2017年の直木賞・本屋大賞をダブル受賞した恩田陸の同名小説を映画化。
国際ピアノコンクールの予選会に参加する若き4人のピアニストたちの群像劇。
本を読んだ時から、この日を楽しみにしていました。
クラッシック音楽に詳しくない私は、本に出てくる沢山のクラッシックの名曲を
その度ネット動画で聴きながら読んだので、時間がかかって仕方なかったのです。
国際ピアノコンクールの予選会に参加する若き4人のピアニストたちの群像劇。
本を読んだ時から、この日を楽しみにしていました。
クラッシック音楽に詳しくない私は、本に出てくる沢山のクラッシックの名曲を
その度ネット動画で聴きながら読んだので、時間がかかって仕方なかったのです。
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母の死をきっかけにピアノが弾けなくなったかつての天才少女・栄伝亜夜(松岡茉優)。
音大出身だが今は楽器店で働くコンクール年齢制限ギリギリの高島明石(松坂桃季)。
名門ジュリアード音楽院在籍中で完璧な演奏技術と感性を併せ持つマサル・アナトール(森崎ウィン)。
パリで行われたオーディションに突如現れた謎の少年・風間塵(鈴鹿央士)。
この4人が挑む、 第1次予選から本選まで2週間に渡るピアノ・コンクールを描いたものです。
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音楽を堪能できるというのは、やはり映画の大きな魅力です。
彼らが弾いたプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番と第2番、バルトークの第3番。
この映画のために作曲家の藤倉大が作曲したという「春と修羅」、
そこから作り上げた、四人のピアニストのそれぞれ個性的なカデンツァ。
亜夜と塵が、ピアノ工房で月光を浴びながらドビュッシーの「月の光」を連弾したシーンは
とても印象に残りました。
珍しく夫と観たのですが、本を読んでいない夫は
何故何度も馬が出てきたのか、タイトルの蜜蜂は何処から来たのかと不思議がっていました。
馬は本の中で、亜夜の想像の産物として出て来るのです。
幼い亜夜が、トタン屋根に激しく打ち付ける雨の音から天を駆け抜ける馬のギャロップを連想し、
それは亜夜にとって、音楽的な原体験となるのです。
蜜蜂に関しては
”明るい野山を群れ飛ぶ無数の蜜蜂は、世界を祝福する音符であると。
そして、世界とは、いつもなんという至上の音楽に満たされていたことだろう。”
という一節があるのです。
これらは確かに映画だけでは分からないのじゃないかな。
才能を持った者、渇望してもそれを与えられない者のそれぞれの苦しみも
やや描き足りなかったような気もします。
という不満はありましたが、上質な音楽をたっぷり楽しむことができてほぼ満足。
片桐はいりのクローク役など、本にはないお茶目なサービスもありました。
クラッシック音楽が好きな夫も満足したようでした。
月夜の連弾が素晴らしかったので、貼っておきます。