Zooey's Diary

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「キャロル」

2016年02月17日 | 映画


「太陽がいっぱい」で有名な作家パトリシア・ハイスミスの原作を
トッド・ヘインズ監督が映画化。
1950年代のニューヨークが舞台。
裕福な人妻キャロル(ケイト・ブランシェット)は、幼い娘へのプレゼントを
買いに行った百貨店で、若い女性店員テレーズ(ルーニー・マーラー)と出逢う。
キャロルは別居中の夫と娘の親権を巡って争い中、
テレーズは恋人からプロポーズされていたが、写真家になるという夢もあり、
踏み切れないでいた。
そんな二人が旅に出ることになり…



同性愛は「忌むべき精神疾患」であった時代。
いわゆる性的マイノリティの人々は、どんなに生き辛かったことかと思います。
そんな中で視線を絡め合わせる女性二人が、何処でどう、恋に落ちるのか。
周囲からどんな風に叩かれていくのか。
行き詰まるような緊張感があります。

しかし、50年代の冬のNYを舞台にした画面の、なんと綺麗なこと。
NYの街並み、車、インテリア、音楽、そしてファッション、
どれもこれもうっとりするほどに素晴らしい。
毛皮のコートを上品に着こなすケイト・ブランシェットは圧巻です。



パトリシア・ハイスミスはこの原作を匿名で書き、
30年以上たってから、自分の作品であることを告白したのだそうです。
町山智浩氏によると
”話はほとんど事実です。私はその当時、作家志望で、ブルーミングデールズ
っていう高級デパートで売り子をしていて。そこで買い物に来たキャサリン・シェン
という金持ちの奥さんに一目惚れしました”
と、パトリシアは語っていたらしい。
彼女自身、レズビアンであったのですね。
若い頃、彼女のミステリーを幾つか読みましたが、考えてもみませんでした。

それを知ると、映画の中の画面が、別の意味を持っていたようにも感じられて来る。
例えば、車の窓や店のガラス越しに彼女たちを映し出すシーンが
くり返しあるのですが、いつも曇っているのです。
その時代の、彼女たちを見る目を象徴していたのかもしれません。

公式HP http://carol-movie.com/
町山智浩『キャロル』を語る  http://miyearnzzlabo.com/archives/32721
コメント (2)
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