
リンゴの無農薬栽培に成功した、津軽の木村秋則夫妻の物語。
リンゴ農家に婿養子として入った秋則は、リンゴ栽培に使う農薬の為に
身体の不調に苦しむ妻、美栄子のために、無農薬栽培を決意します。
でもそれは、途方もなく大変なことだった。
何年も何年もリンゴの木は病気に襲われ、虫に食べ尽くされ、葉は枯れ、
果実が実るどころか花も咲かず…
10年もの間、無収入!
貯金はとうに底をつき、電気も電話も止められ、車もバイクも手放し、
リンゴ園の半分を抵当に取られ、村八分にされ。
窮地に追い込まれて、いよいよ自殺も考えた11年目にようやく…

結果が分かっていても、気持ちよく泣ける映画です。
捻りも何もない、ド直球の演出。
絶望の底にいても支え合う、家族の愛。
素直に心に沁み入る久石譲の音楽。
そして私が思い出していたのは…
私は以前、このリンゴを食べたことがあるのです。
白金台のフレンチ・レストラン、シェ・イグチで。
2006年だから、今から7年も前。
まだ今ほどには、木村氏が有名ではなかった頃。
その時の日記を引用します。

”ちょっと変わった一品が出ました。
小さなカップに入った白いスープです。(写真)
「青森の木村さんのリンゴで作りましたリンゴスープです。」
いきなりそう言われましても…
青森の木村さんとはそも何者か?
ここに来た今までのゲストはそう言われて、
はあ、これが青森の木村さんのリンゴで作ったリンゴスープですか、と
ありがたく押し戴いてスープを飲んで来たのか?
大体これってデザートなのか何なのか?
そんなことを思いながら一口頂くと…
甘酸っぱい!美味しい!
リンゴがここまでまろやかで優しい味になるなんて!”
http://diary.fc2.com/cgi-sys/ed.cgi/ako_0330/?Y=2006&M=11&D=9
無知の極みで失礼なことを申しあげまして…
その後、木村さんはNHKの番組で取り上げられたり、本に書かれたりして
日本での有名人になったのは周知の通り。
そうして今回の映画化ということになったのでした。
今更ですが、木村さん、本当に御成功おめでとうございます。
「奇跡のリンゴ」 http://www.kisekinoringo.com/