極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

紫煙と爽香空間

2011年02月05日 | 環境工学システム論


その昔 ここで押し出す 一陣に いまも肯首の いちご白書


Michael Rubens Bloomberg、1942年2月14日 -


【完全禁煙か部分禁煙か】


かってタモリが民放の『世にも不思議な物語』で
最後の喫煙者が大衆により追い詰められるという
テイラーストーリを展開していたが、禁煙だけで
なく、飲酒もそうなるのではと半ば冗談に思った
ことを記憶している。そう、一昨年にはニューヨ
ーク市のトーマス・ファーリー衛生局長が、禁煙
エリアを公共の公園やビーチにまで拡大する方針
を示した。
 
1995年、レストランやバーの大半で喫煙が禁止さ
れ2003年には、マイケル・ブルームバーグ市長の
提案で、オフィスや駅などの屋内の公共施設での
喫煙が違法になった。そのため推定100万人の愛
煙家たちは屋外に「避難」せざるをえなくなって
いたが、ファーリー局長の提案が実現された場合、
喫煙出来る場所はさらに減る。

もっとも、日本禁煙学会の見解では、無風という
理想状態下で(1)ひとりの喫煙者によるタバコ
煙の到達範囲は直径14㍍の円周内である。複数の
喫煙者が同時に喫煙する場合は、この直径が2~
3倍以上となる(2)屋外と言えども、厚生労働
省の室内分煙基準に準じて対策を講じなければ、
行政の整合性が確保できない(3)条例等で屋外
喫煙を規制する場合、最低直径14㍍の非喫煙者通
行禁止区域円が確保できる場合を除いて、屋外に
灰皿を設置すべきでない(4)壁と天井で囲まれ
た屋外喫煙室
を設置する場合、十分な無害化処理
を施してタバコ煙を排出しなければならない。普
通このような無害化処理には膨大なコストを要す
ることを銘記すべきである(5)以上の科学的知
見に基づいて判断するなら、屋外の受動喫煙を防
止するための行政上の最上の対策は、路上および
公共施設敷地内全面禁煙
であるとある。

環境運動に多少かかわった経験から、ヒステリッ
クな禁煙信奉者が集会には必ずいて喫煙者を糾弾
している光景を見てきたが、自分はあまり吸わな
いので程度ものと高を括っていたが、ここまでく
るとは思わなかった。もっとも、景観美化という
観点からは吸い殻の放置があるので「原則禁煙」
派ということになろうか。ところが、一昨日の訪
問者と小さな書斎で二人で喫煙したのがきっかけ
に、たばこの臭いがなかなか取れないのでこれは
いかんと思い立つ。

 タバコ臭を付着させたカーテン生地から揮発
 するガスを吸着剤に濃縮し、ガスクロマトグ
 ラフ質量分析計(GC/MS)で分析すること
 により、タバコ付着臭を簡易的かつ定量的に
 評価でき、臭気強度を予測できるタバコ付着
 臭の成分分析法を開発した。タバコ付着臭に
 はアルデヒド、オレフィン、複素環化合物、
 芳香族化合物が多い(中略)タバコ付着臭に
 対し,静電霧化を行うことにより(中略)消
 臭効果があることを確認した。その中でビニ
 ルピリジンの濃度の対数と6段階臭気強度と
 の間に直線関係があることを確認し、ビニル
 ピリジンの濃度から簡易的にタバコ付着臭の
 臭気強度を予測することが可能になった。 


       『臭気強度の予測が可能な
        タバコ付着臭の成分分析法』
        
松下電工技報(Vol.53 No.4) 



この報告書から2つの事柄に注目する。1つはア
ルカロイドの一種で、揮発性の無色の油状液体で
化学式は C10H14N2
主にタバコの葉に含まれ天然
由来の物質で、即効性の非常に強い神経毒性を持
ち青酸カリの倍以上に匹敵する猛毒で、人体に対
する神経毒を持つが発癌性はないニコチンの分子
量と高沸点でありその温度依存凝集付着力の大き
さであり、もう1つは、酸化生成アルデヒドのマ
スキング効果だ(もう1つと付け加えると評価測
定機構なのだが、これはわたしの専門分野にあた
り除外する)。つまりは、ジヒドロキシアセトン
 (dihydroxyacetone, DHA)として、炭素数3のケト


dihydroxyacetone, DHA


ースで、グリセルアルデヒドと並び最も小さな単
糖であり、皮膚に塗布すると小麦色を呈するため
サンレスタンニング用の肌色着色料として使われ、
サトウダイコンやサトウキビから精製するか、グ
リセリンを酸化させることにより作られ(1-ヒ
ドロキシアセトン)、タバコ臭気用の消臭機能
有す、マスキング機能を発揮するということだ。

つまり、臭いはなくなった気がするけど、臭いで
ごまかしているだけで、数日したら戻ってしまう。
しかも、雨後の竹の子のように大小様々なメーカ
から消臭剤が発売され、無効消臭剤ランキングを
の消去法で選択した方がはるかに充実すると言え
る。

W wasabi4021.jpg

thiohexyl_kouzou.gif

体臭、口臭、ペット臭、タバコ臭、生ゴミ臭等の
悪臭を強力に消臭する6-メチルチオヘキシルイ
ソチオシアネート等のω-メチルチオアルキルイ
ソチオシアネートやヒドラゾン (hydrazone) とは、
有機化合物のうちカルボニル化合物 (R1C(=O)R2)
と、ヒドラジンあるいはヒドラジン誘導体 (H2N-
NR3R4
) とが脱水縮合した構造 R1C(=N-NR3R4)R2
を持つ化合物群であるが、複素環式化合物などへ
の合成中間体として用いられ、反応中間体として
現れるがこれらも消臭剤として使われている。ま
た、マンダリンオレンジ精油のごとく複合成分か
らなる消臭剤なども同様である。

Satsuma mandarin2.jpg 

それでは、消臭ではなく脱臭となると物理化学領
域になりその代表が活性炭で活性炭機能といえば
表面エネルギーつまりは表面吸着力となり、固体
表面(吸着剤)との間に働くファンデルワールス力
によって固体表面に濃縮される現象をさし、吸着
のうちの一分野にあたる。一般に、ファンデルワ
ールス力は、イオン結合や共有結合等の相互作用
と比較して格段に弱い相互作用であるため、物理
吸着した分子は加熱・減圧等の操作により容易に
脱着するが「カーボンナノチューブとプラズマ」
がコア技術になる。つまりは、吸着→再生→吸着
循環ですでに、チャコールなどの吸着剤を再生す
る装置がダイキンから販売されているから、後は
カーボンナノチューブのコストダウンということ
になるが、このシステムは既に日本が先行してい
ので世界市場規模は3兆円(吸着剤は1~3千億
円)が見込まれる。

 

これは『爽香空間環境工学システム』モデルの商
品化であり、新しい産業分野の創成ということに
なるのだが出張帰りで疲れたので今日はここまで。

                   

コメント
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