Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

微妙な差別

2009年09月16日 | イギリス旅行2009
オックスフォードで五つ星ホテル「ランドルフ」(写真)に泊まった時のこと。
そのメイン・レストランでディナーを頂くべく、我々はちょっとお洒落なワンピースなどに着替えて出向いたのです。
赤を基調とした、薄暗く天井の高い、風格のあるレストラン。
壁には貴族だか何だかの大きな肖像画があちこちに。

応対したのは長身赤毛、黒スーツの若い女性。
飲み物のメニューから、どのワインにしようかなどとあれこれ選んでいると
いらだたしそうな顔をして姿を消す。
飲み物と料理がなんとか決まり、注文したのですが…

イギリスのサバ(mackerel)は脂が乗って美味しいと聞いていたので、私はそのグリルを頼んだのです。
が、出てきたのは、マグロ(tuna)のソテー。
しかも、謝罪の言葉もなく、サバは今日切れてしまったからと素っ気なく。
普通、注文した際にそう断って確認するでしょう…?

この女性、その後も我々のテープル放りっぱなし。
飲み物の追加を聞くでもなし、料理の評判を確認するでもなし。
でも、正直私は、まだイギリスに来たばかりで
自分がどんな扱いを受けているのかピンと来なかったのです。
この国は一流レストランであってもこんなものなのかなあ、と。

翌朝もこの女性が我々のテーブルに。
ニコリともせず、コーヒーか紅茶だけかを聞き、シリアル、フルーツ、ハム、
チーズなどが並べられたテーブルから好きなものを取って食べろと。
しかし他のテーブルを見ると、メニューを見て注文しているではありませんか。
五つ星ホテルで、フル・イングリッシュ・ブレックファストでない筈がない。
他のウエイトレスに聞いてみると、すぐにメニューを持ってきて
卵料理その他の注文を取ってくれました。
見るとあの赤毛のウエイトレス、白人客のテーブルにはメニューを持って行き、
斜め横のアジア系客のテーブルには持って行っていない。

翌日泊まったマナー・ハウスのメイン・レストランのディナーでは
非常に感じの良い若い男性が担当。
ニコニコと料理の説明をし、丁寧に注文を取り、その後、
"Is everything all right?""Are you enjoyning?"と
しつこいくらい聞きにくる。
あまりにも愛想が良いので、あれ本当にイギリス人かしら?アメリカからバイトに
来てる学生なんじゃないの?という会話が、我々のテーブルで交わされたくらい。
お店を出るときに見送ってくれたので
あなたイギリス人なの?と聞くと
sure!!Why asking??と言うので
いえあんまり陽気で感じがいいから、と答えると
そりゃ東洋からの美女を迎えてるんだから、とあくまでも調子がいい。

話がズレた。
しかし、サービスというものは本来こういうものでしょう?

そうか、あれが差別というものなのか…
あれは、どう考えても五つ星ホテルのサービスではなかった。
今思うと、あの赤毛の女性に
「お名前なんておっしゃるの?
サービスがとってもよかったから是非お聞きしたいわ!」
くらいの一言を言ってやればよかった。
でも、あの時は訳が分からなくて
というか、初めて”差別”らしいものを体験した衝撃で
自分の目の前で何が起こっているのか分からない、という感じでした。

こんな些細なことは、差別のうちに入らないのかもしれない。
仮にあのホテルの責任者に文句を言ったところで
あの女性が、(サバが切れたことを言うことやメニューを持って行くのを)忘れた、と言えば
それで終わってしまうのかもしれない。
でも我々が不愉快な思いをしたことは事実だし、
あのレストランには二度と行きたくないと思うこともまた、事実なのです。
コメント
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