日本で18番目となる世界遺産に、石見銀山が登録されました。
正式名は「石見銀山遺跡とその文化的景観」といいます。
今年の5月には、ユネスコの諮問機関である「国際記念物遺跡会議」(ICOMOS)が登録延期を勧告していましたが、逆転登録となりました。
登録延期の理由として「普遍的価値がない」ということでしたが、今回の登録は、
1、李氏朝鮮の国史やヨーロッパの地図などは、鉱山が東西の文明に影響を与えて
いたことを証明している。
2、17世紀から、鉱山発掘と同時に植林をし、自然環境に寄与している。
と言うことが認められたことによって登録が決められました。
特に、2番目の自然環境の維持は、従来の鉱山の周辺は硫黄などの有機物質により自然が破壊されていましたが、石見銀山は、16世紀末から発掘と同時に植林を続け今も自然環境が維持され、この点が諮問機関を動かしたとされています。
17世紀初頭には、世界で流通する銀の3分の1を占め、東西文化交流に影響を与え、自然と調和した文化的景観を形成している、世界でも類を見ない鉱山として認められたことになります。
世界遺産には、「文化遺産」、「自然遺産」と化学や産業活動を表す「産業遺産」があり、石見銀山は、日本で初の「産業遺産」となりました。
2006年までに世界遺産は、830件が登録されています。
この世界遺産は、世界中の普遍的価値を有する人類共通の財産を次世代に受け継いでいくことの大切さをうたっており、破壊と消滅から世界遺産を守り、国際協力によって保護していくを目的としています。