コタツ評論

あなたが観ない映画 あなたが読まない本 あなたが聴かない音楽 あなたの知らないダイアローグ

よくやったサムライブルー

2010-06-30 18:45:00 | ノンジャンル




S・ハンターさん、「サムライ」というのは、あんな風にみんなで耐えて耐えて闘い続ける地味なものなんですよ。「たそがれ清兵衛」のように。パラグアイもまた、「サムライブルー」に劣らぬ、鉄壁のチームワークを見せてくれました。パラグアイといえば、前線までフリーキックを蹴りに出てくる、いかつい顔で怒鳴るGK・チラベルトを思い出します。パラグアイの選手たちの面構えは、平田弘史の武士道劇画に登場する「サムライ」により近いですね。

愛すべき珍作

2010-06-29 00:48:00 | ブックオフ本


おっ、S・ハンターの新作が出たかと本屋で手に取り、パラパラと読んでみたら、あまりの珍作に、見なかったことにしていた、

「四十七人目の男」(S・ハンター 扶桑社文庫)

が亀戸のブックオフに上下とも並んでいた。

おっ、S・ハンターの新作が出たかと手に取り、パラパラと読んでみたら、あまりの珍作に、見なかったことにしていたのを思い出し、棚に戻しかけて、帯文が目に入った。

「本書を執筆することになった根源は、アメリカ映画が新たな”低み”に達したために、職業的映画批評家としてのわが人生にふさぎの虫が巣食ったことにあった。その泥沼のなかで、わたしは山田洋次監督の『たそがれ清兵衛』を観て、即座に復活した。そして、それがもととなって、サムライ映画を観まくる二年間を送ることになり、その妄念は最終的に・・・サムライ小説を書くというアイデアに結実した」(本書・下巻「謝辞」より)

「アバター」を観たから、アメリカ映画が新たな”低み”に達した、にまず同感した。「職業的映画批評家としてのわが人生」は初耳だった。へえと思い、その謝辞と解説を読んでみた。

世界一から三番目のいずれかのスナイパー(狙撃手)であるボブ・リー・スワガー元海兵隊一等軍曹を主人公とした、冒険ミステリ小説の大ベストセラー作家に本業があるのは意外だった。

その本業とは、ボルチモアサン紙やワシントン・ポスト紙など一流紙の映画批評を担当し、映画批評でピュリツァー賞まで受けているというから、さらに驚いた。なおさら、新たな”低み”に達したアメリカ映画とは何だったのか、それがが知りたくなり、タランティーノの「キル・ビル」を小説にしたような、本作を読むことにしたわけだ。

読み終わった。やはり、前人未踏の珍作だった。原題が「The47th Samurai」のように、赤穂浪士四十七士の吉良邸討ち入りがモチーフ。吉良は「ショーグン」と呼ばれるアダルトビデオ業界の帝王であり、「女子高生がブロージョブ」するようなコスプレ作品を得意とし、金髪女優を擁する外資系資本から「日本」を守ろうとしている。「ショーグン」のボディガードで、ヤクザ組織新撰組を率いるのが、剣の達人・近藤勇。ボブ・リー・スワガーは、今回は狙撃銃ではなく、「キョート」で一週間、剣道を習い、日本刀で近藤勇と切り結ぶ。あらすじを書くのが嫌になるほど、私たちにはデタラメに溢れているが、もちろん、主たる顧客は欧米だから、しかたがないのだろう。もしかすると、私たちの欧米の文化に対する理解も同程度かもしれない。とはいえ、スラスラ最後まで読ませるところは、たいしたもの。

新たな”低み”に達したアメリカ映画については、わからなかった。アメリカでの刊行年がわかれば、執筆時に公開されていた映画を特定するのは、そう難しくないはず(この項続く)。

(敬称略)



もうひとつの番狂わせ

2010-06-25 23:00:00 | ノンジャンル




W杯や五輪の代表戦だけをTV観戦する「にわかサッカーファン」ですらなく、スポーツニュースの「今日の結果」を観るだけですから、サッカーにはあまり興味がありません。ただ、おおげさにいえば、「日本人とサッカー」には、多少関心があります。

