格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

「献金・天下り・消費税」が次期総選挙三大争点だ

2009-04-14 20:45:05 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

「献金・天下り・消費税」が次期総選挙三大争点だ
マッド・アマノさんが「悪徳ペンタゴン」のイメージを図案化して、送って下さった。ぜひこのイメージを貼り付けて、「悪徳ペンタゴン」との総力戦に備えていただきたいと思う。


日本の政治は、特権官僚=官、大資本=業、米国=外、御用メディア=電、と癒着する、政治屋=政、によって編成される「利権互助会」=「悪徳ペンタゴン」に支配されてしまっている。


麻生鳩山一家と小泉竹中一家の抗争は、麻生鳩山一家が「かんぽの宿」での刑事告発をちらつかせた結果、小泉竹中一家の三代目小泉純一郎氏が「政局にかかわらない」と発言し、手打ちとなった模様。


3月3日からは、警察・検察権力を不正利用した卑劣な政治謀略で、政敵小沢一郎民主党代表に対する総攻撃が始まった。


小泉竹中一家に加勢して麻生鳩山一家を攻撃していた御用メディアも、手打ちで抗争に終止符が打たれると、麻生鳩山一家攻撃をピタリとやめて、小沢民主党代表攻撃に全力を傾けた。


1月25日の保守王国山形県知事選挙での民主勝利・自民敗北、3月1日の山口県柳井市長選での民主勝利・自民敗北、3月16日の下関市長選での安倍晋三元首相系候補敗北と民主支援候補勝利、4月5日の小平市長選での民主勝利・自民敗北などのニュースをまったく伝えなかった御用メディアは、千葉県知事選と秋田県知事選だけを、繰り返し報道している。千葉も秋田も候補者選定の遅れや野党共闘の乱れなどが民主敗北の主因だった。


千葉県知事に当選した森田健作氏こと鈴木栄治氏は、政治資金規正法違反の事実がいくつも判明した。また、森田氏は自民党に所属し、過去4年間に自民党から1億5000万円の政治献金を受けていながら、政党とのしがらみがまったくない「完全無所属」であることを有権者にアピールして当選したが、このことが公職選挙法第235条に定められた「虚偽事項の公表罪」に抵触する惧(おそ)れがあり、4月15日に刑事告発される見通しである。


御用メディアの大半は、森田氏の重大な問題をまったく報道しない。3月3日以降、存在もしない小沢民主党代表の「収賄」容疑を印象付ける報道を繰り返し、「政治とカネ」問題を叫び続けたマスメディアが、森田氏のはるかに重大な「政治とカネ」問題に頬かむりをしているのは、もはや犯罪的である。


テレビ朝日番組「TVタックル」で、小沢代表に言及して、「政治は最高の道徳」と絶叫していた三宅久之氏は、4月13日放送で、森田氏の問題に触れることすらしなかった。身も心も「御用」一色に染め抜かれているとしか思えない。人間としてあまりにも痛々しい。


「政官業外電の悪徳ペンタゴン」は、小沢民主党が本格的な政権交代を成し遂げてしまうことを心の底から恐れているのだと思われる。その恐怖感が、狂気に満ちた小沢氏攻撃を生み出す原動力になっている。


悪徳ペンタゴンの小沢代表攻撃は総選挙まで持続するだろう。民主党は「悪徳ペンタゴン」の挑発に乗ってはならない。総選挙に向けての体制固め、マニフェスト確定を急ぐべきだ。


卑劣な小沢代表攻撃を、総選挙向けの争点明確化に逆に活用して、「悪徳ペンタゴン」を揺さぶるべきである。


民主党は社民党、国民新党と強固な共闘体制を構築し、「国民のための政治」実現を鮮明に示すべきだ。「悪徳ペンタゴン」の自公政権は、経済危機対策で一般国民を買収しようとしているが、「悪徳ペンタゴン」の目的はただひとつ、これまで営々と維持してきた「巨大利権」を死守することだ。


野党勢力が「国民のための政治」を鮮明に示し、「悪徳ペンタゴンの政治」が国民の利益にいかに反するものであるかを、分かりやすく示せば、国民は「悪徳ペンタゴン」を選択しないだろう。


民主党は卑劣な政治謀略に踊らされずに、総選挙に向けての争点明確化を急ぐべきだ。この争点を小沢代表が掲げ、全国でタウンミーティングを開いて、国民との対話を拡大するべきだ。


総選挙の争点は、
「献金・消費税・天下り」である。


小沢氏に対するイメージが卑劣な政治謀略で不当に、著しく傷つけられた。この卑劣な攻撃を逆に活用して総攻撃をかけるのだ。


それが、企業・団体献金の全面禁止提案である。5年以内の全面禁止実現提案を早急に決定し、有権者にアピールし始めるべきだ。


自民、民主両党の2007年政治献金実績は以下の通りだ。


 自民:総額224億円、うち企業献金168億円
 民主:総額 40億円、うち企業献金18億円


経団連加盟企業の経団連を通じる企業献金は、
 自民:29億1000万円
 民主:8000万円
 である。


自民と民主のどちらが「ずぶずぶの金権体質」であるのかは、一目瞭然だ。


2007年の政治家別政治資金収入金額ランキングは以下の通り。


1中川秀直(自)  4億4955万円
2亀井静香(国)  3億7725万円
3平沼赳夫(無)  2億9512万円
4古賀 誠(自)  2億7879万円
5山田俊男(自)  2億7695万円
6松木謙公(民)  2億7695万円
7森 善朗(自)  2億7021万円
8麻生太郎(自)  2億3383万円
9鳩山邦夫(自)  2億3182万円
10鳩山由紀夫(民) 2億2194万円


小沢代表はベストテンにも入っていない。


そして、民主党は「企業・団体献金全面禁止」方針を明確に示す。


麻生首相は1970年の最高裁判決を根拠に企業献金を是とするが、考え方が古い。


企業献金を認めれば、巨大な資金力を有する企業が政治を支配してしまうのは当たり前だ。今回の景気対策も大企業と金持ち優遇政策のオンパレードだ。自民党政治が、国民に冷酷であるのに、企業を超優遇するのは、自民党が巨大献金を提供する企業の方向を向いているからだ。


政治は国民のために存在するのであって、企業のために存在するのでない。すべての個人に一票が付与されているが、企業には投票権も付与されていない。個人の意思を尊重する政治を実現するには、カネの力にモノを言わせる企業献金を禁止することが正しいのだ。


特権官僚の「天下り」を根絶するのが、本当の改革だ。「悪徳ペンタゴン」は絶対に「天下り」を断たない。麻生首相が「天下り」廃止の意志をまったく持っていないことは、国会論議で明らかになった。


「天下り」を根絶すれば、「消費税増税」を回避できる。麻生政権は1回限りの「定額給付金」と「育児手当」で有権者を買収し、選挙で勝ったら2011年度に消費税大増税に踏み切る。これを「責任ある対応」と自画自賛するのだから恐れ入る。「大増税」を実施する一方、「天下り」は死守する構えだ。


①企業献金全面禁止、②「天下り」根絶、③消費税増税拒否、
を、民主党は早期に掲げて、自民党の卑劣な政治謀略と闘うべきだ。


「献金・天下り・消費税」が次期総選挙の三大争点になる。小沢代表が続投しても、この争点を明確化できれば、野党共闘による政権交代を必ず実現できると思われる。敵の策略に乗って動揺するよりも、総選挙の争点明確化を急ぐことが賢明で正しい対応である。


