コタツ評論

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出版を!

2020-11-06 02:55:00 | 政治
日本学術会議が推薦した6人の会員を菅首相が任命拒否をしたことに「反発」した、およそ500もの学会が抗議声明を出したそうだが、両者の「議論は嚙み合わず」「平行線」をたどっているという。

正直、抗議声明文の多くは、日本学術会議法や憲法が謳う学問の自由に違反する怖れがあるくらいの「棒読み」だろうと思っていたが、話題になっているイタリア学会の声明文を読んで考えを改めた。

「日本学術会議会員任命拒否についてイタリア学会による声明」
http://studiit.jp/pdf/%E5%A3%B0%E6%98%8E%E6%96%87%EF%BC%88%E7%90%86%E7%94%B1%E4%BB%98%E3%81%8D%EF%BC%89.pdf

多種多様な500もの学会それぞれが、その英知を結集した声明文を書いているとしたら、それこそ「総合的」「俯瞰的」な日本の学術の展望になるわけで、ぜひ「緊急出版」して国民の前に提供してほしいものだ

イタリア学会のような人文学や社会科学分野以外の自然科学や工学系の学会が、どんな声明文を書いているのかも興味深い。物理学会は物理の基本法則を援用したり、電気学会が電流の特質などから、広報を兼ねその専門知識を駆使して菅首相を説得しようとしているのだろうか。よく新聞に出てくる、政府寄りと思える日本土木学会も抗議声明を出したのだろうか。

格式の高そうな学会もあれば、「へえ、そんな学会があるの?」という権威なき学習サークルほどの学会もあるだろう。「会報があれば読んでみたい」「それなら関心があるから、ちょっと入ってみたいな」という学会があるかもしれない。

500学会の抗議声明文の「文責者」をはじめとする関係者が平均10人いるとして5000部、「緊急出版」による話題性をメディアが報ずれば、さらに5000部冊くらいは見込めるのではないか。

(止め)