Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

プラレールじゃないの!?

2019年10月14日 | 社会

この映像を見て、息を呑まれた方も多かったのではないでしょうか。
昨日の長野市にあるJR東日本の「長野新幹線車両センター」の様子。
台風19号の影響で、北陸新幹線の車両30編成のうち3分の1に当たる10編成120両が水に漬かったのだそうです。


これを見て最初に思ったのは、この車両まだ使えるの?ということ。
車に詳しいFB友たちによると、モーターは水に浸かると絶望的、
駆動系は全交換、内装はどこまで使えるやらといったところらしい。


車なら廃車にするしかないが、電車の場合は全バラ(全てバラして修理)できるので
再生する可能性はあるが、それには途方もない手間とお金がかかるのですって。
新幹線新車両7編成の値段は約260億円、修理すると一体いくらかかるのか?
かといってこの美しい車両たちを廃棄してしまうのは、あまりにも悲しい。

今回の台風で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。
台風の残した爪痕が、少しでも少ないことを願ってやみません。


北陸新幹線の車両基地水没

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「極夜行前」

2019年10月13日 | 
「極夜」という聞き慣れない言葉は「白夜」の反対語であり、
冬の北極とか南極で太陽が地平線の下に完全に沈み、24時間中真っ暗になる現象を言うのだそうです。
本書は、そこを犬一匹と橇を引いて4か月旅をする様を描いた「極夜行」の前編であり、
3回にわたる準備の旅の記録です。
準備といっても3年がかりの旅で、GPSも衛星電話を使わない北極圏の道行は
常に死と隣り合わせであったようです。

角幡雄介という探検家の名前は知っていましたが、詳しくは知らなかったので
本書を読み進めて90頁目の、氷の途中の割れ目に落ちて死にかけた所で
「もっと雪の量が少なければ、海中に没し、潮流に流され、氷盤の下に入り込んで死亡していただろう。
死体は二度と見つからず、私の妻は結婚して僅か半年で未亡人となっていた」。
というくだりで、初めてこの人が新婚だと分かりました。
新婚でこんな危ない探検に出かけていたということにも驚きましたが。

本書に書かれた3回の準備旅のうち、1回目は六分儀を使った天測を学ぶため、
2回目は本番で同行する犬を教育するため、3回目は本番に備えて
食料燃料を各地のデポに貯蔵するためのカヤックの旅であったらしい。
私には、2回目の犬との旅が一番面白く読めました。

著者は、現地のイヌイットから、一匹の一歳犬を買い求めます。
食料や燃料を積んだ橇は150㎏にもなり、自分一人では到底引くことができない。
イヌイットの流儀に基づいて犬と共に極夜行を計画するのですが
著者は犬を飼ったことも躾けたこともがなく、ウヤミリックという名のその犬も橇を引いた経験はまだない。
文字通り手探りで始まった旅は、中々思うようには行きません。

ウヤミリックは、旅先でホームシックになったり、ご飯を食べなくなったり、
怯えて動かなくなったり、橇を引かなくなったり、著者の思うようには扱えないのです。
「なんでそんなことも分からないのか、お前はそんなに阿呆だったのかああああ!と
私は叫び出したい心境だった。元々知能が低いのか、犬とはそんなものなのか。
あるいは飼い主に似て要領が悪いのか、それとも私の教育が悪かったのか」。

しかし極夜の北極圏において、犬の反抗は、著者と犬の死を意味します。
「もはや怒りを制御できなくなった私は再びストックで何度も背中を叩き、拳を握り締めて顔面に強打の嵐を見舞った。
私のあまりの変貌に犬は信じられないという表情をし、恐怖のあまり小便をびしゃああああっと盛大に漏らした」
この他にも、著者は怒りに任せて、書き写すに堪えないようなもっと酷い折檻を繰り返す。
それでも
「私が今この瞬間、この地で生きていることを知っているのは、唯一、犬だけだった」
という旅を続けるうちに、両者は次第に心を通わせて行くのです。