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「さらば森田と言おう!」と立ち上がった有権者

2009-04-14 20:18:09 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

「さらば森田と言おう!」と立ち上がった有権者
 千葉県議の「市民ネット・社民・無所属の会」代表の吉川ひろし氏が、4月11日、公職選挙法違反や違法献金などの疑惑で追及されている千葉県知事の森田健作氏こと鈴木栄治氏に対して、「森田健作を告発する会」を立ち上げた。私は4月1日付記事「企業献金全面禁止提案が金権体質自民党を撃破」に千葉県民が刑事告発することが必要と記述したが、正しい行動が取られたと思う。


吉川氏のHPによると、「森田健作氏を告発する会」は15日午後1時30分に千葉地方検察庁特別刑事部に告発状と委任状を提出し、午後4時から千葉県庁の記者クラブで記者会見する予定である。


森田健作氏こと鈴木栄治氏は、公職選挙法違反だけでなく、政治資金規正法にも違反していると指摘されており、西松建設企業献金問題で、政治資金規正法を完全に守ることの重要性を熱心に主張する自民党が、森田健作氏の問題にどのように対応するのかが注目される。


テレビ朝日番組「TVタックル」で「政治は最高の道徳」であると、立派なご託宣を並べた御用評論家の三宅久之氏は、当然、番組で「森田氏は直ちに辞任すべき」と発言するのだろうか。次回番組を国民は注視しなければならない。


公職選挙法第235条(虚偽事項の公表罪)の条文は以下の通りである。


(虚偽事項の公表罪)
第235条 当選を得又は得させる目的をもつて公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者の身分、職業若しくは経歴、その者の政党その他の団体への所属、その者に係る候補者届出政党の候補者の届出、その者に係る参議院名簿届出政党等の届出又はその者に対する人若しくは政党その他の団体の推薦若しくは支持に関し虚偽の事項を公にした者は、2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。


 この問題について、衆議院法務委員会で質疑があった。質問者は公明党の富田茂之議員である。総務省自治行政局選挙部長の門山泰明氏は以下のように答弁した。 


「立候補届け出で「無所属」という記載は、所定の所属党派証明書が添付されていない場合の、かなり広い意味の呼称と解されている。一般に、政党に所属する者が無所属として立候補届けをし、無所属として選挙運動を行うことは、当該規定には抵触しないと考えられる。一方、政党に所属する者がいかなる政党にも所属しないということを公にして選挙運動をすることについては、それが立候補届けにおける無所属ということではなく、実際の政党への所属関係について、当選を得または得させる目的をもって公職の候補者の政党その他の団体への所属に関し虚偽の事項を公にしたと認められる場合には、公選法235条1項に抵触する恐れがある。個別の事案については、具体の事実に即して判断されるべきものと考える。」


 この問題を含めて森田健作氏疑惑については、「カナダde日本語」様、「晴天とら日和」様をはじめ、多くのブログが、多くの情報を伝えてくださっている。法律を実際に運用する行政当局の公職選挙法第235条の読み方は、一般の国民の通常の読み方を完全に超越しているが、それでも、森田氏の行動が同法に抵触する可能性を行政当局も認めている。


 森田氏が千葉県知事選で、「完全無所属」を売り物にして選挙活動を実行したことは紛れもない事実である。他の無所属候補者に対して、既成政党との関わりがあると攻撃し、これに対して森田氏は政党から完全に独立した「完全な無所属」であることをアピールして当選を獲得した。


 公選法235条が規定する、「当選を得または得させる目的をもって」、「政党その他の団体への所属に関し虚偽の事項を公にした」ことは明白である。


 森田氏は「完全無所属」であると有権者に訴えながら、実は自民党籍を有し、過去4年間で1億5000万円もの資金を自民党から受け入れて選挙を戦った。自民党の菅義偉選挙対策副委員長は千葉県知事選挙の直後に森田健作氏を首相官邸に招き、森田氏の当選が「自民党の勝利」であることをアピールしたと伝えられている。


 問題は、千葉県の多数の有権者が森田氏を既成政党と関わりのない、「完全無所属」であると認識して森田氏に投票した可能性が高いことである。森田氏が「完全無所属」を強調したために、森田氏を「自民党とは関係のない完全な無所属候補」であると認識して、森田氏に投票した有権者が多数存在すると考えられることである。


 千葉県知事選が実施されていたころ、西松建設の企業献金問題で政党と企業の関係が問題になっていた。有権者の既成政党離れが進み、この環境下で森田健作氏は自民党とは関係のない「完全無所属」を有権者に強調して当選を獲得したのである。しかし、実体は森田氏は自民党籍を有し、過去4年間で1億5000万円も自民党から資金を受け入れてきた、客観的に見ればバリバリの自民党系候補だった。森田氏が「自民党系の」候補であることは、選挙直後の自民党の対応にも如実に示されている。


 客観的な事実関係から見ると、森田健作氏の行動が公選法第235条に抵触する疑いは極めて高い。千葉県の有権者を中心に、森田氏に対する刑事告発がなされるとのことであるから、検察当局には政治的な偏向を排除して適正な行動を示すことが求められる。


森田健作氏の問題は公選法違反疑惑だけにとどまらない。
①2004、2005年に1010万円の違法献金を受けた
②企業献金を政党支部で受け入れ、同住所にある個人の政治資金管理団体に移し替えた典型的な「迂回献金」、「偽装献金」を行っていた疑い
③自民党山崎派および甘利行革相の政治団体から400万円の献金を受けながら、収支報告書に記載しなかった「ウラ献金」疑惑
④2004年に(株)スーパーマックスUSAから受け入れた政治献金750万円がテレビCM出演報酬を税金回避のために政治資金として処理したものであったとの疑惑
などが指摘されている。


2004年、2005年の違法献金はドン・キホーテからの企業献金1010万円で、同時期、ドン・キホーテの外国人持ち株比率が50%を超えており、政治資金規正法違反にあたるというものだ。


政治資金規正法違反で「悪質・重大」とされるのは、献金を収支報告書に記載しない「闇献金」あるいは「ウラ献金」と呼ばれるもの、ならびに「便宜供与」に直結する政治献金であるとされる。


小沢一郎民主党代表の公設第一秘書が逮捕されたが、小沢氏の政治資金管理団体では、受け入れた政治献金をすべて透明に処理していたことが明らかになっている。西松建設に関連した二つの政治団体からの政治献金をその二つの政治団体からの献金として処理していた。他の多くの議員の団体も同様の処理をしていた。これに対して、検察は小沢氏の事務所の処理についてだけ、「虚偽記載」だとして摘発した。理由は、二つの政治団体は架空団体で、その名称を記載したことは「虚偽記載」だというものだった。しかし、同様の処理をした他の議員の政治資金管理団体のまったく同じ事務処理は不問に付されている。


これに対して、森田氏の政治資金管理団体の政治資金処理ははるかに悪質で、違法性も明確である。小沢氏の資金管理団体に対して逮捕、強制捜査、起訴までした検察当局が、森田氏の政治資金管理団体を摘発しないのでは、話にならない。


この国の警察、検察は、政治権力の思いのままに歪められることが、事実によって認証されることになる。もはや法治国家と言い難い。秘密警察国家、暗黒社会ということになる。


