極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

タールフリー化にまた一歩。

2010年11月28日 | 環境工学システム論


この涙 きみに見せよう 男とは そなんものだと 受け止めるひと






図(A)NORと(B)COXの触媒活性中心の構造


【理想と現実】

龍馬が暗殺シーンは本当に呆気な
かった。これはこの作品がだめだ
というのではないのだ。
むしろ、
惨殺シーンをさらりと流すことで
リアルさの演出効果を高めてもい
る(喩えてみれば、映画『パッシ
ョン
』とは対極にある)。中岡慎
太郎、岡田以蔵、武知半平太、近
藤長次郎、そして高杉晋作、分か
れた同士にひとりひとりに酒を注
ぐシーンに岩崎弥太郎の人間臭い
追憶が深みを与える。残念だがお
別れだ。散切り頭の晋作と長崎は
丸山での出合の強烈なシーンは忘
れることはない(『散切り頭の夏
休み
』)。


 わたしたちの約束ごとよ
 それができるにしろできない
 にしろ寂しさだけがただひと
 色である
 そうして期待のうしろから多
 くの空洞がさしせまってくる
 けれどわたしたちは退くこと
 が出来ない
 わたしたちに暗さと明るさを
 最後にはげしい意志のある風
 景を与えられるべきである



         吉本隆明

     「わたしたちは退く
       ことができない」
      




地球温暖化ガスの原因として二酸
化炭素(CO2)が注目されているが、
その300倍もの温室効果のある強
力な原因物質が亜酸化窒素ガス(
N2O)。この温室効果の高い亜酸
化窒素の多くは、土壌や海水中で
活動している微生物の呼吸が生み
だし、窒素系肥料の活用など、人
類の産業活動により排出量が増大

し、21世紀の地球環境問題の課題
として懸念されている。このため、
脱窒と呼ばれる呼吸をする、N2O
を生産する微生物の呼吸酵素(N
OR)の反応機構や働きを解くこと
が温暖化現象の解消につながると
期待される。 放射光科学総合研
究センターの城生体金属化学研究
室は、この酵素の立体構造を世界
で初めて明らかにし、2つの鉄原
子から構成されているこの酵素の
活性中心がN2Oを生成する反応機構
を突き止め、NORが酸素呼吸の重
要な酵素であるチトクロム酸化酵
素(COX)と共通の祖先を持って
いる。地球上に酸素が出現し、微
生物が嫌気呼吸から酸素呼吸に進
化していく過程でその触媒機能を
NO還元からO2還元へと変化させ、
COXに進化したと考えられている。


図1 脱窒と硝酸呼吸によるATP生産
図 脱窒と硝酸呼吸によるATP生産

構造解析の結果、NORは、COXの主
要サブユニットと非常に良く似た
13本の膜貫通へリックスと親水性
ドメインを持つこと、反応活性中
心が両酵素で異なっていることな
どが分かり、タンパク質全体の構
造はそのままに、酵素反応に重要
な部位だけを変化させることで触
媒反応を変換していったことを明
らかにした。未来の地球の環境を
変える手掛かりが新たに得ること
ができたと注目されているという。


図1 本発明の実施の形態1に係るガス化方法を概念的に示す説明図である。
【タールフリー化技術】

木質バイオマス燃料発電の最大の
ボトルネックエンジニアリング(
隘路)であるタールフリー化に光
明が(特許のみの閲覧のため実用
化に向けの道筋までは洞察できな
い)。

それによると、タールを炭状固体
に分解して担持する多孔質無機物
を用意することなく
、タール非含
有ガスを発生させることができる
ガス化方法だという。有機物のガ
ス化方法に、有機物を加熱するこ
とにより有機物を、タール含有ガ
ス及び炭状固体に熱分解する熱分
解工程と、熱分解によって発生し
たタール含有ガスを熱分解前の有
機物に接触させることにより、タ
ール含有ガスに含まれるタールを
有機物に吸着させる吸着工程とを
備えることで解決可能だという。

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JP 2010-202689 A 2010.9.16 

ガス化方法、発電方法、ガス
 化装置、発電装置及び有機物

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図2 本発明のガス化装置の構成例を示す模式的断面図である

