくるではないか。

結びや結論が難しいと思ったときは、逆順に読んでいくと案外理解しやすい場合がある。つまり、こうだ。

曲者が道について、自分の教えに人々を束ねようとしている。氷について知ったかぶりをするような軽薄な夏虫がすぐに賛同して、井戸の中の蛙ときたら大海を知ったような気になって、興奮して跳ねている。

私たちは夏虫や蛙であり、夏虫や蛙であってはならない。荘子先生は紀元前からそう言っている。

(敬称略)

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私語

2017-01-04 23:41:00 | ノンジャンル
呆けたようにスタン・ゲッツを聴いた正月でしたが、活字ではいちばん納得できたコラムでした。「ニーズ」や「マーケット」が死語になる日を! それが私たちの死後であっても。

「ニーズ」に死を:トランプ・マケドニア・DeNAと2017年のメディアについて
http://wired.jp/2017/01/03/needs-dont-matter/

地獄は戦火のシリアだけではない。悪政によっても地獄を招く。優れた私語ルポである。というか、ルポルタージュは私語による生活報告にしか生き残っていないのかもしれない。

38年住んだベネズエラから帰国して
https://venezuelainjapanese.com/2016/12/31/kodani/
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スタン・謹賀新年・ゲッツ

2017-01-01 12:57:00 | 音楽
最高のサックス奏者です。私がそう言っているのではありません。あのジョン・コルトレーンが彼こそ Best だと云ったのです。

'We would all play like Stan Getz, if only we could.'
「俺たちみんなスタン・ゲッツのように演奏したいと思ってるんだよ。できるものならね」

なにせ、冠名が、king や Master といった人称ではなく ”The Sound”ですからね。お聴かせしたい曲はたくさんありますが、とりあえずポピュラーなところを2曲。

Dear Old Stocholm


Stan Getz & Charlie Byrd on the Perry Como Show


つぎは、ビル・エバンストリオと共演アルバムです。芸術的ですね。聴き込みたい人向きです。

Bill Evans & Stan Getz - But Beautiful
https://www.youtube.com/watch?v=4_eLn4B9MzQ

こちらはぐっと通俗的なコンピレーション企画です。流して聴きたい人向きでしょう。コルトレーンが一本調子に思えるほど、ほんとうに自由自在な音色です。

More Stan Getz for Lovers (Full Album)
https://www.youtube.com/watch?v=GC0NuSSeY6g

ビル・エバンスとのセッションから素人歌手のアストラッド・ジルベルトの伴奏まで、淡々と軽々とこなしているようにみえます。

「クール」「ウエストコースト」「ボサノバ」「フージョン」など、幾度もスタイルを変えましたが、そんな分類が無意味に思えるほど、いつもただ気の向くままに吹いているかのようです。

しょせん、ジャズは夜の音楽に過ぎない」という言葉を残しています。

アーティストという自負とは無縁だったようですが、職人と呼ぶにはあまりに天才的で、音楽家というほど自己主張があったように思えません。

どこにでもいそうな中肉中背(中年になってからは小太り)の平凡顔に無表情、ファッションセンスや着こなしは垢ぬけず、人受けもしない性格らしく、「気難しく傲慢」と彼のバンドメンバーの評価は芳しくありません。

生来の性格や気質以上に、私生活上の問題を抱えていたため、メンバーに気配りするどころではなかったのかもしれません。演奏の空き時間に抜け出して、モルヒネ欲しさに薬局で強盗未遂に及んで逮捕されたり、薬物中毒で服役したこともあります。

ティーンエージャーの頃から麻薬中毒で、ヘロイン以外にも酒とコカインと睡眠薬を一緒くたにやるのですから、家庭では「気難しく傲慢」どころではありません。2度目の妻と娘二人に酷い暴力を振るって虐待していました。

おかげで、ジャズマンとしては珍しく人気・実力・収入の三拍子がそろいながら、稼いだ莫大な金のほとんどをヘロインと酒に費消した破滅的な人生といわれます。

しかし、音楽的には破滅どころか低迷したことさえないようにみえます。1991年に肝臓癌で亡くなる直前まで精力的にコンサートやレコーディングを続け、グラミー賞も受賞するなど、約40年にわたる彼の演奏活動は高い評価を受け続けました。

金や人気のみならず、麻薬や酒さえ、人生の破綻ですら、彼の演奏には影響しなかったと思えるくらい、最初から最後まで、彼の音は美しく自由でした。やはり、”The Sound”としか呼ぶしかありません。

さて、「天馬空をゆく」と村上春樹が絶賛する、1951年24歳のときの演奏です。

Stan Getz at Storyville, Boston 1951 - Full Album
https://www.youtube.com/watch?v=ZD1Wsb73F0M

そして、1991年64歳、最後のレコーディングです。コペンハーゲンのモンマルトルというジャズクラブで演奏したときの音です。

stan getz & kenny barron. east of the sun.wmv
https://www.youtube.com/watch?v=zV_gDRI-AiI

スタン・ゲッツ公式Hp
http://www.stangetz.net/photo_video.html

すみませんね。こんなの聴きはじめたら、3が日ではすみませんね。

(敬称略)
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