西松建設政治献金事件は、はからずもこの国の警察、検察権力が政治権力によって利用され、著しく歪んだ運用が行われていることの一断面が、広く一般国民に知られる結果を招いた。

 

拙著『知られざる真実-勾留地にて-』(下記参照)第一章第7節に「摘発される人されない人」を記述した。警察、検察権力はこれまでも政治権力によって利用されてきた現実がある。ご高覧賜りたい。


「国策捜査」の実態について、広く国民が目をむける結果がもたらされた。警察、検察権力はこれまでも政治的に利用されてきた。とりわけ、小泉政権以降、この傾向が顕著になったと考えられる。


この事実を国民は冷静に見つめなければならない。森田健作氏の公職選挙法違反疑惑、政治資金規正法違反に対する検察当局の対応を凝視しなければならない。千葉県の有権者が声をあげて立ち上がった意味は大きい。この問題に対して、より多くの国民が正義を求める声を拡大させてゆかねばならないと思う。


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りそなの会計士はなぜ死亡したか(6)

2009-04-13 18:24:07 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

りそなの会計士はなぜ死亡したか(6)
渡邉恒雄氏は『文藝春秋2009年1月号』掲載の御厨貴東大教授によるインタビュー記事「麻生総理の器を問う」のなかで次のように述べている。


「僕は竹中さんから直接聞いたことがあるんだが、彼は「日本の四つのメガバンクを二つにしたい」と明言した。僕が「どこを残すんですか?」と聞くと、「東京三菱と三井住友」だと言う。あの頃はまだ東京三菱とUFJは統合していなかったんだが、「みずほとUFJはいらない」というわけだ。どうして三井住友を残すのかというと、当時の西川善文頭取がゴールドマン・サックスから融資を受けて、外資導入の道を開いたからだと言う。「長銀をリップルウッドが乗っ取ったみたいに、あんなものを片っ端から入れるのか」と聞くと、「大丈夫です。今度はシティを連れてきます」と言った。今つぶれかかっているシティを連れてきて、日本のメガバンクを支配させていたらどうなったか、ゾッとする。」


竹中金融相は金融行政を「事前調整型」から「事後チェック型」に転換すると主張していた。上記記述から読み取れる金融行政の基本スタンスは、金融産業の国家による統制管理である。「事後チェック」はむろんのこと、「事前調整」をはるかに飛び越えた行政当局による強権支配の構図である。民主主義国家の行政とは完全に異質の、国家による金融市場の独裁的支配=「権力の横暴の構図」が鮮明に浮かび上がる。


2002年10月に竹中金融プロジェクトチーム(PT)が「金融再生プログラム」を決定した際、強烈な反発を示したのはメガバンク首脳だった。竹中氏が金融行政の根幹ルールを突然、強権によって変更しようとしたのだから、銀行首脳が猛烈に反発するのは当然だ。強烈な反発を示した筆頭が三井住友銀行頭取の西川善文氏だった。


繰延税金資産の自己資本への組み入れが5年分認められてきた。この上限が1年に変更されれば、ほとんどの大銀行が自己資本比率規制をクリアできず、破たんしてしまう。2002年10月に検討し始めた重要事項の変更を2003年3月期決算から適用するというのは、意図的な銀行潰しとしか言いようがなく、正気の沙汰ではなかった。


竹中金融相は結局、繰延税金資産計上ルール変更を断念したが、その後、スケープゴートを選定し、公認会計士協会と監査法人を活用して、大銀行破たんシナリオを演出していったと考えられる。


りそな銀行がいけにえとなって毒牙にかかったとき、私は西川善文氏がどのように金融庁に対して抗議するのかを注目した。しかし、西川氏の姿勢は2002年10月とは別人のものになっていた。金融行政に対して一切の反発を示さない、恭順の姿勢だけが観察されたのだ。


その裏側に、2002年12月11日の竹中金融相、西川善文氏、ゴールドマン・サックスCEOのヘンリー・ポールソン氏らによる密会があった。竹中氏は日本のメガバンクを二つにし、そのメガバンクを外国資本の手に渡すことをミッション(任務・使命)としていたと推察される。渡邉恒雄氏の証言は、この推論を明確に裏付けている。西川氏はこうしたプログラムに完全に取り込まれたのだと考えられる。


竹中金融行政の深い闇の第1幕が「りそな疑惑」だとすれば、第2幕が「新生銀行上場承認疑惑」であり、第3幕が「意図的なUFJ銀行潰(つぶ)し疑惑」である。


UFJ問題については、菊池英博教授、森永卓郎氏が記述し、また「Electronic Journal」様がさまざまな指摘をされている。


りそな問題に話を戻す。竹中金融相は表向き、「りそな銀行の自己資本不足はプロフェッショナルの監査法人が独立に判断したもので、金融庁は監査法人の判断に介入しなかった」と説明しているが、2003年5月17日のりそな銀行による公的資金注入申請に至る経緯を詳細に追跡すると、この公式発言を信用することはできない。


そもそも、なぜ「りそな銀行」の繰延税金資産だけが5年計上を否認されたのかについての合理的な説明が存在しない。りそな銀行だけが、「スケープゴート」として選定された可能性が高い。その理由の一部はすでに述べてきた。


りそな銀行の繰延税金資産5年計上の否認には、木村剛氏が密接に関わっていると見られる。木村氏は竹中金融PT、および金融問題タスクフォースのメンバーであり、朝日監査法人と新日本監査法人の海外提携監査法人であるKPMG系列の日本法人代表を務めていた。


『月刊現代2009年1月号』の佐々木実氏の論文によると、2003年3月17日に木村剛氏が朝日監査法人の亀岡義一副理事長と会食した理由は、亀岡氏が木村氏に株式会社オレガの代表取締役落合伸治氏を紹介するためだったという。


落合氏はその後、銀行設立の申請を金融庁に提示し、金融庁は異例のスピードで銀行設立の許可を出した。この銀行こそ、「日本振興銀行」である。日本振興銀行は当初、落合氏が社長で発足したが、その後に木村氏が名目的にも支配者の地位に就任した。しかし、発足時点から「木村銀行」の本質を内包していた。


落合氏は木村氏の協力を仰いだ理由について、木村氏がいつも「金融庁と竹中さんがバックについている」ことを述べていたので心強いと思ったからと述べている。この点も佐々木氏が『月刊現代』で指摘している。


2002年10月30日に発表された「金融再生プログラム」には、中小企業向け銀行の新規参入促進に関する記述が盛り込まれていた。


「中小企業の資金ニーズに応えられるだけの経営能力と行動力を具備した新しい貸し手の参入については、銀行免許認可の迅速化や・・・」との記述が唐突に盛り込まれた。


木村氏は中小企業向け銀行ビジネスに強い関心を有していたと見られる。「金融再生プログラム」に中小企業向け銀行設立促進に関する条項が盛り込まれ、落合氏を社長とする銀行設立の申請が提出された。金融庁は異例のスピードで銀行免許を付与した。設立された銀行=日本振興銀行では、結局木村氏が支配者の地位に就任した。「日本振興銀行」の深い闇についても、解明しなければならない問題が多い。


りそな銀行の自己資本不足を最終的に確定する役割を担ったのは新日本監査法人だったが、12月11日付記事に記述したように、新日本監査法人はりそな問題の着地点について公認会計士協会の奥山章雄会長に相談し、奥山氏は金融問題タスクフォースで金融庁の了解を何度も確認したとのことだ。


