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極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

被災1か月でわかってきたこと。

2011年04月18日 | 緊急|東日本大震災





【福島第一原発リスク評価】

工期30年として福島第一の全基廃炉(6基)にした場合(以
降の管理費など含めず)約9千億円から1兆円程度と見積
もれるとして、さらに、福島県周辺の賠償・災害復元費用
(=補償費)を2008年度の県内総生産が7兆6,669億円だか
ら、30年間の費用を、福島県のGDP×補償係数×0.5×補償
年数(補償年数-1)=p×
α×0.5n(n-1)、但し、
年均等減額方式として、補償期間30年、補償係数10%とし
て計算すると=7兆6,669億円/年×0.1×465≒365兆円とな
る。補償係数を1%としても36.5兆円だ。これに対し東京
電力
の総資産は連結で、13兆2039億円、売上高は連結で、
5兆162億円(2010年3月31日現在)だから、純利益が10%と
しても初年度から赤字転落は必死だと推測される。英米流
資本主義(自己責任重視)でいけば30年後に更地にした時
点て企業体は整理解散されることになる。事故の処理目途
が立った時点で、福島第一原発だけ公的企業体として切り
離さなければならないと思われる。



【地震予知】

 04月14日(木)11:03(ロイター)
地震予知は「不可能」、国民は想定外の準備を=東大教授

東京大学のロバート・ゲラー教授(地震学)は、現代の科
学技術では地震の予知は不可能であるとし、日本政府は国
民に対し予測不可能な事態に備えるよう呼び掛けるべきだ
と強調した。ゲラー教授は、地震学者が現在使用している
予知器などは、差し迫った地震を予知するには不十分だと
指摘。「理論的には一両日中に地震が起きると予知しよう
としているが、私の考えではこのシステムは科学的に完全
ではなく、中止されるべきだ」とし「(地震の予知は)無
益な努力だ。不可能なことを可能であると見せかける必要
はない」と切り捨てた。
  

3月26日(土)07:56(静岡新聞)
東日本大震災、東海地震への影響は 静大教授ら解析

東日本大震災を起こしたマグニチュードM9.0の地震で、東
海地震の想定震源域にかかる力が、より滑りやすくなる方
向に増えたことが25日までに、静岡大理学部の里村幹夫教
授(固体地球物理学)と生田領野助教(地震学)の解析で
分かった。里村教授は「単純には言えないが、東海地震の
発生がわずかに早まった可能性がある」と話している。

気象庁気象研究所の地殻変動解析支援ソフトを使って解析
した。解析によると、宮城県沖で起きたM9.0の巨大地震の
影響で、東海地震の想定震源域を滑らせようとする方向に
働く力(地震を起こそうとする力)が最大で0.03メガパス
カル増えていることが分かった。

これは海溝型地震が起こる時に放出される力の1%に相当
する。東南海地震についても解析したところ、同じように
震源断層を滑らせる方向の力が0.01〜0.03メガパスカル増
えていた。里村教授は「0.03メガパスカルは海溝型地震の
発生間隔を百年と仮定すれば1年分、二百年と仮定すれば
2年分に相当する」と説明する。その上で「常に明日起き
ても不思議ではないという意識で備えておくことが大切

と訴えている。

同様の解析を行った京都大防災研究所地震予知研究センタ
ーの遠田晋次准教授(地震地質学)の結果も、東海地震を
起こす方向に働く力が0.01〜0.02メガパスカル増えたこと
を示していた。遠田准教授は「発生可能性が若干高まった
程度と考えていいが、実際の地震の発生過程は複雑で、さ
らに早まる可能性もある」と話した。




予知手法 手法項目 概説備考

地震学
測地学     

応力変化・地盤変位 前兆すべりを検知
前震観測  
断層調査 トレンチ調査や航空写真解析=断層活動履歴
歴史的観点・周期性 地震の目
それ以外の方法                電磁力学的手法
赤外線
地電流法
VAN法
ULF法(VAN法の交流版)
中波帯域(1kHz)
超短波・極超短波
電離層の状態
地中水脈に含まれるラドン放射
物質の化学的組成の変化  
自然現象・体感の非定量的現象変化 宏観異常現象
トリガー推定 応力変化のトリガー予測


わたし(たち)はロバート・ゲラー教授のような「歴史的
観点・周期性」だけの
敗北主義的な?見解には立たない。
勿論、災害方策のバランスは必要で否定するどころか予知
見通しが立たないのなら積極的に退避行動の信頼性を高め
るべきだろう。地球科学技術の発展を信じるのなら、いず
れ、気象庁のアメダス並に予知できると信じている。それ
ではどうやって実現するのだと問われれば、ずぶの素人で
も電磁力学的手法に傾斜しそうだが、各手法から導かれる
結果の複合的乃至は複雑系の数理解析も大切に思える。
このことはまた改めて考えてみる。




WMD world map.svg

【環境倫理】

福知山線脱線、日航機墜落事故、東海村核燃料加工施設臨
界事故のように直接的な死亡者が発生しなくて、それでい
て、国際原子力事象尺度のレベル7(最悪レベル)がいま
も進行している福島第一原子力発電所炉心溶融・水素爆発
事故に奇妙な感覚を持って経験している。その意味におい
て‘首の皮一枚 ’で辛うじて、大量死者発生事故と異なっ
て折り、書きかけるときりがないからやめておくが、あら
ゆる面で‘歴史的転換点’と千年に一度の大地震(より長
期的にみれば、これから地殻活動の活性期の入口)の上に
乗っかった未曾有の出来事なのかもしれない。

環境倫理的側面から考えると、1つはこのブログ(『中性
子制御と防災環境システム
』)でも書いたが、2009年に行
われた経済産業省の審議会で、想像を超える自然災害が起
きる可能性についての警告の取り扱いの間違いは(意図的
かどうかは今後明確にされていくものと思うが)、倫理的
逸脱は拭えない。そうでなければ‘起こしてはいけない工
学’としての‘核エネルギー操作’は封印するしかない。
もう1つは‘情報の非対称性’或いは‘情報操作’という
‘差別、抑圧、背信、格差’などにかかわる問題であり、
『デジタル革命』がもたらし高度情報通信技術社会、ビル・
ゲイツばりに言えば‘デジタル民主主義の進展により災害
拡大抑制として有効に働いていることもありこの程度に収
まっている-その問題を考える必要がある。

そして、3つめは地球環境を破壊する可能性があるわたし
たち‘人類の飽くなき欲望’の制御にかかわるエネルギー
政策の有り様、資源争奪戦争と持続可能な国際社会の構築
にかかわる倫理形成過程の問題が横たわっているのだ。そ
して、原子力発電技術がすべてという推進側の‘権力’の
有り様がいま改めて問われている。‘All or Nothing’  から
One of Them’への転換であり、地震立国が取るべき現実
的なエネルギー政策の権力的な姑息な議論でなくて、オー
プンかつ透明性をもった国民的議論が希求られているとい
うわけだ。そして、それに関わるわたしたちの‘良心’が
環境倫理として問われているわけだ。そういうことが1か
月経過して了解できたのではないだろうか。

                                   

コメント
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