雨上がり ロス・マリニスの 宝石が 小さく綻ぶ きみ送る朝
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白梅が咲きほころび、苺の花が鈴なる弥生月となり、外出時には必ず
デジカメを携帯しようと思っていたのだが、雨降りが気になるので、
駅まで彼女を送り出した時にはもう忘れていた。家に戻るなり玄関先
の苺の花が咲いているその脇にローズマリーの小さなブルーが輝いて
いるのを見て歌を詠む。季節は木草弥や生い月と。
家に入り、朝の連ドラ「てっぱん」を見るとはなしに見ていると、ふ
となぜか、広島焼きは天かすなのだが尾道はイカ天なのか不思議で、
天かすとイカで直接焼いた方が合理的だし、二度焼きではイカの風味
が落ちるようで腑に落ちない。さらに、尾道の方には砂ずりを入れる
とか。同じ鉄板焼きでも異なるのは面白くて良いが、キャベツをたっ
ぷり入れ中華麺と豚と鶏卵が入った‘広島+尾道’焼きは美味しい。
麺がパスタでもうどんでも日本そばでも良さそうだし、アンチョビを
入れマヨネーズ、お好み焼きソーズ抜きでオリーブオイルで焼き、バ
ルサミコを味付けした「地中海風お好み」も良いのではと思った。
勿論、トッピングにロス・マリニスを忘れなく入れておこう。それと
キャベツを蒸らす時間を短縮するなら電子レンジを併用するのも手だ。
ところが、朝、彼女が浴室の水栓から水漏れしているので修理をお願
いとたのまれ分解修理を仕始めたのは良いが、部品がないということ
で「アヤハ戸賀店」「ナフコ高宮店」「カインズ松原店」で買い求め
るもない。ネットでは手が掛かりを見つけることができたが、採り寄
せるは型番がわからないのと時間を食ってしまい、一か八か組み立て
切り替えレバーの押さえネジを締め付けることで事なきをえた。
えたのは良いが、時間を浪費しすぎ、ランチ抜きのジム抜きとなる。
年甲斐もなく動きの遅い自分を疎んじ、矢のごとく過ぎ去る時間に、
若い日のあの頃と同じ焦燥感だと苦笑いを浮かべていた。参考にさせ
ていただいた「DIYアドバイザー」の亀山通様にはお礼申しあげま
す。
>m(_ _)m
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ニュージーランド南島クライストチャーチ市は、22日に起きた強い地
震から24日で被災3日目を迎えた。送られてくる映像の凄さに改めて
驚かされるとともに、2つのことに思い及んだ。その一つが送られて
くる映像が「スーパーハイビジョン」ならどうなんだろう。災害復旧
や人命救助にどれほど貢献できるのだろうかと。インフラさえ整えば
医療遠隔操作技術の向上に寄与するし、宇宙・海洋開発などの無人探
査にも大きく貢献するに違いない。もう一つは取り残され被災者への
クラッシュ症候群への対応が現地ではどうかという思いだ。
挫滅症候群とも訳されるが、身体の一部が長時間挟まれるなどして圧
迫され、その解放後に起こる様々な症候をさす。重傷であることが見
落とされる場合もあり、致死率は比較的高い。第二次世界大戦中のに
ドイツ軍の空爆を受けたロンドンの瓦礫の下から救出された人々が発
症したのが最初の症例。日本では、阪神・淡路大震災で約400人が発
症し、そのうち約50人が死亡したと言われる。2005年に起きたJR福知
山線脱線事故でも数人が発症し、その症状で3人が死亡、1人が両足切
断している。
身体の一部、特に四肢が長時間圧迫を受けると、筋肉が損傷を受け、
組織の一部が壊死する。その後、圧迫された状態から解放されると、
壊死した筋細胞からカリウム、ミオグロビン、乳酸などが血液中に大
量に漏出する。発症すると意識の混濁、チアノーゼ、失禁などの症状
が見られる他、高カリウム血症により心室細動、心停止が引き起こさ
れたり、ミオグロビンにより腎臓の尿細管が壊死し急性腎不全を起こ
す。圧迫からの解放直後は、意識があるために軽傷とみなされ、その
後重篤となり死に至ることも少なくない。まれに、特定の筋肉を過度
に酷使する運動を行うことにより発症する場合もあるため十分な医療
体制が必要とされる。
治療方法は、血液透析、血漿交換などの血液浄化療法が必要となる。
しかし血液浄化療法は、極めて潤沢な医療資源を要求することから、
災害医療の現場では最後の手段で、軽症ないし中等症の患者に対して
は、(1)細胞外液輸液→圧迫が解除されると大量の血漿が血管外
に漏出しショックに陥るので大量輸液が必要とされ生理食塩液や乳酸
リンゲル液(ラクテック注、ソルラクト注など)、酢酸リンゲル液(
ヴィーンFなど)を1~2リットル/20分間で開始し、利尿が得られたの
ちは多少減じつつ、時間尿量1 mL/kg/時以上の確保が目標として継続
する。1日輸液量は10~20リットルを要する場合もある。尚、カリウ
