Zooey's Diary

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「ねじれた家」

2019年05月19日 | 社会
巨万の富を築いた大富豪レオニデスが毒殺され、その孫娘ソフィアの元恋人、
私立探偵のチャールズが捜査を依頼される。
レオニデスの豪壮な屋敷には三世代に渡る一族が勢揃いしており、
巨額の遺産を巡っての疑惑や嫉妬、憎悪が入り乱れていた。
その一人ずつに聞き込みをしたチャールズは、一族全員に殺害動機があることに気付く。



古き良き英国の面影を残した、お城のような邸宅。
華麗なる一族の、遺産を巡るドロドロの争い。
アガサ・クリスティの得意とする舞台設定です。
重厚な家具や調度品や衣装はうっとりするほどに素晴らしいのですが
前半、複雑な関係が絡まる人物像とその殺害動機を延々と描いていてやや退屈。
更に、肝心の主役のチャールズのキャラが今一つ面白くない。
アクの強い人間たちに囲まれて右往左往しているだけの坊ちゃん探偵にしか見えない。



ところがラスト、あっと驚くどんでん返しに息を呑みます。
私は小さく声を上げてしまいました。
「一番、それらしく見えない人物が犯人」とはよく言われる言葉ですが
まさにそれ。
この結末を浮かび上がらせるために、延々と廻りの人物を描いて来たのか。



この作品は、アガサ・クリスティが自身の最高傑作と公言しているのだそうです。
その割には今まで映画化されなかったのは、この結末のせいだったのかと納得。
実際、当時の出版社がクリスティに、その結末を変えられないかと頼んだのですと。
今であれば、驚きはするがあり得ることだと思えるのも悲しいが。
キャラの薄い坊ちゃん探偵を演じたマックス・アイアンズは、あの名優
ジェレミー・アイアンズの息子だそうです。
「危険な情事」で妖艶な女性を演じたグレン・クローズはもう72歳、
この作品では一族の要のような大伯母を演じていて、さすが大女優の存在感でした。


公式HP https://nejire-movie.jp/

映画「アガサ・クリスティー ねじれた家」
コメント (4)
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