今日の日経、麒麟麦酒の相談役の回顧録で、海外のM&Aに携わった自らの思い出を語る結びのなかで、これまでは語学の達者な者や本人の希望で社員を海外に出していたが、これからは仕事のできる者を海外に出して鍛えるべきと提言している。知ってはいたが、改めていわれるとちょっと驚く。つまり、海外赴任を下命するに際し、彼もしくは彼女は仕事ができるという基準はなかったというのだ。ビール会社という内需中心の業界だからともいえない。たとえば、80~90年代、銀行などのエリートが赴任するのはせいぜいNY、それも2年くらいだった。2流、もしくは2流とみられる人材だけ海外赴任要員で、将来のトップ候補は大阪転勤くらいの感覚でNYあたりでアメションさせて温存する。それじゃ、国際舞台で活躍する人材など育つわけもなく、大和銀行事件のような顛末になるわけだ。旧軍以来、この頑迷といってよいほどの内向きと国際軽視、2005年に至っても、さほど問題とも感じてこなかった能天気な自信はいったいどこからくるのだろう。
日本に1人もいないと断言できる職業は国際スパイだな。アメリカをはじめ、周辺諸国の在日スパイはたんというのに。うん、詐欺師の世界でも、MI6だとかCIAなどの諜報機関員という詐称はあっても、日本のどこどこ機関の、という事例は聞いたことがないな。そう告げたとたん、誰からも嘘くさいと見破られるからだな。財界と罪界は鏡である。
日本に1人もいないと断言できる職業は国際スパイだな。アメリカをはじめ、周辺諸国の在日スパイはたんというのに。うん、詐欺師の世界でも、MI6だとかCIAなどの諜報機関員という詐称はあっても、日本のどこどこ機関の、という事例は聞いたことがないな。そう告げたとたん、誰からも嘘くさいと見破られるからだな。財界と罪界は鏡である。