昨日の続きです。
密教とは、名前は聞いたことがあってもどんな宗教かは分かりません。
インドにおける密教は、仏教より古いと言われています。ブッダの誕生より600年以上前のバラモン教の経典にすでに真言(呪文)を唱えて災いを除き福を招くことが説かれています。
ブッダは、この呪文や秘儀を禁止していましたが、死後に、呪文に興味をもつ僧侶が現れ、インドの民族宗教であるヒンズー教の経典や神々、さらに現世利益的な儀礼や呪文を取り入れて、新しい仏教を作り上げ、これが密教となりました。
密教は専門家向けの宗教といえます。
つまり、密教の修行者は、大日如来を中心に諸仏を描いた「曼荼羅」の前に座って瞑想し、吸う息で仏の世界を心のなかに取り込み、吐く息で自分を仏の世界に飛び込むというものです。 なにか分かったようで分からない話です。
一方「顕教」とは、ブッダの教えを文字で表し、仏典として残る宗派を呼びます。
顕教は仏典を読めば誰でも一通りはその教えを知ることが出来ますが、密教は、言葉では理解出来ない教えという事になります。
チベットのボダラ宮 海抜3650m チベットのデブン寺
ダライ・ラマで知られるチベット仏教は、チベット、ブータン、モンゴル、ブータンなどで信仰されています。
信仰の対象は、仏、法、僧の「三宝」に加え「師」を意味する「ラマ」という指導者を含み、チベット仏教は、「ラマ教」とも呼ばれています。
このラマになるには、自分の前世を記憶している幼児とされていますが、これは菩薩や過去の高僧が「ラマ」として転生すると信じら、前世を記憶する幼児こそが、菩薩や高僧の生まれ変わりとされています。
チベットは、現在は国として存在していません。 現在は中国の一部として中国政府に統治されています。
チベットは、二次大戦後、中国に占領され、宗教弾圧や漢民族の移住が進められて、政治的指導者であるダライ・ラマが世界的に注目を浴びているのは、中国のチベット政策のためです。
現在は、インド北西部ダラムサラにチベットの亡命政権が置かれ、最近にそのダライ・ラマがモンゴルを訪問すると言うことが報道されていますが、中国政府はこれに神経をとがらしています。