コタツ評論

あなたが観ない映画 あなたが読まない本 あなたが聴かない音楽 あなたの知らないダイアローグ

今夜は Sway

2014-06-14 00:44:00 | 音楽
Sway は Swayback(スウェーバック) の Sway です。Swayback とは、上体を後ろにのけぞらしてパンチをかわす、ボクシングの防御技術のことです。「悪魔王子」と異名をとったナジーム・ハメドの背骨が直角に曲がるほどのスウェーバックは凄いものでした。

閑話休題。sway だけですと、ダンスで身体を揺らすとか動かすという意味になります。アメリカ往年のヒット曲ですが、映画「Shall We Dance?」の挿入歌に使われてリバイバルヒットしました。韓国のガールズダンスグループを真似したような Pussycat dolls (どぎつい名を付けるものです)が歌っています。

Sway - Shall We Dance?


ディーン・マーティンの持ち歌としても有名で、たとえば、make me sway と歌うときの色っぽさは圧巻ですが、ポピュラーなのは、やはり次のローズマリー・クルーニーでしょう。映画俳優のジョージ・クルーニーのお祖母さんです。バンドはペレス・プラード楽団です。

これは傑作動画ですよ。リタ・ヘイワースのダンス場面を集めています。映画「ショーシャンクの空に」の原作となったスティーブン・キングの小説のタイトルが、「刑務所のリタ・ヘイワース」でした。監房の壁に水着姿のリタ・ヘイワースの大きなポスターを貼っている囚人の話でした。

Rita Hayworth Sway Dancing


おわかりですか。最初の眉毛の太い2枚目はタイロン・パワー、タンゴかフラメンコダンスの場面に登場する黒づくめの無骨な男は、なんとアンソニー・クインです。

Sway には元歌があって、トリオ・ロス・パンチョスが歌った「キエン・セラ(Quien sera)」というタイトルで日本でもヒットしました。ある程度の年配の人なら、キエンセララケメ キエラメ キエンセラ キエンセラ~♪ という出だしを知らない人はいないでしょう。次は、私たちのメキシコイメージにぴったり、賑やかでいいですね。

Pedro Fernandez "Quien sera"


お次は、ちょっと変わり種です。映画「ダークシティ」のなかで、ジェニファー・コネリーが歌っています。あらかじめいっておきますが、歌は下手です。

"Sway" - Jennifer Connelly


1998年の映画ですが、1940年代にセックス・シンボルだった、前出のリタ・ヘイワースの健康的な色気と比べてみてください。ジェニファー・コネリーへの演出が、80年代の中森明菜風というか、高田みづえというか、少女フェチなことがわかるはずです。10年遅れで日本の変態風味を真似したようです。きゃりーぱみゅぱみゅを真似るのは、後5年くらい先でしょうか。

(敬称略)

水村山郭不動産の番外にして本命!

2014-06-12 12:37:00 | ノンジャンル
当ブログでは、これまで2回にわたり、週刊新潮の巻末グラビア企画「水村山郭不動産」物件を紹介してきました。

誰かいっしょに住まないか?
http://moon.ap.teacup.com/chijin/1203.html
誰も住まない
http://moon.ap.teacup.com/chijin/1212.html

少子高齢化と経済のグローバリゼーションが相まって、日本の農山村に人が住まなくなりました。おかげで、都市部に暮らす私たちからみれば、信じられないような値段で、豪農の屋敷や暖炉付きの別荘などが、広々とした敷地や農地、裏山込みで売りに出されているのに驚いたからです。

都会で賃貸集合住宅暮らしや狭小の持ち家に住む者なら、自分の生活を変えるきっかけや期待は、せいぜい新しい電化製品を買うときぐらいでしょう。このジューサーを買ったら、毎朝、自家製青汁が飲めるかな。冷蔵庫の棚が円形で回転式なら、奥にあるものが取りやすいな。そんな「夢」くらいしか見させてくれないものです。

「水村山郭不動産」には、私たちでも手の届きそうな2000万円以下という価格で、数百坪から数千坪の土地付き戸建てが、田畑や山林など生産手段込みで紹介されるのですから、「こんな家に住めたら」「こんなに土地があったら」と想像の翼を広げて顔がほころんでしまうのは、なにも私だけではないはずです。

ところが、現実は「水村山郭不動産」よりはるかに先にいっていました。もうね、想像の翼はたたんで、電卓を探してください。2000万円どころか、軽自動車を買う金で買えます。一読したら貯金や年金の計算をはじめ、軽自動車の中古の値段を調べなきゃなりません。



日本で築160年の古民家を土地付きで買ったけど何か質問ある?
http://sow.blog.jp/archives/1004281287.html

物件概要

敷地:2.2エーカー(約8,900㎡、約2,673坪)
上物:築160年の茅葺き古民家
価格:1万ドル(100万円)
所在:京都府の田舎

諸費用:
エージェントに6万円(600ドル)
司法書士に14万円(1400ドル)
ほか不動産取得税
固定資産税は年約2万円

その他:
電気・プロパンガス・水道・インターネット可

蔵にツキノワグマが冬眠していたそうですから山奥ですね。コメントで椎茸栽培を勧められています。アレックス・カーという名前が出てきますが、当ブログでも彼の本を紹介したことがありました。ついでに、アーサー・ビナードという日本語で詩文をものする在日アメリカ人の本もおすすめです。えっ、100万円もない? あきらめなさんな、借りればいい。100万円の物件なら、月1万円も払えばじゅうぶん。廃屋になるくらいなら無料でもという物件もあるはずです。
 
(敬称略)

今夜はコルサコフ

2014-06-05 00:38:00 | 音楽
NHK交響楽団が6月1日にソウル公演をしたそうだ。プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番やマーラーの交響曲第4番のほかに、当ブログでも紹介した「密陽(ミリャン)アリラン」も演奏したという。ぜし(正調東京弁だあ)、聴きたいとYoutubeを探したが、さすがにまだ投稿されていない、残念。

じゃね、というのも愛想がないので、今夜はデュトワ指揮のコルサコフを。「The Kalendar Prince」でYoutube検索すると、ゲルギエフ(Gergiev)やいろいろ出てきますが、私はN響のが気に入りました。

Rimsky Korsakov 「Sheherazade, Op.35」 II. The Kalendar Prince


うーん、やっぱりN響の「ミリャンアリラン」が聴きたいな。とりあえず、カティカ・イレイニと並んで当ブログご贔屓のソンソヒの「ミリャンアリラン」を。アリランメドレーですが、3曲目の「ナイチョンボソ~ナイチョンボソ~」という歌い出しです。

INPUT 2011 축하음악회 송소희 아리랑 진도아리랑 밀양아리랑 강원도아리랑


(敬称略)