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Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

オムレツを作る風景

2013年04月03日 | 映画
村上春樹のエッセイ「サラダ好きのライオン」の中に
男がオムレツを作るのにどんな風景が一番ふさわしいか、というものがあります。
”僕が思いつく、オムレツ作りにいちばん適したシチュエーションというのは、
やはり情事の翌朝だ。
ベッドで女の子が寝ていて、男がTシャツとボクサーショーツという格好で台所に立ち、
お湯を沸かし、コーヒーをつくる。
その素敵な匂いで女の子が目を覚ます。
「何もなくて悪いんだけど、ほうれん草のオムレツでよければ作ろうか」と男は言って、
ガスに火をつけ、フライパンにバターをひき、何でもなさそうにひょいひょいと
オムレツを作り、皿にあける。
女の子は男物のストライプのコットン・シャツをまとって、ベッドから物憂く出てくる。
新しい太陽がキッチンのいろいろなものを、眩しく輝かせている。”

村上氏の顔を思い出さなければ(失礼!)
アメリカ映画の中のワンシーンのようです。
バターと卵がジュージュー焼ける音と、その匂いが漂ってきそう。
これを読んで思い出したのは、映画「愛と青春の旅立ち」。
何しろ昔に観たものだし、今手元にないので間違っているかもしれませんが、
リチャード・ギア演じるザックとデブラ・ウィンガー演じるポーラが
安モーテルで初めての朝を迎えた時、ポーラがオムレツを作ったんじゃなかったっけ?
リチャード・ギアもデブラ・ウィンガーも初々しかったなあ…

今思えば気恥ずかしくなるような青春映画ではあるのだけど
1982年公開当時、私は大学生。
夢中になって観たものです。
海軍士官養成学校での過酷な訓練の中で
つらい少年時代を過ごして屈折した性格を持つザックが鍛えられ、
同じ候補生の友達、恋人、鬼軍曹(ルイス・ゴセット・Jr)との関わりの中でどんどん成長して行く。
地獄の訓練13週を耐え抜いて晴れて士官となり、
卒業式で立場が逆転した鬼軍曹が最敬礼するところが気持ちよかった。
そして何といっても、その後、輝くばかりの白い軍服を着たザックが
町工場で働くポーラを迎えに行き、お姫様抱っこするシーン。
憧れたなあ…

懐かしいテーマソング「Up Where We Belong」を貼ってみました。
コメント (4)
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あんまり頑張り過ぎないで

2013年04月02日 | 社会


我家と同じマンションの友人宅のお子さんが
全日本女子サッカーの研修生に選ばれました。
この春、小学校卒業と共に家を離れ、
静岡で合宿生活を始めるのだそうです。
正式名称を忘れましたが、その研修生に選ばれるのは全国で20人なのだとか。
彼女が幼稚園の頃からどんなにサッカーに打ち込んでいたのかを知っているだけに
13才で早くも親元を離れる本人Aちゃんとその両親の決断に驚きながらも
祝福のエールを送らずにはいられません。
先日、ささやかなお別れの会を設けました。
身体はまだ小さなAちゃん、希望と不安とで目をキラキラとさせていました。

勉強であれ、スポーツであれ、趣味であれ、
本当に好きなものを見つけてその道を邁進して貰いたい。
多くの親が子どもに願うことでしょう。
好きなものを見つけられずに、将来の展望を持てない、
生きて行く意味を見つけられないと嘆く子どものなんと多いことか。

しかし…
ひとつのことにあまりにも打ち込んだばかりに、その道で挫折してしまった子どもを
私は何人も知っている。
サッカーや野球に打ち込み、朝も晩も練習に励み、選手として活躍し、
特待生として中学や高校に進んだものの、
事故や怪我、あるいはコーチとの不仲、あるいは才能の伸び悩みで第一線を外され、
そこから立ち直れなくなった子ども。
学校をやめてしまい、悪い仲間と付き合うようになったり、
引きこもりになって家庭内暴力をふるっている子ども。
その子の小さい時の可愛らしさ、心をくだいて育ててきたその親を
多少なりとも知っているだけに…
子どもって本当に難しいと思わないではいられない。

どんなに頑張っても、その道で成功するのは
ほんの一握りに過ぎないのですから。
だからAちゃんにも私は
素直に「がんばって」と言えなかった。
「あんまり頑張りすぎないで。万が一駄目だったら、いつでも帰ってくるのよ」と
ヘンな激励をしてしまったのでした。

写真はFBから
小さい頃はこんな風に親の庇護にくるまれていたのに…
コメント (2)
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