【福島原発事故 メディア報道のあり方】
1990年に米国のNRC(Nuclear Regulatory Commission 核規制委
員会)は「シビア・アクシデントのリスク」(NUREG-1150)
という名前の報告書を発表。これは確率論的リスク評価とい
う手法を用いて、米国に実在する5つの原発についてシビア・
アクシデント(過酷事故)がどのくらいの確率で発生するか
分析。地震がどのくらいの確率で来るのか、部品の破損の確
率はどうか、安全装置の動かない確率はどうかを推測して、
これらを掛け合わせて最終的に炉心溶融の起こる確率を計算。
この報告の中で、地震発生→制御棒挿入→地震により送電線
の碍子が壊れて外部からの電源喪失→非常用ディーゼル発電
機の立ち上げに失敗→温度上昇による炉心損傷というケース
がおきる割合が高いという結論が提示。恐ろしいほど今回の
事故の展開に良く似ている。発電所全体を1000年に1度の地
震から守るのは不可能でしょう。しかし非常用電源であるデ
ィーゼル発電機とその燃料タンクを守ることは、ある程度お
金をかければできる(2011.3.19 日本科学者会議)。
【冷却水の行方】
緊急炉心冷却系(ECCS)の安全審査基準に、被覆管温度が
1200℃を超えると、ジルカロイの酸化が進み大変脆くなって
ECCSの注水があると、熱衝撃で被覆管がばらばらに壊れて、
水の流出口につまり炉心が冷えなくなる。
表1 崩壊熱と冷却に必要な水量(炉心)
表2 崩壊熱と冷却に必要な水量(燃料プール)
(日本科学者会議HP)
炉心の場合、圧力容器の壁を通して伝熱でも冷却される。半
分の熱がそのような熱伝導で逃げ出すとしても、まだ1時間
当たり3㌧(1分当たり50㍑)の水を注ぎ込まないとだめで、
注入水は格納容器を経て、結局は環境に出て行くことになる。
燃料プールの場合、伝導で冷されるものは僅かで、4号機の場
合1時間あたり 3トンの注水が絶対的に必要で、これを下回る
とプールの水が干上がって、中の使用済み燃料が高温になる。
プールにひび割れがあり漏水していればさらに多くのの水を
注がなくてはならない。
福島原発では、1、3号機のタービン建屋内で、1㍉㍑ル当たり
380~390万ベクレルときわめて高濃度の水が床上に溜まって
いる。その総量は分からないが、これと通じているとされる
屋外トレンチに溜まっている高レベルの水の量が合計13300㌧
といわれているので、床上の溜まり水を1万トンと仮定して計
算すると、3京8000兆(3.8×1016)となり、スリーマイルでの
高レベルの回収水の4倍近くになる(2011.3.31)。
【福島原発保有核燃料規模:チェルノブイリの約10倍】
福島第1原発には、昨年3月末現在で1万149本(1755㌧)
※1本当たり約173㌔㌘
※使用済み核燃
1号機米GE. 50㌧
2号機GE・東芝連合 81
3号機東芝 88
4号機日立 135
5号機東芝 142
6号機GE東芝連合 151
スリーマイル 35
チェルノブイリ 180
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ブログを打ち込みはじめ暫くすると彼女が、近江八幡の水ヵ
浜にランチをと気を利かし(気分転換しなきゃダメと)誘う
ので中抜き。定番の近江牛と干しぶどう入りのドライカレー
を摂る。ツーリングの客がごった返していたが、レストラン
にオープンテラスデッキの拡張工事をしていたので、年配の
作業者に聞くとそうだと肯首。比良八荒で奥比良まで見晴ら
しが良かった。来週当たりは桜が開花し行楽日和になるねと
いいながら、途中、栃狂っているのか、地方選挙カーで大ボ
リュームで名前を連呼している候補者と出会い苦々しく思い
ながら帰ってきた。
この先どう乗り越えようとするのだろうか。
はっきりしていることは、わたしたち老夫婦の余命より、息
子達の生命と生活の安心・安全をどのように担保するかにか
かっている。日本科学者会議(舘野)のタンカーを調達し汚
染水を回収→濃縮保管隔離するのか。広瀬隆のいうコンクリ
ートの石棺閉じこめの2つの選択肢の他になにか妙案がある
というのだろうか、原子力委員会に謝罪されても事態は収束
しない。勿論、上手く事態が収拾できた暁には、関係者及び
それを推進してきた権力者や旧政府自民党などの関係者の引
責は、わたし(たち)が止めても国民の怒りは止め得ないだ
ろうが、兎も角も、政府のリーダシップの再構築を願うほか
ない。
※「原子力安全委員会反省の弁」(読売)
※「原子力委員の年収」(週刊ポスト2011年4月15日号)
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