ムを含む輸液(維持液など)は厳禁である。(2)アシドーシス補
正→重炭酸ナトリウム液(メイロン)の投与を行なう。これにはカ
リウム値補正や尿酸沈着を防ぐ効果があるとされる。(3)高カリウ
ム血症の治療→G-I療法(5%グルコース液、速効性インスリンの持続
投与)、不整脈予防(グルコン酸カルシウム静注)などが行われる。
高カリウム血症による不整脈が最も危険で、生体情報モニタ(心電図、
SpO2、血圧)による監視が重要。現場では水分補給(患者が水を飲め
る場合のみ、誤嚥に十分注意して無理に飲ませない)、毛布等による
保温、酸素投与を行うことが望ましいとされる。
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「バーレーンの混乱、サウジアラビアの危機」(田中宇の国際ニュー
ス解説 2011年2月21日)のニュースを見ていると、この間のアジア・
カップはなんだったのかという程の事態の急変である。
バーレーンは、ペルシャ湾の西岸、サウジアラビアの沖合にある
小さな島国だ。サウジと海上の橋でつながっている。面積はアラ
ブ諸国の中で最小だ。イスラム教の勃興以前、ペルシャ湾の東西
の沿岸はペルシャ帝国(イラン)の海上交易路で、バーレーンは
交易用の港の一つだった。イスラム以前、この地域にはネストリ
ウス派(景教)のキリスト教徒が多かった。景教の信者網は、交
易路を経由して中国にまで広がっていた。
Bahrain From Wikipedia
19日、サルマン皇太子が王政の前面に登場し、17日の襲撃で死者
が出たことについて、テレビ演説で謝罪した。皇太子は、治安部
隊を真珠広場から撤退させ、反政府運動が広場を再び占拠するこ
とを認め、反政府運動との話し合いをしていく方針も発表した。
エジプトの革命と同様、バーレーンの権力者も、国民の反政府運
動に対して前代未聞の譲歩を開始した。しかし、これでバーレー
ンの反政府運動がおさまるわけではなさそうだ。ウェファク党は、
治安部隊が街頭から完全に撤退するまで、王政から提案された話
し合いに参加しないと言っている。エジプトでは、反政府運動に
譲歩したムバラクは、結局失脚に至っている。
‘Protesters in Bahrain retake Pearl Roundabout’
‘Bahrain Opposition Rejects Calls for Government Dialogue’
バーレーンの王政が国民の民主化要求に対して譲歩するほど、サ
ウジのシーア派も、自国の王政に、政治的・経済的な民主化を要
求するようになるだろう。石油で儲けた分け前をもっとよこせと
王室に要求し、拒否するなら東部州でサウジからの分離独立を問
う住民投票をするぞとか言い出すかもしれない。東部州住民の過
半を占めるシーア派は、分離独立に賛成だろう。
サウジ東部州で「真の民主化」が実現すると、サウジの原油の9
割はサウド王家でなくシーア派のものになる。サウジのシーア派
はアラブ人だがイラクやバーレーンのシーア派と同様、親イラン
の傾向をとるだろう。サウジ、イラク、イランという中東の3大
油田地帯のすべてが、反米反イスラエルのイランの傘下に入って
しまう。間に挟まっているクウェートも政権転覆のおそれがある。
クウェートでは、無国籍扱いされているベドウィン(遊牧民)が
権利要求運動を開始している。OPECはイランの 傀儡となり、
イランを敵視する国は石油を止められ、原油価格は高騰する。イ
ランは米欧に敵視されている分、中国やロシアと親しいから、米
欧 の覇権喪失が加速する。
‘Seven wounded in Kuwait clashes
アレキサンダー、ローマ、十字軍の進駐にはじまり、ヨーロッパ列強
国、米軍の進駐と抗争に明け暮れ疲弊する北アフリカ、中東諸国の住
民の血に塗られた歴史が綿々と続き、米国のプレゼンスが後退し、イ
スラエルの孤立がいっそう鮮明となり、スンニン派からシーア派勢力
の実権移行しようが、共和主義や民主主義国家を名乗ろうとも、住民
の抑圧と貧困が存在する限り、このような紛争(市民革命)がなくな
ることはない。また、ウェストファリア条約締結みられるように宗教
国家による住民の解放はまたありえない。
その意味において、中東周辺で起きている民主化の波は、歴史的な軋
轢を一時的に取り除くことに成功するが、クラッシュ症候群に見られ
るごとくその後のが悪ければ周辺諸国民は重篤の危機に瀕
することもまた現実にありうる。中東での民主化も「クラッシュ症候
群の季節」のはじまりを暗示しているかのようだとは、強ち誇大妄想
ではないのではないだろうと。
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