氷点下30度以下の極寒の世界。
ウサギを20羽殺しその毛皮を縫い合わせて防寒着を作り、海鳥を何十羽も仕留めて干し肉を作り、
ジャコウウシを射殺してその強烈なアンモニア臭のする肉を食べ(時にはウジが何百匹も蠢く腐った肉も)
海象(説明がなくて何のことか分からなかったがセイウチのことらしい)に何度も襲われ、
北極熊の襲来に怯え、凍傷になりかけ、孤独と暗闇と極寒と恐怖に耐え、
そこまでして著者は何故に極夜行を目指すのか。
「万物を規定し、私たちの生命を律動させる太陽がない世界というのは、一体どういう世界なのだろう?
長期間そこに身を置くと何を思い、身体と精神はどのような反応を見せるのか?」

準備編の紀行記でも350頁、結構な読み応え。
本編を読むのが楽しみです。

極夜行前」 

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「ブリューゲルの家族」

2019年10月10日 | 

この本は、著者に一人の女性読者が送った25通の手紙という形で構成されています。
ごくごく平凡な女性であるという五十代の女性は、知恵遅れの24歳の、天使のような一人息子と
その息子を人生の汚点だと見なす、エリートの冷たい夫と暮らしています。
ある日、たまたま見たブリューゲルの絵の中に、我が子の姿を見つけたと言います。
それが「ネーデルランドの諺」。



先月、六本木の「見たことがないブリューゲル展」で私も観た絵。
この絵の真ん中の下あたりに描かれている、大きな樽を抱えた男。
その「愚かしいばかりに膨らんだ頬をして、眼はきょろんと上を向いている」男が
自分の息子そのままだというのです。
この男の絵は、「陽だまりを運ぶ男」と解説にあるのだそうで、
そんな意味のない、しかし温かいことをすることも息子にピッタリだと。
そして彼女は、ブリューゲルの様々な絵に、幸福や不幸、温もりや冷淡を見い出し、
天使のような息子と、心の通わない夫との日常に重ねて行くのです。

ブリューゲルの絵一つ一つに色々なエピソードが書き込まれるのですが
中でも私が特に好きなのは、第11章の「豚の前に薔薇を撒く」。
同じく「ネーデルランドの諺」の中の、真ん中の下の方にいる青いターバンの男。
「豚の前に薔薇を撒く」というのは、無駄な仕事をするという意味なのだそうです。

ある日、女性の息子が行方不明になってしまい、必死に探すが見つからない。
そこへ近所の顔見知りのお婆さんが、隣町にいたという息子を連れて来てくれる。
女性は泣いて喜んで、その老婆に御礼として綺麗なブラウスを買って贈る。
淡いグレイとブルーの花模様で銀色のラインが入っているというそのブラウスを
夫は、あんな婆さんに、豚に真珠だとあざ笑い、
実際、その地味な老婆がその服を着ている姿を女性も見たことはなかった。
その後まもなく老婆は心臓の病で亡くなるのですが、息を引き取る間際に、
あのブラウスを着せてお棺に入れてくれと言ったのだそうです。
「よく似合ったんですよ、あの方。普段は構わないなりしていらしたけれど、
ほんとは顔立ちのいい方でしょう。だからあのブラウスを着て、見違えるほど、
伯爵夫人になったみたいに綺麗だったのですよ」と、その場にいた人の言葉。
しみじみとあたたかい話ではありませんか。
ブリューゲルの絵から広がる、独特の世界を楽しませて頂きました。


ブリューゲルの家族」 



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ラグビー一色

2019年10月05日 | 社会


岐阜に帰省しています。
今朝、新横浜駅に行ったらラクビーWC一色で驚きました。

名古屋駅で新幹線から降り、普段はそのままJRの在来線に乗り換えるのですが、今回はちょっと用があったので改札を一旦出ました。
名古屋駅の広いコンコースには、紅白の横縞のラグビー日本チームのユニフォームを着た人がいっぱい!
今日は確かに豊田スタジアムでサモア戦があったのですが、それは夜19時半から。
私が名古屋駅に着いたのはお昼前。
半日いったい何をするのか…?!
愛知県の花、カーネーションで作ったというラグビーボールもディスプレイしてありました。