りそな銀行処理の着地点は竹中金融相、公認会計士協会、新日本監査法人との間の協議により決定されたと考えられる。実態としては、竹中氏の意向が最終決定に反映されたと考えられる。


りそな銀行の自己資本不足を強制する理論的根拠を提供したのは木村剛氏であると考えられる。木村氏は裸の自己資本が2%以上ある場合に繰延税金資産計上を1年認めるとの原則論に固執して、「将来の収益回復を前提に一定年数繰延税金資産計上を認める」との1999年11月の公認会計士協会指針第4項但し書きを認めないとするものだった。ここでいう「一定年数」とは5年以内の年数を指す。


木村氏の主張を採用するなら、りそな銀行の繰延税金資産計上はゼロないし1年しかありえなかった。木村氏は2003年5月14日の段階で、なお、強硬にこの主張を提示していた。


ところが、最終決着は「3年計上」だった。私は『知られざる真実-勾留地にて-』第一章第16節に「1・3・5の秘密」と題して、この問題を記述した。りそな銀行への公的資金投入の根拠とされた預金保険法第102条には第1項措置から第3項措置まで規定が存在した。このなかの第1号措置が「抜け穴規定」だった。「Electronic Journal」様が、この点についてのわかりやすい解説を示してくださっている。


「退出すべき企業を退出させる」=「自己責任原則」、を根本から否定する、「退出すべき企業を税金で救済する」=「自己責任原則の破壊」を意味する抜け穴規定が預金保険法第102条に盛り込まれていたのだ。


竹中金融庁はこの「抜け穴規定」を利用した。「抜け穴」を利用することを前提とすると、繰延税金資産計上「ゼロないし1年」の選択肢はなかった。「4年ないし5年計上」では、りそな銀行は決算をクリアしてしまう。これも選択肢から除外された。「3年計上」が「抜け穴」を利用する唯一の選択だった。


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「サンプロ」竹中平蔵氏「存在の耐えられない」誤謬

2009-04-13 18:17:59 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

「サンプロ」竹中平蔵氏「存在の耐えられない」誤謬
 4月12日のテレビ朝日番組「サンデープロジェクト」に、度重なる国会での参考人招致にもかかわらず、国会への出頭を拒否し続けている竹中平蔵氏が出演した。竹中氏と仲良しグループを形成している御用電波芸者の田原総一朗氏も、竹中氏に対して国会に出頭すべきと苦言を呈する必要があるのではないか。


竹中氏がこの番組に出演するのは、番組コメンテーターの財部誠一氏が決まって援護射撃をするからだ。やらせのような出来レースの場以外に竹中氏は出て来ない。


しかし、郵政民営化は竹中氏が法案策定に深く係わって実行された政策である。竹中氏と法案策定の係わりは、竹中氏が自著で「大臣が法案作成にこれだけ直接かつ詳細に係わったのは前代未聞のことだった」と記述するほどのものだった。


2004年4月から2005年4月までの1年間に郵政民営化準備室は米国関係者と17回も会合を重ねて郵政民営化関連法案を策定した。このことを衆議院郵政民営化特別委員会の質疑で明らかにした城内実氏は、竹中氏サイドからこの質問を竹中氏に直接糺(ただ)すこと勘弁して欲しいと懇願されたことを明らかにされている。


かんぽの宿売却規定は法案確定の直前に、竹中氏の指示で日本郵政株式会社法の附則に盛り込まれたことも国会審議で明らかにされた。


貴重な国民資産が破格の安値でオリックス不動産に売却されようとしていた。ギリギリのところで、この不正売却は回避されたが、問題の全容はまだ明らかにされていない。竹中氏は、出来レースや「やらせの場」でのみ、稚拙な反論を繰り返しているが、単なる「犬の遠吠え」にしかなっていない。


国会で国民が十分に納得できる説明をする責任を負っている。竹中氏がどうしても参考人での出頭を拒否するのなら、国会は竹中氏を証人として喚問することを検討するべきだ。


今日の番組では、リチャード・クー氏との討論が行われ、経済の底入れが実現しつつあるのかどうかがテーマとされたが、そもそも竹中氏は内外経済の深刻な悪化を完全に見誤ってきたのであり、このような人物に先行き見通しを聞いても意味はない。


市場原理主義経済政策の破たん、セーフティネット破壊の経済政策の失敗が明らかになったいま、小泉竹中経済政策の破たんは誰の目にも明らかになっている。竹中氏と同じ主張を示した中谷巌氏もすでに、自らの過ちを認め、懺悔(ざんげ)している。竹中氏を出演させ、自己批判と懺悔を迫るのなら理解できるが、その竹中氏にさらに経済展望を聞こうとするのだから、笑止千万としか言いようがない。


実際に竹中氏の発言は「改革が不十分だから景気が悪くなった」の一点張りで、示唆に富む発言は皆無だった。


番組のなかで竹中氏が「日本の不良債権処理に失敗と成功があったことをはっきりさせなければならない」と述べて、小泉政権の下で竹中氏が実行した不良債権問題処理が、あたかも成功であったと主張しているかのような発言があった。


これは、客観的に見て完全な誤りである。小泉竹中経済政策は不良債権問題処理失敗の典型的事例である。米国は今回のサブプライム危機に際して、小泉竹中経済政策の失敗を「反面教師」として役立てた。公共放送で間違った情報を流布するのは大きな罪である。


グラフは1994年から2006年にかけての日経平均株価を示している。竹中氏は不良債権の金額を明らかにすることが必要で、竹中氏がそれを実行した趣旨の発言を示したが、これも正しくない。


日本は不良債権問題処理を三回間違えた。


一度目は1992-93年である。住専問題が最初に表面化したのは1992年である。この段階で不良債権の実態を明らかにして抜本処理を実行していれば問題の深刻化を回避することが可能だった。私は1992年秋に公的資金投入を含む抜本処理を主張し、多くの媒体に主張を提示した。日経新聞経済教室にもその主張を示した。しかし、大蔵省は不良債権問題に対して「場当たり、隠ぺい、先送り」の対応を示して、最初の抜本処理のチャンスを潰した。


二度目の失敗が1996年から1998年の対応だった。95年の本格経済政策対応の効果も表れて、1996年に日本経済はバブル崩壊不況から脱出した。私は経済の安定成長持続を最優先課題に位置付けるべきだとしたうえで、1997年の増税規模圧縮を強く主張し続けた。


不良債権問題の規模が巨大であり、行き過ぎた緊縮策が、経済悪化-株価下落-不良債権問題爆発、の悪循環を発生させることを強く警告した。


しかし、橋本政権は1996年6月に消費税増税方針を閣議決定した。株価は96年6月の22,666円から98年10月の12,879円まで暴落し、私が警告した通り、金融問題が爆発した。拓銀、山一証券、長銀、日債銀などが相次いで破たんした。


私は97年1月のNHK日曜討論で不良債権は100兆円存在すると発言した。経済企画庁の吉冨勝氏は「ふざけたことを言うな」との対応を示した。大蔵省は不良債権が20兆円台であると主張していたが、98年後半になってようやく約100兆円の不良債権の存在を認めた。


橋本首相はのちに、96年の政策が誤りであったことを正式に認め、2001年の自民党総裁選では、私の主張に沿う政策提言を示された。


1998年から2000年にかけて、小渕政権が経済改善の経済政策を実行し、同時に60兆円の金融危機対策を示し、また、日銀がゼロ金利政策を実行して、日本経済は浮上した。金融問題も確実に解決に向かい始めた。


