いざなぎ景気の4年9ヶ月(1965年11月~1970年7月)を越え4年10ヶ月の景気拡大だそうですが、一般庶民には、その実感がありません。
それもそのはず、いざなぎ景気に比べると完全失業率は1.0%から4~5.5%と悪くなり、賃金も2倍からー1.6%の大幅な差が生じています。
一番の目安は、個人消費とGDP(国内総生産)の伸びにありますが、いずれも低迷しており、景気のバロメーター、指針が今までと違っています。
つまり、数字だけの景気拡大であり、実際に恩恵を受けるであろう一般庶民には、そのかけらもないのが、実情のようです。
今日の絵は、イタリア・フレンツエ、ベッキオ橋 F10号
国内総生産(GDP)とは、1国の経済の規模を測るもっとも基本的な指標の一つで、国の国内で生産された物やサービスと言った付加価値の合計額です。
この伸び率がプラスになって続いているのが、景気が拡大していると言っているのですが、現在の景気拡大期の平均の伸び率は、実質で2.4%、名目では1.0%と低い水準での推移であって、いざなぎ景気の時は、実質11.5%、名目18.4%とは大きな差があります。
日本のGDPの総額は、4兆6234億ドルで世界で2位です。(2004年現在)
1位はアメリカの11兆6675億ドル、3位はドイツの2兆7144億ドル、4位イギリス、5位フランス、6位イタリア、7位中国で1兆6493億ドル、8位スペイン、9位カナダ、10位がインドの6919億ドルとなっています。
しかし、一人当たりに換算すると、1位はルクセンブルグで6万9207ドル、2位はノルウエーの5万4598ドル、3位がスイスの4万8698ドルで、総額1位のアメリカは7位で日本は9位となっています。
総額だけを見ると、2040年には、中国がアメリカを抜き1位に、インドが3位となりますが、伸び率の鈍い日本は、2004年当時のGDPと余り変わらず、ブラジルには2050年には抜かれると将来の推移を予想されています。
つまり、日本の景気は、今のままでは、総額も伸びず、景気も飛びぬけて良くなることはないようです。