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最近の鉄道 話題から ⑥ JR四国の憂鬱とジレンマ

2013年10月16日 11時27分24秒 | 鉄道のよもやま話

JR四国は、複線化率も電化率もJR旅客鉄道6社の中で最低という現状の中、これからのJR四国は、どうすれば良いのでしょうか?

一番の問題点は、沿線の人口が少ないということです。
エリア内に100万以上の都市がないのは、このJR四国のみで、それ故、近代化の投資が大幅に遅れています。

現在の経営では、成長分野のJR四国バスを中心に据えており、鉄道部門は、もっぱら運営費圧縮に力を入れ、そのほか子会社として”うどん屋”などを営んでいるようです。

JR6社の中で、唯一売り上げが減少しているJR四国ですが、鉄道だけではなくバスも売上減少の危機に面しています。

四国内の高速道路が整備され、四国内の都市間だけではなく、関西方面への高速バスも充実されてきて、益々、鉄道離れが顕著となってきました。

  
     
 JR四国の高速バス 東京方面行き ”ドリーム徳島号”

その鉄道にドル箱路線がなく、JR四国には、88年に「本線」の呼称を廃止し、何々本線という呼称は、JR四国にはありません。

以上の負の問題点ばかりの中、経営に努力、工夫も色々されているのですが・・・・
その中で、一番の誤算は、新幹線が通らなくなったことにあるようです。

勿論、人口が少ないという現実はいかんともしがたく、新幹線が通っても四国内の乗客の増加は、見込まれませんが、四国外からの観光客を呼び込むには、欠かせないと考えていました。

その幻の新幹線計画とは、1969年、全国新幹線網の一環として、1973年に基本計画が決定されました。

その計画とは、「四国新幹線」と「四国横断新幹線」の2系統がありました。

「四国新幹線」は、大阪を起点とし、徳島市、高松市、松山市を経由し、終点を九州の大分市とするルート。
大鳴門橋は、道路併用橋でしたが、明石海峡大橋は道路専用橋と計画変更されました。

 

「四国横断新幹線」は、岡山を起点として、高知に至るルート。
瀬戸大橋は、新幹線規格で建設され、児島駅、宇多津駅にも新幹線ホーム用の用地が確保されていたのですが、その後の国の調査はされていません。

この2つの新幹線計画は、オイルショックから日本経済の減速に拍車がかかり、低成長下では計画がとん挫したのです。
1974年以降、毎年地質調査費として計上されていたのですが、実現には、莫大な費用を要するため
2008年より、国土交通省は、予算執行を中止する旨の発表を余儀なくされました。

 
 瀬戸大橋 新幹線用も確保されています。   大鳴門橋の下部にも・・・



それでも、JR四国は、2012年に向う5カ年間の中期経営計画で「新幹線の事業性を見極める調査を進める」旨の発表をし、それを受けて、2013年の徳島市での経済5団体の新年祝賀会にて、徳島知事が新幹線の必要性を解き、新幹線開通のための大きな行動を起こすと抱負を語っています。

はたして、四国新幹線は、実現するのでしょうか?
何年かかるか分かりませんが、それはそれとして、当面のJR四国の活性化に力を注ぐべきではないでしょうか?

  アンパンマン列車

高知県の出身のやなせたかし氏は、13日お亡くなりになりました。 謹んでご冥福をお祈りします。



JR四国の良いところとして、経営努力や工夫がなされている点です。
「アンパンマン列車」や先日の「一番遅い新幹線」も良いのですが、何よりも、今ある四国の自然の良さ、風光明媚な風景や歴史的な名所があるのですから、これをもっと利用する工夫も必要ではないでしょうか?