三度目の失敗が2000年から2003年の経済政策対応だった。日銀は2000年8月にゼロ金利解除に踏み切る間違いを犯した。このとき、もっとも熱心にゼロ金利解除を主張したのが竹中平蔵氏である。


2000年から2003年にかけての最大の失敗は、不良債権問題が極めて深刻ななかで、史上最強の緊縮財政を実行したことである。私はこの路線を進めば橋本政権が犯した過ちを繰り返すことになることを主張した。2001年に小泉政権が発足したとき、日本経済は間違いなく戦後最悪の状況に転落するとの見通しを示し、一貫して小泉政権を批判した。


実際、日本経済は戦後最悪の状況に陥った。日経平均株価は2000年4月の20,833円から2003年4月の7607円に暴落した。この結果、金融問題が再び火を噴いた。


2003年、俎上(そじょう)に載せられたのは「りそな銀行」だったが、「りそな銀行」の処理がいかに不正と欺瞞に満ちたものであったかは、本ブログや拙著『知られざる真実-勾留地にて-』に記述してきた通りである。


竹中氏は「経営者の責任を追及した」と言うが、第一に責任を負うべき「株主責任」をまったく追及しなかった。株主に巨大な利益を供与したのが現実である。小泉竹中政治を明確に批判した有能な経営者を追放し、小泉竹中政権の近親者を新経営陣に送り込み、「りそな銀行」を実質的に乗っ取ったのが実態である。


「りそな銀行」はその後、自民党に対する融資金額を激増させたが、この事実をスクープしたと言われる朝日新聞記者がスクープ記事発表と同時に東京湾で水死体で発見されたと伝えられている。


不良債権問題が深刻な場合には、まず、マクロ経済政策で経済の改善を促進しなければならない。経済の改善を誘導しつつ、金融機関の資本不足に対応し、不良債権問題を解決する。


これが、金融危機への対応策としての「鉄則」である。マクロ経済政策とは金融緩和政策と緊縮でない財政政策である。私は96年も、2000-2002年も、この政策を主張し続けた。


竹中氏は何を主張したのか。


2000年に金融引き締め政策を最も強く主張したのが竹中氏であった。2000年8月にゼロ金利政策を解除した日銀は、結局2001年3月にはゼロ金利政策に復帰した。金利引き上げ政策が誤りだったことが判明した。


竹中氏は2001年から2003年にかけて激しい緊縮財政を主張して実行した。このために、日本経済は本来直面する必要のなかった「金融危機」に突入し、多くの国民が苦しみの地獄に追い込まれたのだ。


挙句の果てに、「自己責任原則」を踏みにじる「りそな銀行救済」が実行された。破たんする銀行を税金で救済すれば恐慌は発生しない。株価は反発する。2003年の事態改善は「猿でもできる金融問題処理」だった。


この過程で巨大な利得を獲得したのは、「不正な銀行救済」の情報を事前に入手し、資産価格が暴落するなかで喜んで資産取得を進めた外国資本と一部の事前情報入手者であったと考えられる。拙著『知られざる真実』で私が明らかにしたのは、この国家犯罪的ディールの全貌である。


竹中氏はマクロ経済政策における財政政策発動の主張は、世界の経済学の主流から完全に消滅したことを強調してきた。その竹中氏が、米国の財政政策発動を見るやいなや、「いまの局面では財政政策発動が必要だ」と発言するのだから驚愕(きょうがく)である。


竹中氏の驚異的な「厚顔無恥」ぶりには、学ばねばならぬ点もあるかと自省する必要を感じるが、このような曲学阿世の人物をテレビに登場させることに対する慎重な対応が、公共放送には求められる。


文藝春秋2009年1月号で渡邉恒雄氏が指摘したように、竹中氏はシティグループによるメガバンク実質買収を目論んでいたようである。また、昨年春の段階で郵貯資金での米国サブプライム危機への資金供給を提唱していた。この言葉に乗っていたら、日本国民は巨大な損失を蒙っている。


米国は小泉竹中経済政策の大失敗の教訓を「反面教師」として活用し、経済支援政策を発動したうえでの金融問題処理に取り組んでいるのだ。ブッシュ政権は昨年1680億ドルの景気対策を発動し、オバマ政権は本年2月に7800億ドルの追加景気対策を決定した。


竹中氏を出演させ、事実とまったく異なる弁明を流布することを、これ以上、容認するべきでない。事実に反する間違った情報の流布は国民の利益を損なうものである。竹中氏は出来レース番組で低質な情報を流布する前に、一国民としての責務を国会で果たすべきである。


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オバマに中東戦争を、ケシカケル戦争屋

2009-04-12 09:03:23 | オルタナティブ通信

オバマに中東戦争を、ケシカケル戦争屋



「オバマ大統領の『世界戦略』」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/114232993.html


「オバマ新大統領の対日戦略」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/112645727.html


「オバマ大統領の『景気刺激策』」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/113375096.html


「オバマ政権内部の不穏な動き」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/112163857.html


「オバマ大統領の『戦闘開始』命令」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/113522030.html


「アフガニスタンを巡るアメリカと中国の戦争」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/114638868.html


「マーク・リッチの麻薬を『吸引する』バラク・オバマ」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/110425879.html


「アフガニスタン戦争の真の理由」、参照。

http://alternativereport1.seesaa.net/article/49428804.html





 アメリカを「代表する」イスラム学者バーナード・ルイスの著書「イスラーム世界はなぜ没落したか?―西洋近代と中東」等は、イスラム教に対する無理解と差別・侮蔑感情に満ちた書物として、既に多くの論者によって批判と嘲笑を浴びている。

こうした「学者」が、長年、アメリカを「代表する」イスラム研究者として賞賛され、学会の「重鎮」であり続けて来た所に、アメリカと言う国の「学問の真髄」が存在している。

 このバーナード・ルイスは、学者としてよりも、子ブッシュ前大統領、チェイニー前副大統領に対し、アフガニスタン戦争、イラク戦争を実行するよう「強く説得を行った、戦争の影の立案者」=戦争屋として、アメリカ政界で「実力を発揮」して来た。

 オバマ大統領は、その外交戦略、とりわけ対A・A・LA(アジア・アフリカ・ラテンアメリカ)戦略の「指南役」として、このバーナード・ルイスを「起用」している。

共和党ブッシュ政権と、民主党オバマ政権において、「同一人物が事実上、中東政策を策定している事」、その政策ブレーンが、中東に対する極めて侮蔑的な書物を平然と出版している「政治屋」である事は、今後の、オバマの中東政策の「誤謬を決定付けている」。

このバーナード・ルイスが、オバマのアフガニスタン戦争を「準備・策定」している、「戦争屋」である。

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麻生内閣真水15.4兆円「自民党危機対策」を決定

2009-04-12 08:47:09 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

麻生内閣真水15.4兆円「自民党危機対策」を決定
麻生内閣は4月10日、財政支出15.4兆円を含む、事業規模56.8兆円の史上最大の景気対策となる「経済危機対策」を決定した。


総選挙を目前に控え、巨大政治利権を死守するための、「目的のためには手段を選ばない」行動の一環である。


真水で15.4兆円の経済対策は規模で言えば破格の大きさだ。これだけの資金を投入するなら、極めて大きな政策を実施することができる。経済危機を克服することは大切だが、政治がまず優先するべきことは、「未曾有(みぞう)」の不況で悲惨な状況に追い込まれてしまった国民に、しっかりと手を差し伸べることである。


