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【でも、ミュータントになりたくはないよね】
昨夜からナーバスな気持ちにある。六カ所村再処理工場のこ
とを調べていたら。このブログを書くのも止めようかなと思
いながら何とか書いている。関連記事を検索していたら頭に
「ヨウ素129」がこびり付く。そして映画『トータルリコール
』に登場するミュータンを思い出した。確かに、人類史は‘
種の起源’のように生活環境により自然淘汰されてきたのだ
し、そのなかには宇宙の核エネルギーによる突然変異により
影響を受け継いできたのだし、初期種からみればわたしたち
みたいな現代人類を見て変てこりんな‘ミュータント’と思
うに違いない。しかし、改めて「この災害を契機として人工
的な放射性物に汚染された環境のもとでミュータンなろうと
もこの道を突き進むのだろうか」と問われても誰も納得しな
いだろうし、そんなことを設問すること自体変人扱いされる
かもしれないと、そんなことも考えていた。
僕のいまの考えを極端に単純化していえば、銀河系の中
にある太陽系、その第三惑星である地球にいる。人間の
寿命は、いまに銀河系の消滅と同じくらいまで行くぞ、
と思っています。銀河系の星が永続的に近く輝くのに対
し、地球上にいる我々はどう頑張ったって、百歳足らず
で一生を終えることになっている。この二つの時間には
大変な隔たりがあるけれど、いまに見てろって僕は思う
んですよ(笑)。何億年後のことになるかわかりません
けど、その頃の人間は、宇宙の中の星と同じぐらい生き
るようになるだろう。これは論理的に考えて、そう言え
るんです。
そのことを自覚させてくれたのは宮沢賢治です。あの人
は、自分は陸中・花巻の住人だ、というローカルな意識
が強かった。その一方で自分はたまたま花巻に生まれた
けれど、この銀河系の住人であるとも考えていた。そう
いうときの宮沢さんは宗教家なんですよ。最後には自分
は詩人じゃない、インドへ行って布教してくると言い放
った。そういう言い方をするときの彼は、この銀河系が
ある限り、自分も生きるはずだと考えていた。
宮沢賢治は、ただの文学者じゃありません。僕の言葉で
いえば、「科学的文学者」です。あの人の詩のいちばん
の特徴は、速いということなんですよ。雑誌などに詩を
書くときも、普通の詩人が考えるより、はるかに速く詩
を書く。時間的にも速いし、空間的にも速い。詩の評論
家は、それは天才的な才能があったからだというけど、
そんな馬鹿なことはない。彼は人一倍、速く書けるよう
に自ら修練をしたんです。
ごろんと寝転んで、役にも立たないことを、とりとめも
なく考えています。それは非常に抽象的なレベルで考え
ます。もう何年も考え続けていますから、自分なりの構
想があります。ただ、いちばんの本音は誰にも言いませ
ん。いま俺はこういうふうに困っている、どういう対策
がいちばんいいですか、と普通の人に聞かれれば答えま
すよ。お前が政治指導者をやれと言われれば、これを真
っ先にやる、という自分なりの考えもあります。けれど
もそれは別に自分から言うべきことではないし、お前の
言うことを役に立ててやるという奇特なやつもいないか
ら沈黙しています。
吉本隆明「kotoba:コトバ」2011年春季号
『面倒くさいから寝転んでいますが、政治指導者
になれと言われたら実現させたい考えはあります』
宮沢賢治を通して、吉本隆明がいわんとすることはこの文書
を読めば少しはわかるはずだ。それでも自分の意志とは別の
大きな環境変化によりそうならざるを得ないとしたらこんな
表現にならないのではないか。そのところは直接、吉本隆明
に聴くしかないのだろう。
突然変異は生物学の用語で、単に変異とも言う。ある集団の
大多数の形質と異なる形質を持つようになること。DNAある
いはRNA上の塩基配列に物理的変化が生じることを遺伝子突
然変異といい、染色体の数や構造に変化が生じることを染色
体突然変異という。突然変異の結果遺伝情報にも変化が表れ
る。このような変異の結果、表現型に変異が生じた細胞また
は個体を突然変異体(ミュータント, mutant)と呼び、変異
を起こす物理的・化学的な要因を変異原という。英語やドイ
ツ語ではmutationと呼び、この語は「変化」を意味するラテ
ン語に由来する。個体レベルでは発ガンや機能不全などの原
因となり、長い目で見ると進化の原動力ともなっている。多
細胞生物の場合は、変異が進化の原動力となるのは生殖細胞
