世界三大宗教のうち、キリスト教やイスラム教について簡単に調べてきましたが、では仏教とは、どんな宗教なのでしょうか?
日本人の多くは「あなたの宗教は?」と聞かれると「仏教」と答える人が多いのですが、その仏教についてどのくらい知っているのでしょうか?
今日の絵は、”宝塚・中山寺” F10号
日本人に身近では、ありますが、その基本的な考えも知らない人が多い事と思います。また、「無宗教です」と答えたにしても、日常の生活には、仏教的な影響がおおくありますが、その意味や考えを知らない場合が多いのです。
仏教の基本原理である「三法印」を知っていると、仏陀が、この世界や人生をどのように考えていたのかが分かります。
仏教の特徴の一つは「諸行無常」という言葉です。
これは、「すべてのものは変化し続けており、常なるものは存在しない」ということです。
例えば、誕生日がくると「ああ、また年をとった」と嘆く人が多くいます。
しかし、全てのものは変化し続けるのであって、肉体も当然変化してゆきます。
嘆く前に、いつまでも若いままではいられないことを認識しなさいということなのです。
二つ目は、「諸法無我」という言葉で表されています。
これは、すべてのものは「因縁」により生じたもので、実体はないということです。
永遠に変わらないものは存在しないということで、人が老いていくのも、生まれてきたからにほかならないということです。 肉体が衰えていくのも、生を受けた以上避けられないことを知りなさいと言うことです。
三つ目は、「涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)」という言葉で表せます。
これは、煩悩を滅した「涅槃(=悟りの境地)」は安らかであると言うことです。
人が年をとっていくのは自然のことなのに、若さにこだわるから年をとって嘆くことになります。 若さへのこだわりを捨てれば、安らかな気持ちになれるということなのです。
仏教とは「すべてのものは、変化し、実体がないのが真理なのに、いつまでも変わらないと勘違いをして、執着するから苦悩が生まれ、そしてその苦悩は無知や欲望が原因であることに気づき、その無知や欲望を断ち切ろう」というのが基本的な考えなのです。