また、小泉竹中政治によって、国民生活は苦境に追い込まれた。15.4兆円もの財政資金を投入するなら、まずは小泉竹中政治が破壊し尽くした「セーフティネット」を再構築が優先されるべきだ。


ところが、麻生首相が提示した「経済危機対策」はまったく異質のものである。自民党は巨額の政治献金を財界から受け入れている。小沢民主党代表が企業献金全面禁止の方針を明示したこととは対照的に、自民党は巨額の企業献金にとっぷりと浸かり、金権体質から離れようとしない。麻生首相は「企業献金が悪だという考えにはくみしない」と発言している。


景気対策では自民党が巨額の政治献金を受け入れている大企業を巨額の財政資金投入で優遇する政策が、目玉として組み込まれた。民主党が提示してきた政策である「子育て支援」の資金援助政策を盗用し、1年限りで実施することも盛り込まれた。


今回の景気対策の目玉は、
①ハイブリッドカー購入への5万円から25万円の資金支援
②第1子を含めて、1年限り、年間3万6000円の子育て支援金の支給
③住宅の改修・改築にかかる贈与税の非課税枠を610万円に拡充
④研究開発減税の拡充
⑤羽田空港など公共事業拡大
などである。


麻生首相の「経済危機対策」は、
①選挙向け買収政策
②大企業優遇政策
③経済的弱者よりも金持ちを優遇
に特徴がある。


小泉竹中政治の「弱者切り捨て=セーフティネット破壊」政策により、国民生活の安心、安全が崩壊した。


経済対策で重要なことは、「裁量的な支出」ではなく、「財政支出のプログラム」を変更することだ。また、企業にお金を出すのではなく、困難な状況に直面する国民にお金を出すプログラムを構築することが求められている。


昨年末以来の雇用情勢の急変を見れば、失業保険の給付を制度的に大胆に見直すことが求められる。また、所得と住居を失う国民が確実に住居を確保できる制度を構築することが求められる。


「プログラム」を変更して「制度を構築」すれば、今後、永続的にセーフティネットが強化されることになる。ところが、「裁量的な支出」で、一時的に支出を拡大させる施策では、対象期間が終了すれば、セーフティネットは消滅してしまう。


失業対策の費用は失業者に給付するべきものだ。ところが、麻生内閣の施策の大半は、失業者ではなく企業に資金が支出される。「企業優遇」のスタンスがここでも顔をのぞかせる。


「定額給付金」も「3万6000円の子育て支援金」も総選挙用の買収資金との側面が色濃い。選挙の時だけ「バラマキ」を実行して、投票を誘導しようとの卑劣な政策である。


これだけの費用をかけるのであれば、セーフティネットを格段に強化することができる。障害者自立支援法が求める本人負担は障害者の生活を深刻に追い詰めている。障害者自立支援法の抜本見直しも可能になる。


生活困窮者が生活保護を受けられずに餓死する悲惨な事例も生まれている。日本国憲法が保障する健康で文化的な最低限度の生活が保障されていない現実がある。大型景気対策を打つなら、こうした国民の生活保障に万全を期すべきではないのか。


未曾有の危機は、企業倒産と大量失業を生み出している。このような経済危機に直面した国民の日々の生活をしっかりと支えることが景気対策の出発点に位置付けられるべきであるのに、そのような国民目線がまったく感じられない。


ハイブリッドカーだけに巨額の補助金を支出するのは、政府の民間経済への非介入に反するし、企業献金との見返りとの側面を見れば、極めて「収賄性」の高い施策である。


自民党は政策決定権をちらつかせて、大資本に企業献金を迫る行動を拡大させることになるのではないか。自民党は西松建設の企業献金と公共事業の関係を批判的に論じるが、巨額の企業献金を提供した企業のビジネスに巨額の補助金を注ぎ込むなら、ここにも典型的な「収賄」の構図が浮かび上がる。


今回の大型景気対策の裏側で大型消費税増税が動き始めた。1回限りの「給付金」を受け取っても、それをはるかに上回る増税が控えるのなら、国民生活にはまったくプラスにならない。


麻生政権は景気刺激策として、贈与税の無税枠拡大を提示したが、「金持ち優遇」の政策である。市場原理の「競争」を正当化する「市場原理主義」は、その前提として「機会均等」が重要であると主張する。


ところが、巨大な資産が相続されると、スタート時点で「持つ者」と「持たざる者」の巨大な格差が生じてしまう。相続税はスタート時点の格差を縮小させる効果を持ち、「生前贈与の無税枠拡大」は逆にスタート時点の格差を拡大させてしまう効果を持つ。


①セーフティネット強化の視点欠如
②生活安定化プログラム強化の欠如
③金持ち優遇
④大企業優遇
⑤選挙向け買収政策
が、今回の経済危機対策の特徴だ。「経済危機対策」というよりも、「自民党危機対策」とした方が分かりやすい。


国民は目先のバラマキに騙されてはならない。ニンジンの後ろに巨大増税が大きな口を開けて待っている。セーフティーネットも強化せずに15兆円もの財政資金を散財するのは、国民に対する背任行為である。選挙用買収景気対策に騙されずに、国民は賢明に次期総選挙での政権交代を選択しなければならない。


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ヒラリー国務長官の中国共産党人脈

2009-04-11 08:57:56 | オルタナティブ通信

ヒラリー国務長官の中国共産党人脈



「ドルに代わる新しい世界通貨」、参照。

http://alternativereport1.seesaa.net/article/116802702.html





 北京オリンピックでのCM活動の全てを「仕切り」、窓口となったCITIC(中国国際信託投資公司、略して中信とも呼ばれる)は、オリンピック関連のネット事業も全て独占した、文字通り、中国最大の財閥企業である。

 かつての中国国家主席・江沢民も出資するこの企業は、以前、中国公安当局に麻薬取引絡みで捜査された経歴を持つ。

 この企業は中国国家副主席であった栄毅仁の一族が経営し、当初は繊維産業から製粉事業を経て、やがてハイテク産業、そして全産業分野に拡がるコングロマリットとなり、現在は傘下にある全ての企業を所有・管理する持ち株会社=金融事業により企業軍団全体を支配する投資会社となっている。

 武士の商法が常に失敗するように、国家官僚が商売を行うと必ず失敗するが、この栄一族は、その商才を買われ副主席に登用された。しかし政治家と商人の二股では、厳しいビジネス世界を乗り越える事は困難であり、実は、この中国最大の財閥企業CITIC・中信は、そのブレーンに香港の不動産財閥・長江実業の李嘉誠を据えて来た。

 つまり、この中国最大の企業は実態的には李一族の経営企業であった。

 92年、中国空前の企業買収劇となり世界を瞠目させたCITIC・中信 による企業・恒昌の買収も、実は李嘉誠が実働部隊であった。

 この中信の「花形」であるハイテク部門・中信技術公司の総技師長(技術部長)が小平の次男・質方であり、現在では出世し、中信グループ全体を仕切る中信興行公司総経理の地位に就いている。

 また中信の軍需部門、つまり中国の軍事産業の中核企業・保利公司の総経理には小平の娘婿・賀龍(中国軍の元帥)の息子・賀平が就任している。

 文字通り「株式会社・中国」である。

それが李一族の手によって経営されている。

 この中国の軍需産業の中核をも担う中信は、米国のウォルマートの中国支部、ウォルマート華東を共同経営している。このウォルマートが、米軍の下部組織であることは既報の通りである。