Jリーグが発足したとき、甲子園をめざす高校野球を頂点とするような、学校に組み込まれたスポーツ選手育成ではなく、ヨーロッパのような地域に根ざした市民サッカークラブの育成をめざすという理念が謳われました。

Jリーグのそれぞれのプロチームが傘下にユースチームをつくり、才能あるサッカー少年を早くから見出し、英才教育をしていかなければ、W杯で活躍するような、世界レベルのサッカー選手は育たないといわれました。

それは理念に基づくというより、現実的な選択だったはずです。Jリーグの発足当時は、圧倒的に野球人口>サッカー人口でしたから、中学・高校・大学・プロと続く、野球のような選手選抜システムに頼ることはできませんでした。

また、県大会や全国大会に向け酷使され消耗が多大な野球の選手育成を反面教師とした面もあるでしょう。少年野球から、中学、高校、あるいは大学の野球部には、それぞれ監督やコーチがいるおかげで、その指導や訓練に一貫性がありません。

Jリーグ発足から17年。日本代表は南アW杯を2勝1分けで決勝Tに勝ち進みました。番狂わせも3回続けば、それなりの強さの証明といえるでしょう。Jリーグのサッカー少年に対するエリート教育が実を結んだのでしょうか。

なぜ世代が上がるにつれてユース出身者の割合が落ちるのか

W杯日本代表の経歴

GK:
楢崎正剛(奈良県出身:奈良育英)
川島永嗣(埼玉県出身:浦和東)
川口能活(静岡県出身:清水商)

DF:
中澤佑二(埼玉県出身:三郷工業技術高)
田中マルクス闘莉王(ブラジル出身:渋谷幕張高)
今野泰幸(宮城県出身:東北高)
岩政大樹(山口県出身:岩国高→学芸大学)
駒野友一(和歌山県出身:サンフレッチェ広島ユース)
長友佑都(愛媛県出身:東福岡高→明治大学)
内田篤人(静岡県出身:清水東高)

MF:
中村俊輔(神奈川県出身:桐光学園)
遠藤保仁(鹿児島県出身:鹿児島実業)
中村憲剛(東京都出身:都立久留米高→中央大学)
稲本潤一(鹿児島県出身:ガンバ大阪ユース)
阿部勇樹(千葉県出身:ジェフ千葉ユース)
長谷部誠(静岡県出身:藤枝東高)
本田圭佑(大阪府出身:星稜高)
松井大輔(京都府出身:鹿児島実業)


ユース出身がわずか3人に過ぎないことには、明らかな有意差があると思われますが、それが直ちに、学校の部活動としてのスポーツ選手育成の優位を示すとは思えません。あるいは、結局、サッカーも野球のような学校選抜の選手育成に、先祖帰りしてしまったと断ずるのも、性急に過ぎるでしょう。どちらかではなく、どちらでもない変化の徴候かもしれません。そんなサッカーの周縁が、私にはおもしろいですね。

故郷へ帰りたい

2010-06-24 01:45:00 | 音楽
日本では、クリネックスに次ぐティッシュブランドである格安エルモア。それとはまったく関係のないエルモア・ジェイムスのComing Home 。何をいっているのか、「カミング・ホーム」以外、まったくわからないけれど、それっ! チャララララララチャラルラ~、ズッタズッタズッタズッタズ、チャラララララララララチャララルラ♪

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アジフライとジョン・デンバー

2010-06-23 06:31:00 | ノンジャンル




アジフライについて考えた人がいて、ジョン・デンバーの歌を教えてくれた。


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Almost heaven, West Virginia
Blue Ridge Mountains, Shenandoah River
Life is old there, older than the trees, younger than the mountains,
growin' like a breeze

Country Roads, take me home
to the place I belong
West Virginia, mountain momma
Take me home, country roads

All my memories,
gather 'round her
Miner's lady, stranger to blue water
Dark and dusty, painted on the sky,
Misty taste of moonshine, teardrop in my eye

Country Roads, take me home
to the place I belong
West Virginia, mountain momma
Take me home, Country Roads

I hear her voice, in the mornin' hours she calls me
The radio reminds me of my home far away
And drivin' down the road I get a feelin' I should have been home yesterday, yesterday

Country Roads, take me home, Country Roads