とりあえずサモア戦の勝利は嬉しい限り。
ラグビーのルールがまだひとつ分からない自分のためにも
「超初心者向けの優しいルール」を。


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コレド室町テラス、台湾の風

2019年10月04日 | お出かけ

映画「ホテル・ムンバイ」を観た後、日本橋高島屋の「いけばな芸術展」に。
血みどろの実話テロ事件の映画に衝撃を受けた後に、日本橋の目抜き通りは整然と輝き、
老舗の百貨店では、流派を超えたいけばなの祭典が華やかに開催されていました。



この大きな作品のテーマは「海」なのだそうです。




ついでに足を延ばして、先週オープンしたばかりのコレド室町テラスへ。
1階の入り口辺りは緑美しい、広々としたオープンエリアとなっています。
それほど時間がなかったので1階と2階だけを探索。
「稲荷寿司」の専門店「だしいなり梅木」が気になりましたが、
60分待ちという看板が出ていたので今回はあきらめました。



日本初上陸という台湾の人気レストラン「富錦樹台菜香檳(フージンツリー)」でお茶を。
「豆花(トウファ)」は台湾の代表的なスィーツで、豆乳で作られたデザートです。
柔らかいピーナッツ、小豆、白キクラゲ、クコの実などが入っている。
真ん中に載っているのは、三温糖のシャーベットだそうです。
あまりにも控え目な甘さで、体に良さそうではあるのですが、ちょっと物足りないくらい。
台湾で食べた豆花ももう少し甘かったなと思ってお聞きしてみたら
快く黒蜜を持って来て下さいました。
それと烏龍茶の一種であるというキンセン茶を。
このお店、2018年には台湾政府による「必ず食べるべきグルメ10選」に選ばれたのだそうです。

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「ホテル・ムンバイ」

2019年10月03日 | 映画
2008年のムンバイ同時多発テロでテロリストに占拠されたタージマハル・ホテルでの人質脱出劇。
オーストラリア・アメリカ・インド合作映画。

2008年11月、インドを代表する五つ星ホテルが500人以上の宿泊客と従業員を人質に、テロリストによって占拠された。
宿泊客を逃がすために、プロとしての誇りをかけてホテルに残ったホテルマンたち。
ライフルを乱射するテロリストたちに支配された極限状況下、
閉じ込められた人々はどのように動き、何が生死を分けたのか?



2時間余、息もつかせぬ展開でした。
「スラムドッグ$ミリオネア」「ライオン」のデブ・パテルが心優しい給仕を好演。
インドの伝説的俳優アヌパム・カーが演じたのは、実在の人物のオベロイ料理長。
テロリストによる無差別攻撃が始まり、ホテルが発砲音と硝煙に包まれた時、
料理長はその場に居合わせた従業員たちを集めて言います。
お客様を救うために残って欲しいが君たちにも家族がある、強制はしないと。
何人かが走り去りますが、殆どの従業員がそこに残る。
そして絶体絶命の中、テロリストたちとの闘いが始まるのですが…



10人ほどのテロリストたちがみんな少年というのも悲しい。
爆弾を入れたリュックを背負い、大きなライフル銃を持って、
イヤホン越しの指導者の命令に従い、問答無用に人々を撃ち殺す。
指導者は言う、これは神の名のもとのジハード(聖戦)だ、
お前らが貧しいのは奴らのせいだ、搾取する異教徒を抹殺するのだと。
洗脳された少年たちは殺人マシンと化すのですが、そのうちの一人が父親と電話で話し、
組織からまだ金を受け取っていないと聞いて泣くのが切ない。



ムンバイ同時多発テロでの死亡者は172人、負傷者は239人。
タージマハル・ホテルの犠牲者の半数以上が、客を守ろうとした従業員だったとか。
ライフル連打と爆弾によって炎に包まれたホテルは多大なダメージを受けるも
2年間の修復の後に再開、その際には命を救われた客たちが世界中から集まって、
感謝と喜びを伝えたのだそうです。
あの同時テロの裏に、そんな美談があったとはつゆ知りませんでした。
テロリスト集団はイスラム原理主義者とも言われるがまだ特定されておらず、
その首謀者はまだ捕まっていないのだと。
2時間、無差別発砲のテロの現場に自分も閉じ込められたようで緊張の連続、
終わった際にはどっと疲れますが、非常に高い評価が頷ける作品です。

原題Hotel Mumbai オーストラリア・アメリカ・インド合作
公式HP 

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