 「株式会社・中国」は李一族である。

 そして、中国の軍事産業の中核が米軍と一体化している。

米国ヒラリー国務長官は、長い間このウォルマートの顧問弁護士を務め、先だっての大統領選挙でも、このウォルマートが最大手の選挙資金源であった。ヒラリーの人脈は、中国共産党中枢と「ストレート」に、連携している。日本の大和鋼管=米国アーカンソー州のセンチュリーチューブ社は、ビル・クリントンが州知事であった時代には大きな選挙資金提供者であったが、中国共産党のクリントン人脈への「食い込み方」は、日本とは比べ物にならない程、深い。米国=中国による「対日挟み撃ち戦略」には、警戒してし過ぎる事はない。

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民主党企業献金全面禁止方針に自民動揺

2009-04-11 07:49:44 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

民主党企業献金全面禁止方針に自民動揺
民主党が9日、政治改革推進本部の役員会で、企業・団体の献金や政治資金パーティー券購入について、将来的に全面禁止する政治資金規正法改正素案をまとめた。


西松建設の企業献金問題で自民党は小沢一郎民主党代表の企業献金を非難してきたが、民主党が批判を逆手にとって、企業献金全面禁止の方針を打ち出したことで、今度は自民党が守勢に回ることになる。


因果応報、最後に勝利を収めるのは正義でなければならない。


本ブログでは、3月6日付記事「国策捜査と情報操作がまかり通る暗黒国家日本」に企業献金全面禁止の提案を記述した。「企業献金」が政治の金権体質をもたらしていることは間違いない。


3月22日付記事「「企業献金全面禁止」の是非が総選挙最重要争点に」


4月1日付記事「企業献金全面禁止提案が金権体質自民党を撃破」に記述したように、企業献金全面禁止提案を次期総選挙の最重要争点に位置付けるべきだ。「企業献金」を全面禁止すれば、日本の政治は完全に質的転換を遂げる。


4月1日付記事に記載したように、現在の企業献金を正当化する論拠とされているのは、1970年の「八幡製鉄所政治献金事件」に対する最高裁判決である。企業が社会的存在であることは事実だが、国政選挙等での投票権が政治の主権者である国民に対して一人一票付与されているが、企業に投票権は付与されていない。


企業統治の実権は、生産の果実の配分をめぐって「労働者」と対立する立場にある「資本」が握っているのが現実である。経済力で一般国民を凌駕(りょうが)する企業に政治献金を認めれば、政治献金において企業が個人を凌駕することは想像に難くない。


政治がより多くの政治資金を求めて行動すると、巨大な資金力を有する企業が政治を支配してしまうことになる。「資本」と「労働」の利害が対立する現実を踏まえると、現実の政治が「労働」に対して苛酷で、「資本」に対して優しい結果が誘導されてしまうだろう。


現在の自民党政治が国民に苛酷で企業を優遇するのは、自民党の政策が巨大な資金を提供する企業の方向に向いているからだ。「市場原理主義」の人に優しくない経済政策は、企業優遇=「資本の論理」に基づく政策運営スタンスに立脚している。


経済力に関わりなく、投票権は平等に一人一票付与されている。人間の尊厳、人間の価値は経済力と直結しない。政治においては、すべての個人が対等の立場に置かれる。平等で尊厳のある個人の意志を尊重する政治を実現するには、経済力の格差にモノを言わせる企業献金を禁止することが適正であるだろう。


企業献金を禁止することで、政治が「企業の利益を目指す」状況から、「国民の利益を目指す」方向に転換することが誘導される。また、金を目的に政治家稼業を目指す金権政治家も減少することが期待される。


本ブログで何度も紹介しているが、自民党と民主党の政治献金の現状は以下の通りである。


2007年の政党献金を自民と民主で比較すると、
自民:総額224億円
民主:総額 40億円


企業献金と個人献金の内訳は、
自民:企業168億円、個人56億円
民主:企業 18億円、個人22億円


経団連加盟企業の経団連を通じる企業献金は、
自民:29億1000万円
民主:8000万円
である。


西松建設献金事件で、自民党が小沢代表を批判したのは、政治の金権体質である。小沢代表の秘書は政治資金規正法の「虚偽記載」を指摘されて逮捕されたが、小沢代表の政治資金管理団体は、政治資金をすべて、透明に処理していたことが明らかにされている。政治団体からの政治献金を政治団体からの献金と、そのまま収支報告書に記載していたのであり、東京地犬検国策特別捜査部が「解釈の相違」だけで「逮捕」したのは、「横暴」と言うほかない。


同様の資金処理をした自民党議員の政治資金管理団体が、罪をまったく問われていないことは、この国の警察、検察権力の歪みを端的に示している。


このような政治謀略に屈してはならない。


次期総選挙は日本国民にとって歴史的な意義を持つ選挙だ。日本の歴史上、初めて民衆の力で政治体制の刷新を実現できるチャンスが到来している。


総選挙を目前にして、既得権益の利権互助会=悪徳ペンタゴンは、政権交代を阻止するために、卑劣な政治謀略をしかけ、有権者に目先の利益を提供して、投票を誘導しようとしている。しかし、有権者は目先の利害や、政治謀略に目をくらまされてはならない。


①「国民のための政治」と「大企業のための政治」のどちらを選択するか
②「官僚利権を温存」するか
③「米国への隷属・服従」を続けるか
が、三つの重要な争点である。


 民主党は、党として「政治献金の全面禁止」の方針を打ち出した。このことによって、野党勢力が「大企業のための政治」の路線から明確に決別し、「国民のための政治」の路線を選択することが明確になった。


 麻生政権は「定額給付金」や「育児手当」など、「一回限り」の政策を打ち出して、総選挙に向けての「買収工作」を展開しているが、国民は目先の笑顔に騙されてはならない。有権者に媚(こび)を売るその笑顔の下に、醜悪(しゅうあく)な悪魔の顔が潜んでいる。


 自民党は後期高齢者医療制度での高齢者の窓口負担の削減も拒否した。また、2011年度には間違いなく消費税大増税に進む。選挙の時だけ優しい顔をして、選挙が終わればその表情は悪魔に転じるのである。醜悪な本性を隠した、「歪んだ高笑い」に決して騙されてはならない。


 民主党が政治献金の全面禁止に大きく踏み出したことは、次期総選挙に向けて、極めて大きな一歩である。


 上記三つの基本政策の相違が総選挙の争点であるが、個別政策では、
①企業献金の全面禁止
②2011年度の消費税大増税の是非
が最重要の争点になる。


 有権者は今回の西松建設事件が卑劣な政治謀略であったとの「真実」を認識するにつれて、総選挙での政権交代支持の意志を再び明確にすることになると考えられる。


 卑劣な「謀略」を成功させては、この国に未来はない。「謀略」を見抜き、「謀略」に負けない意志表示を実現できて、初めて政治の偉業は実現する。野党と国民の「成熟度」が問われている。


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/政治資金規正法に触れる疑いも/構図は西松献金問題と同じ

2009-04-11 07:37:06 | 阿修羅

【日刊現代】虚偽公表で告発へ、森田知事「当選無効」にまっしぐら/政治資金規正法に触れる疑いも/構図は西松献金問題と同じ
http://www.asyura2.com/09/senkyo61/msg/484.html
投稿者 passenger 日時 2009 年 4 月 11 日 02:24:43: eZ/Nw96TErl1Y


