極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ロンゲストでダウンサイズな時代

2012年02月07日 | 政策論

 

【雪庇と超撥水】

無落雪屋根と太陽光パネルの融合(『第二次家屋革命』)を思い立ってその話を元
宮世話の仲間にすると否定的な答え。その1つは屋根が小さい、2つめは陸屋根の
構造のコストが高いというもの。2つめは建築構造の専門家の知恵を集め普及政策
を改めれば良いことだ。前者は「兎小屋に住む日本人」とかって欧米からの文化批
判として日本をこう揶揄され農本主義や土地本位制の陰翳深いのだが、このブログ
でも住宅面積の拡張を定めた建築基準法の提言も行ってきた。もし、面積が拡張で
きなければ「レンタル」という手もあることはイタリアなどの例もあり取り敢えず
は対応できるものと考える。ところで、降雪に対する除雪する部分は建屋には多く
雪庇形成し落雪しこれが事故につながる恐れがあるのだが、融雪で対応することが
可能が、その方法ではなく、超撥水コーティングで対応できないものかと考えてみ
た。



また、昆虫の体表面や植物体表面は、生育に付随する器官成長で、極めて凹凸の多

い面を得ているものがある。例えば蚊の目は超撥水性をもつことが知られている。
植物体の地上部は、専ら表面にクチクラ(=キューティクル;ワックス層)が存在
し、水を撥水するとともに、植物体からの蒸散を抑制しているが、特に表面形状が
特殊で高い撥水性能を発揮しているものもある。例えばハスやサトイモである。こ
れらはロータス効果とよばれ、自然界における超撥水性の発現例として著名である。
他には、バラの花弁は超撥水性を持つとともに、撥水した水滴を保持する性質があ
ることも知られている。



2009年9月、デューク大学の材料科学者Chuan-Hua Chenは、ハスの葉の上に水分を
結露させたものを、電器店『RadioShack』で買った20ドルのスピーカーのウーファ
ー部分に載せて固定し、約100ヘルツの周波数で葉を振動させ、その様子を超高速
カメラで撮影し、水滴が「自動的に」ジャンプして表面から離れ、自然環境にある
ときと同じように葉は水をはじいてみせその映像を公開した。つまり、超撥水処理
表面に振動を与え、傾斜落下機構があれば、加熱しなくても、自動排水若しくは除
雪できる可能性があるというわけだ。勿論、雪の結晶表面エネルギーがどんなもの
であるか解析しておく必要があるが。
 

そこで、超撥水処理する方法はいろいろあるが、特殊な処理を要することなく、耐
摩擦性に優れた撥水性コーティング膜を形成することが可能な撥水性コーティング
膜をつくる方法をとして、撥水性コーティング膜の製造方法は、平均粒子径が15~
500μmの微粒子と、樹脂組成物と、溶媒とを含有し、微粒子と樹脂組成物の不揮発
分との質量比が25:75~70:30である第一の組成物を基材を一方の面上に塗布して
耐摩擦性下地膜を形成する工程と、平均粒子径が5~500nmあり疎水性である微粒子
と、樹脂組成物と、溶媒とを含有し、微粒子と樹脂組成物の不揮発分との質量比が
15:85~99:1である第二の組成物を耐摩擦性下地膜の基材と反対側の面上に塗布し
た後に乾燥させて超撥水性仕上げ膜を形成する第二の工程でつくることが提案され
ている(特開2012-2028「撥水性コーティング膜、その製造方法及びそれを備えた
機能性材料」、日華化学)。

 

つまるところ、粒子径が特定範囲の大粒子径微粒子を用いて凹凸構造を有する耐摩
擦性の下地膜を形成した後に粒子径が特定範囲の疎水性の小粒子径微粒子を用いて
さらに微細な凹凸構造を有する超撥水性の仕上げ膜を形成することによって、特殊
な処理を要することなく耐摩擦性に優れた撥水性コーティング膜が得られるように
なるという理屈だ。このように、わずか厚味の部材を建物や建材物表面を覆うこと
で様々機能を発揮させることができる、つまりは「ロンゲストでダウンサイズな時
代」にわたしたちは立ち会っているということに他ならない。

コメント
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