【符号の説明】

1 ガス化装置 2 熱分解装置
(熱分解手段) 3 タール吸着
装置(吸着手段) 6 スクリュ
ーコンベア(搬送手段) 8 ガ
ス改質装置9 凝縮器 21 熱分
解反応器 21a 木質チップ供
給口(有機物供給口) 21b
木炭排出口(炭状固体排出口)
21c 排気口 22 電気炉 
31 前段木質チップ攪拌槽(収
容体) 32 後段木質チップ攪
拌槽(収容体) 31a ガス流
入口 31b,32b 連結口 
31d、32d タール未吸着木
質チップ供給口 31c,32c
攪拌翼 32a ガス流出口 33
連結管 41、41 タール既吸
着木質チップ供給ホッパ 51
タール既吸着木質チップ回収器
 71 発動機 72 発電機 
81 ガス改質反応器

【発明を実施するための形態】

(実施の形態1)

図1は、本発明の実施の形態1に
係るガス化方法を概念的に示す説
明図。このガス化方法は、木質チ
ップ(有機物)の熱分解によって
発生したタール含有ガスに含まれ
るタールを、熱分解前の木質チッ
プに吸着させることにより、多孔
質無機物を用意して触媒改質等の
操作を行うことなく、タール非含
有ガスを生成することを可能にし
たもの。

図1中のかぎ括弧及び破線矢印で
示すように、タールを吸着してい
ない木質チップ(以下、タール未
吸着木質チップという)を400~
600℃、例えば500℃で加熱し、タ
ール未吸着木質チップを、木炭と、
タール含有ガスとに熱分解する。
タールフリーの木炭を得るために、
0.5~20分の滞留時間をもって、
タール未吸着木質チップを500℃
以上で加熱することが好ましい。
タールフリーの木炭とは、600℃
以上に加熱したときの芳香族発生
量が0.01wt%未満となる木炭をい
う。なお、炭化処理を行うだけで
あれば、タール未吸着木質チップ
を400℃以上に加熱すれば足りる
が、タールフリーの木炭を得るた
めには500℃以上でタール未吸着
木質チップを加熱する必要がある。

そして、熱分解によって生成した
木炭を回収する。ガス化方法の実
施初期段階において、タールを吸
着した木質チップ(以下、タール
既吸着木質チップという)が存在
しないため、タール未吸着木質チ
ップを熱分解することから操業を
開始。

下図10は、本発明に係るガス化方
法の効果を確認するための実験方
法を概念的に示す説明図である。
本実験では、木質チップの熱分解
工程、タール吸着工程、凝縮工程
を順次実施する。以下、この一連
の工程をタールリサイクル運転と
いう。第1回目のタールリサイク
ル運転では、図10に示すように、
157~158gタール未吸着木質チッ
プの熱分解を行う。なお、157~
158kgは、乾燥状態におけるター
ル未吸着木質チップの質量である。
熱分解工程における加熱温度は500
℃、加熱時間は47秒である。ター
ル吸着工程におけるタール吸着装
置の入口温度は200℃、出口温度は
110~120℃に保たれている。また、
シリカ繊維フィルタは、150℃に
保たれている。凝縮工程では、0
℃-30℃-70℃の三相コンデンサ
を用いて、タール非含有ガスを非
凝縮性ガスと、軽質有機成分及び
水とに分離する。
第2回目以降は、前回のタールリ
サイクル運転で得られたタール既
吸着木質チップの熱分解を行い、
同様の処理を実行する。

図10 本発明に係るガス化方法の効果を確認するための実験方法を概念的に示す説明図である。

つまりは、タールを吸着させた有
機物を熱分解し、タールを吸着さ
せた有機物が熱分解した場合、
ール及び有機物を単味で加熱する
場合に比べて
、タール及び有機物
の炭化が相互に促進される共炭化
効果
と、有機物に吸着したタール
の蒸発抑制効果とによって、ター
ルの分解が促進される。つまり、
有機物に吸着しているタールの一
部は気化せず、有機物と共に炭状
固体になる。また、タールの一部
は、気化せずにタール非含有ガス
に分解される

従って、有機物に吸着させたター
ルを炭状固体又はタール非含有ガ
スとして回収することができる。
言い換えると、多孔質無機物を用
意して触媒改質等の操作を行うこ
となく、タール含有ガスからター
ルを除去することができ、かつ炭
状固体及びタール非含有ガスを増
産することが可能になるという。

そうか、木質チップの投入方法に
工夫を凝らすことでタールフリー
が可能か。しかし、装置は大きく
なるが、触媒を使わずに済むし、
投入原料(木質バイオ)の成分が
一定であれば実用性は高まるだろ。

           

コメント
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