【日刊ゲンダイ】 虚偽公表で告発へ、森田知事「当選無効」にまっしぐら/政治資金規正法に触れる疑いも/構図は西松献金問題と同じ
 
 




▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
日刊ゲンダイ(2009年4月11日付)

虚偽公表で告発へ
 森田知事「当選無効」にまっしぐら


●政治資金規正法に触れる疑いも

 「さらば知事と言おう」――。6日に初登庁した森田健作千葉県知事(59)が大ピンチだ。選挙中に「完全無所属」を名乗りながら、都内の自民党支部代表だったことに対し、千葉県議らでつくる市民団体が15日にも、公職選挙法違反の疑いで千葉地検に告発状を提出する。
 地検が受理するかどうかは不明だが、今後の展開によっては“当選無効”に発展する可能性も出てきた。
 市民団体は「森田健作氏を告発する会」。告発状によると、森田は自民党の「東京都衆議院選華区第2支部」の代表を務めながら、法定ビラに「完全無所属」と記載。支部に入った1億6000万円の企業・団体献金(04~07年)のうち、9割以上の1億5000万円を自身の資金管理団体「森田健作政経懇話会」に寄付していた。
 自民党との強い結びつきは歴然で、公選法235条に規定された「身分の虚偽事項の公表」に当たるとしている。
 「森田氏は、自民党籍を持ち、支部長でありながら、当選する目的で完全無所属という県民ダマシの虚偽公表をしたのです。本人は『千葉のトップセールスマン』と言っているが、これでは『汚れた政治日本一の千葉』になる。当選無効にして知事を交代するべきです」(吉川洋県議)


●構図は西松献金問題と同じ

 この問題を追及された森田は会見で「無所属は無所属」なんてトボけたが、問題はこれだけじゃない。
 「政治資金規正法に触れる疑いです。規正法では、企業・団体からの献金は政党や支部団体に限られているが、森田知事の場合、政党支部に入ったカネがそっくり個人の管理団体に流れている。政党支部を隠れミノにした格好です。西松建設OB団休から献金を受けていた小沢氏と構図は同じ。衆院法務委員会でも、森田知事のケースが『迂回献金に当たるのではないか』との指摘が出ていました」(地元記者)
 干葉選管によると、仮に森田が当選無効になった場合は「知事選のやり直し」(担当者)になる。
 本人は今のところ辞める気はサラサラないが、1回の知事選でかかる費用は約18億円。森田が居座っても辞めても、県民はトホホである。

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日本の民主政治の現実 (平野貞夫メルマガ)

2009-04-11 07:15:57 | 阿修羅

日本の民主政治の現実 (平野貞夫メルマガ)
http://www.asyura2.com/09/senkyo61/msg/474.html
投稿者 愛国改善党 日時 2009 年 4 月 10 日 19:44:30: gpdmClaQFBffI



http://www.mag2.com/m/0000260920.html

<<
《前尾政治学》 第6回 ― 議会政治の理想と現実(その3) ―
────────────────────────────────────

平成21年3月という時期は、小沢民主党代表公設秘書の逮捕に始まり、小沢民
主党代表の続投に終わった。東京地検特捜部は行政指導で済む問題を「政治資金
規正法の虚偽記載の罪」で秘書を起訴した。収賄とかあっせん利得とか、特捜の
リークによるマス・メディアの暴走で、小沢代表が政治と金にいかにもダーティ
ーであることを、印象づけた3月であった。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 日本を政権交代する国に 』
────────────────────────────────────

私は平成時代になって20年間、政治家小沢一郎とともに、“日本を政権交代す
る国に”という運動を展開してきた。その実現を目前に、旧体制の権力が襲いか
かってきたのだ。政権交代のない国に民主政治は存在しない。残念ながら戦後の
昭和時代は、米ソ冷戦という国際情勢の中で、日本に社会主義や共産主義の国を
つくらせないために政権交代を避けてきた。それがわが国の実態であった。

日本では疑似政権交代といって、自民党政治が行き詰ると、右から左、タカから
ハト、金権からクリーンへと、自民党内の派閥が総理総裁を交代させることで、
国民の目をゴマカシてきた。平成5年にできた細川非自民連立政権も、平成6年
にできた村山自社さ連立政権も、その後の自民党を中心とした連立政権も、政党
の離合集散によってつくられたもので、国民の意思による政権ではない。

次の総選挙で政権交代が行われるなら、明治に近代国家となって初めての国民の
意思による政権交代である。よく大正末期から昭和初期の10年間、憲政の常道
と言われる政権交代が行われていたが。これは、元老といわれる天皇の諮問役の
アドバイスにより、衆院の第1党から第2党の政権交代が慣例となっていたこと
による。


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『 国民の意思による政権交代 』
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国民の意思による政権交代、これは現憲法の国民主権原理からいえば当然のこと
だ。ところが、これをどうしても妨害しようとする勢力がわが国に存在している
ことが問題である。政権交代を妨害する勢力とは何か。

まず第1は、現与党たる自民党と公明党である。これは政権から離れることにな
るので、当然のことだ。しかし、両党の問題はいかなることがあっても、いかな
る方法を使っても政権から離れることを嫌がり恐れている。 理由は「政・官・
業」の癒着という仕組みで、自民党は生存しているからである。公明党は特定の
宗教のため政権から離れたくないのである。

政権交代を妨害する第2の勢力は、官僚組織である。 わが国の官僚組織は明治
憲法のもとつくられたもので、近代化に貢献したことは事実である。戦後の民主
憲法となっても、官僚支配の実態に変わりはなかった。戦後の経済発展に尽くし
た官僚の役割は高く評価してよいと思う。


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『 日本の民主政治の現実 』
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しかし、米ソ冷戦が終わり、日本が自立して外交や経済発展を行い、国際社会に
尽力すべき時代となって、従来の国民を支配するという発想では国家が動かなく
なるという時代となった。情報社会という文明の転換期になって、従来の税金の
集め方や使い方では国は動かなくなった。というよりも官僚を職業として考えな
くて「身分」として扱い、天下りという特権で税金を食いあさってきたことに国
民の批判と憤りが高まり、官僚改革が叫ばれるようになった。

官僚の中にも、これまでのあり方を改革すべきだという人たちも沢山いる。さら
に官僚支配に対して、馴れ合っていこうという政党や政治家もいる。もっとも激
しく官僚改革を主張しているのが民主党であり、その中でも小沢代表が政権に就
いたとき、官僚支配とくに検察や警察といった権力機構が大きな影響を受けると
いう危惧があることも事実である。

今回の小沢民主党代表秘書の逮捕強制捜査の背景には、政治の動きと官僚の危惧
の影が見えかくれしている。これが日本の民主政治の現実であり、議会民主政治
の危機である。(つづく)>>


[私のコメント]
専門性のない普通の人の私が書いてもあまり影響はないのですがね。小沢民主党代表は何とか4月10日まで持ちました。後は何が起ころうと、9月までに行われる、総選挙に全身全霊を振り絞って戦って、勝利してもらうことですね。国民、有権者を裏切らないように細心の注意を払ってマニフェストに上げた改革、改善をやってもらい、日本社会に深く根を下ろしている構造的パチンコ規制にも手をつけて欲しいものです。


コメント
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