Zooey's Diary

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「裏窓」

2013年04月16日 | 映画


昨夜、BSのヒチコック特集で「裏窓」を観ました。
懐かしいなあ…
初めて観たのは20代の時であったか。

1954年アメリカ映画。
カメラマンのジェフ(ジェームズ・スチュワート)は足を骨折し、
ニューヨーク、グリニッチ・ヴィレッジのアパートで療養中。
7週間もの間、身動きの取れない彼にとって退屈しのぎの楽しみは、
窓から見える中庭と向いのアパートの住人たちを眺める事だけ。
不審な動きをする住人を見張っているうち、殺人事件に巻き込まれ…

サスペンスであり、ラブロマンスであり、ヒューマン・ドラマであり。
しかも昔観た時には気が付かなかったことも見えてくる。
昔は、そのアパートも随分お洒落だと思ったものですが
今観ると、下町の生活感漂うゴチャゴチャしたアパートです。
一途に思いを寄せる恋人リザ(グレース・ケリー)を受け入れないジェフに、
若い私は苛々したものですが
今は、それも無理もないと思えてくる。
貧しい報道カメラマンのジェフに対して一流モデルのリザは
仕事柄といえ、1100ドルもするようなオーガンジーのドレスを身につけている。
動けないジェフに、美味しい夕食を用意したと言って
一流レストランのケータリング(給仕つき!)を頼んだり。
世界を飛び回りたいジェフに、雑誌社を辞めてスタジオを開いてと頼んだり。
これではジェフが怖気づくのも無理はない。
しかしジェフも、将来の展望は持てないにしても
今はリザを手放したくないという男の狡さも持っている。

画面の中で、美味しそうに食べる場面があったように記憶していたのですが
ジェフが、通いの看護婦ステラに作って貰って
その料理の腕前を褒めながら満足気に食べるのは
ただのトーストとベーコンエッグ、それにコーヒー。
サラダとオレンジジュースくらいつけたら?と言いたくなります。
野菜一切れも挟まない、シンプルこの上ないハム・サンドイッチも出てきたなあ。



アパートの一室、そこから見えるだけの狭い世界で
しかし観るほどにドキドキさせられるヒチコック監督の力量は
60年経っても些かも色褪せません。
一人酒をあおるミス・ロンリーハート、最初はベッタリだった新婚夫婦、
飼い犬をバスケットに入れて四階の部屋から上げ下ろしする夫婦、
スタイル自慢でモテモテの踊り子の本当の願い…
人間観察も面白い。
ウィットに富む会話にも退屈させられません。
それにしても、グレース・ケリーの美しいこと!
息を呑むほどです。

コメント (14)
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