に起こり子孫に伝えられた場合に限られる。なお、単に変異
という場合、狭義では何らかの方法で検出可能な対立遺伝子
間の違いを指す(Wikipedia)。
『トータル・リコール』(原題: Total Recall)は、1990年
の米国映画。フィリップ・K・ディックの短編小説『追憶売り
ます』(We Can Remember It for You Wholesale)を映画化
したSF映画。アカデミー賞では視覚効果賞および特別業績賞
(視覚効果)を受賞。音響効果賞、録音賞にもノミネートさ
れた。映画のラストシーン-反乱分子に共感していたクエイ
ドは装置から脱出し、銃撃戦の末、リクターとコーヘイゲン
を倒し、リアクターを作動させる。火星は酸素に包まれ、火
星の民衆は圧制から解放された。クエイドは「これも夢かも
しれない」と思いつつも、メリーナとキスをするが、映画お
よびDVD版は上のシーンで終了するが、日本語吹き替えVHSビ
デオ版では日本語版スタッフの手で「全ては夢(装置による
記憶)だった」というカットが加えられる。ピアズ・アンソ
ニイによるノベライズでは、キスの前に「リコール社が提供
した夢である」ことを明示するセリフがある。DVDの音声解説
によると、これは破棄された設定ではなく、ホワイトアウト
による映画のラストシーンは「夢であった」という事を示唆
している。「夢なのか現実なのか、作品内では明確な答えを
出さず、受け手側の想像に委ねる」という形は、映画スタッ
フの狙いでもある。バーホーベンは明確に「夢であった」と
している。
ところで、主演のシュワルツェネッガーが2003年にカリフォ
ルニア州知事選挙出馬を決めたのは、当時の州知事であるグ
レイ・デイヴィス(Gray Davis)がリコールされたことが直
接のきっかけであったが、それを報じた現地のタブロイド紙
の見出しは "Total Recall" であったといわれている。また、
日本公開直前に小学館の学習雑誌「小学六年生」にダイジェ
スト版としてコミカライズされている。主に登場するのはク
エイド、メリーナ、コーヘイゲンで、リコール社やローリー
などは登場しない。クワトーもセリフはあるが姿は影に包ま
れたものとなっている。エンディング以外の全編を駆け足で
書いた作品になっている。
【母なる海の慈愛限界】
日本全国の原子力発電所で燃やされた使用済み核燃料を集め
、その中から核燃料のウランとプルトニウムを取り出す再処
理工場である。最大処理能力はウラン800トン/年、使用済燃
料貯蔵容量はウラン3,000トン。2010年の本格稼動を予定して、
現在はアクティブ試験という試運転を行っている。試運転の
終了は当初2009年2月を予定していた。しかし、相次ぐトラブ
ルのため終了は2010年10月まで延期されることが発表されて
いたが、2010年9月になってから、さらに完成まで2年延期さ
れることが発表された。完成までの延期はこれまでに18回に
も及ぶ。これら延期のため、当初発表されていた建設費用は
7600億円だったものが、2011年2月現在で2兆1930億円と約2.8
倍以上にも膨らんでいる。
【大気放出量の許容量】
茨城県東海村に日本原子力研究開発機構が所有する再処理工
場(東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所 最大
処理能力:ウラン210トン/年)を置換する施設とされ、青森
県六ヶ所村の敷地内にはウラン濃縮工場、低レベル放射性廃
棄物埋設センター、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター
が併設して建設されている。今後 MOX燃料工場の建設も予定
されており、核燃料サイクルのための核燃料コンビナートを
形成する。この施設は核燃料サイクル事業で先行するフラン
スから技術協力を受けており、現在でもフランス人技術者が
複数名、本施設で働いている。
※六ヶ所再処理工場海洋汚染―海藻類による被ばくの再評価
中でも半減期が1500万年のヨウ素129のリスクと食物連鎖被
害だ。これが脳腫瘍のようにこびりついた。勿論、その他の
人工放射性物質もそうなんだけれど、北欧では英国とフラン
スの海洋汚染が国際問題となっているという。外では連日、
選挙候補の名前をアホみたいに連呼している。日本は「トー
タルリコール」の季節だというのに。
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