極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

GMナタネ汚染の銀河系

2011年02月10日 | 時事書評

「遺伝子組み換え作物・食品」という言葉から受けるイメージ

【遺伝子組み換え作物の危険性】




「厄介な本を借りてきたものだ」というのが卒直
な感想だ。そして、斜め読みして「GM  ナタネ汚
染の銀河系」という言葉が浮かんだ。かって人類
は生存のため食料品の植物を選択し、生態系を変
えてきた。その代表が「焼き畑農法」であり「交
配操作」である。あるいは、ライ麦のように人類
と共棲する植物自から変化させてきた事例もある。
また、多くは、太陽光・宇宙風や自然環境の変化
に突然変異などで変化してきたが、今世紀に入り
人口の爆発的増大と遺伝子操作技術の発展がから
まりこれまでの速度から想定も出来ないほどの生
態系の変化を引き起こす可能性がでてきたという
現実に直面
しているのだ。




遺伝子組み換え作物とは、遺伝子組み換え技術を
用いた遺伝的性質の改変によって品種改良等が行
われた作物のこと。日本語ではいくつかの表記が
混在使用されている状況である。「遺伝子組換作
物反対派」は遺伝子組み換え作物、厚生労働省な
どが遺伝子組換え作物、食品衛生法では組換え
DNA技術応用作物、農林水産省では遺伝子組換え
農産物などの表記を使うことが多い。英語のgene-
tically modified organism からGM作物、GMOとも呼
ばれることがある。ただし、GMOは一般にはトラ
ンスジェニック動物なども含む遺伝子組換生物を
指し作物に限らない。


GMO生産マップ(2005年)。オレンジ色の5カ国はGMOの95%を生産している。
オレンジ色の斜線の国々はGMOを生産している。
オレンジの点の国々は屋外での実験が許可されている。


従来の育種学の延長で導入された1973年以降の遺
伝子組換えの手法
としては放射線照射・重イオン
粒子線照射・変異原性薬品などの処理で胚の染色
体に変異を導入した母本を多数作成し、そこから
有用な形質を持つ個体を選抜する作業を重ねると
いう手順で行われた。最初のGMOが作成された後
に科学者は自発的なモラトリアムをその組み換え
DNA実験に求めて観測した。

モラトリアムの1つの目標は新技術の状態、及び
危険性を評価するアシロマ会議のための時間を提
供することだった。生化学者の参入と新たなバイ
オテクノロジーの開発、遺伝子地図の作成などに
より、作物となる植物に対して「目的とする」形
質をコードする遺伝子を導入したり「問題がある」
形質の遺伝子をノックアウトしたりすることがで
きるようになった。米国では研究の進展とともに
厳しいガイドラインが設けられた。そのようなガ
イドラインは後に米国国立衛生研究所や他国でも
相当する機関により公表された。

これらのガイドラインはGMOが今日まで規制され
る基礎を成している。初めて市場に登場した遺伝
子組み換え作物と言われるのは、アンチセンス
RNA法(mRNAと相補的なRNAを作らせることで、
標的となるタンパク質の生合成を抑える手法で
RNAi法の一種)を用いて、ペクチンを分解する酵
素ポリガラクツロナーゼの産生を抑制したトマト
Flavr Savrである。他のトマトと比較して、熟して
も果皮や果肉が柔らかくなりにくいという特徴を
持つ。

遺伝子組換え作物の作製には、開発過程の高効率
化や安全性に関する懸念の払拭のために様々な手
法が取り入れられている。たとえば、遺伝子の組
換わった細胞(形質転換細胞)だけを選択するプ
ロセスにおいて、かつては医療用、畜産用の抗生
物質と選択マーカー遺伝子としてその抗生物質耐
性遺伝子が用いられていた。

現在ではそのような抗生物質耐性遺伝子が遺伝子
組換え作物に残っていることが規制されており、
それ以外の選択マーカー遺伝子を利用したり、選
択マーカー遺伝子を除去したりといった技術が開
発された。
遺伝子組換え作物の栽培国と作付面積
は年々増加している。

2009年現在、全世界の大豆作付け面積の77%、ト
ウモロコシの26%、ワタの49%、カノーラの21%が
GM作物である。限定的ではあるが2009年には日
本も遺伝子組換え作物の栽培国となった。
日本の
輸入穀類の半量は既に遺伝子組換え作物であると
いう推定もある。

遺伝子組換え作物の開発・利用について、賛成派
と反対派の間に激しい論争がある。主な論点は、

(1)生態系などへの影響
(2)
経済問題
(3)倫理面
(4)食品としての安全性などである。

生態系などへの影響、経済問題に関しては、単一
の作物や品種を大規模に栽培すること(モノカル
チャー)に伴う諸問題を遺伝子組換え作物特有の
問題と混同して議論されることが多い。食品とし
ての安全性に関して、特定の遺伝子組換え作物で
はなく遺伝子組換え操作自体が食品としての安全
性を損なっているという主張
がある。そのような
主張の多くが科学的な批評に耐えられる論拠を伴
っていない



遺伝子組換え作物とは、商業的に栽培されている
植物(作物)に遺伝子操作を行い、新たな遺伝子
を導入し発現させたり、内在性の遺伝子の発現を
促進・抑制したりすることにより、新たな形質が
付与された作物である。食用の遺伝子組換え作物
では、除草剤耐性、病害虫耐性、貯蔵性増大など
の生産者や流通業者にとっての利点を重視した遺
伝子組換え作物の開発が先行し、こうして生み出
された食品を第一世代遺伝子組換え食品とよぶ。

これに対し、食物の成分を改変することによって
栄養価を高めたり、有害物質を減少させたり、医
薬品として利用できたりするなど、消費者にとっ
ての直接的な利益を重視
した遺伝子組換え作物の
開発も近年活発となり、こうして生み出された食
品を第二世代組換え食品という。




【危険性への態度決定】

先ず、遺伝子組み換え作物の危険性については賛
否両論あり、確実に危険性がないことがわからな
い限り使用しないと決め、遺伝子組み換え作物を
使用しないという立場が考えられる。この場合、
大切なのは正確な情報の獲得の担保(組織・仕組
み)が求められる。さらに、遺伝子組換え生物
LMO: Living Modified Organism)の国境を越える移
動に関する手続き等を定めた国際的な枠組みであ
カルタヘナ議定書の動向と不可分である。また
この場合の「確実な危険性がない」をめぐる議論
が残件するが「全球村」時代には国際機関(準世
界政府)の拡充は前提として付き合って行くしか
ないように思えるということで改めて考えてみる
ことにする。




もののふの矢橋の船は速やけれど

            急がば回れ瀬田の長橋



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