先日の「いずれちゃんと感想したい本々」は読了した本や途中まで読んでいるものだが、こちらはほとんど未読。いつになったら読めるかな。
『禁煙ファシズムと戦う 』(ベスト新書 小谷野 敦、斎藤 貴男、栗原 裕一郎 )
もちろん、ブリンクマン指数数千の私はこの人たちと一味同心する。が、「タバコより害を為すものは他にもある」というのは弱い。「ファシズム」という言葉づかいにも違和感が拭えない。「言論の自由」が国家権力だけに対する言葉であるように、「ファシズム」ももっと厳密に使うべき。
「象の消滅」(村上 春樹 新潮社)
ニューヨークで出した短編集の収録順序や装丁そのまま出版したそうだ。あれで、顔が林家こぶ平(9代目正蔵)でなければなあ。
『わたしを離さないで』(カズオ・イシグロ 早川書房)
カズオ・イシグロの執事小説が原作のジェームズ・アイヴォリー監督の映画「日の名残り」はよかった。マドンナの前夫ガイ・リッチー監督の「ロックンローラ」(2008)に、チンピラがこの「日の名残り」をビデオレンタルで観ているシーンがあった。顔では、カズオ・イシグロは村上春樹に圧勝している。ま、たいていの人が林家こぶ平には圧勝できるものだが。
『この世でいちばん大事な「カネ」の話』 (西原 理恵子 よりみちパン!セ)
薄くて字が大きくて総ルビという子ども向けの本なので、これはすぐに読めた。西原理恵子は漫画家というより、やはり文筆家なのだと思った。小学校で株式投資ゲームや賢い消費者教育するより、「働いて金を稼ぐ」ことの自由と不自由を説いて、はるかに教育的指導に満ちている。
『本読みの虫干しー日本の近代文学再読』(関川夏央 岩波新書)
関川夏央と橋本治と高橋源一郎と荒川洋治と片岡義夫と小林信彦は、文体が独特なので癖になる。当代きっての文章家・関川夏央によれば、大正時代が現代の文化の起点だという。すぐに、「内面が書けていない」「人間が描かれていない」と批判する日本の近代文学観への反発。そりゃ近代じゃなく、たかだか大正期にはじまった流行だそうだ。なるほど。
(敬称略)
『禁煙ファシズムと戦う 』(ベスト新書 小谷野 敦、斎藤 貴男、栗原 裕一郎 )
もちろん、ブリンクマン指数数千の私はこの人たちと一味同心する。が、「タバコより害を為すものは他にもある」というのは弱い。「ファシズム」という言葉づかいにも違和感が拭えない。「言論の自由」が国家権力だけに対する言葉であるように、「ファシズム」ももっと厳密に使うべき。
「象の消滅」(村上 春樹 新潮社)
ニューヨークで出した短編集の収録順序や装丁そのまま出版したそうだ。あれで、顔が林家こぶ平(9代目正蔵)でなければなあ。
『わたしを離さないで』(カズオ・イシグロ 早川書房)
カズオ・イシグロの執事小説が原作のジェームズ・アイヴォリー監督の映画「日の名残り」はよかった。マドンナの前夫ガイ・リッチー監督の「ロックンローラ」(2008)に、チンピラがこの「日の名残り」をビデオレンタルで観ているシーンがあった。顔では、カズオ・イシグロは村上春樹に圧勝している。ま、たいていの人が林家こぶ平には圧勝できるものだが。
『この世でいちばん大事な「カネ」の話』 (西原 理恵子 よりみちパン!セ)
薄くて字が大きくて総ルビという子ども向けの本なので、これはすぐに読めた。西原理恵子は漫画家というより、やはり文筆家なのだと思った。小学校で株式投資ゲームや賢い消費者教育するより、「働いて金を稼ぐ」ことの自由と不自由を説いて、はるかに教育的指導に満ちている。
『本読みの虫干しー日本の近代文学再読』(関川夏央 岩波新書)
関川夏央と橋本治と高橋源一郎と荒川洋治と片岡義夫と小林信彦は、文体が独特なので癖になる。当代きっての文章家・関川夏央によれば、大正時代が現代の文化の起点だという。すぐに、「内面が書けていない」「人間が描かれていない」と批判する日本の近代文学観への反発。そりゃ近代じゃなく、たかだか大正期にはじまった流行だそうだ。なるほど。
(敬称略)