goo blog サービス終了のお知らせ 

極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

早朝のトマト事変

2012年02月19日 | 時事書評

 

 



【再び北斎場に走る】

三週間を開けず(「ヘーリオスの究極美(Ⅰ)」)、こんどは義兄の家族葬の同行に彼女を
同伴し朝から走る。生憎の雪模様のため、スノータイヤを装備した軽四に乗り込み高速道路
を下ることにした。軽四での高速道路を走るのは30年ぶり。そこに降雪と時折の突風の中
というので緊張して運転。それでも、不思議なもので往復の後の達成感はチッとした充実感
の余韻を楽しむことができた。斎場は、伯母と同じ北斎場で食事は玉泉院でとった。義兄は
三年三ヶ月、意識はあるもののほぼ植物人間状態のため家族は涙も枯れ果てた中の葬儀だっ
た。年回りとはいえ、立て続けの告別を経験しているわけで、いま続けている作業も普段と
は異なり、テンションの上下があり乱れている。つまり、時折やる気が失せるという情況が
続いている。

 

淡路島 かよふ千鳥の なく声に いく夜ね覚めぬ 須磨の関守




【最新トマト事情】

2月10日、京都大学農学研究科の河田照雄教授のチームが「トマトから脂肪肝、血中中性脂
肪改善に有効な健康成分を発見、効果を肥満マウスで確認」したと発表したことで「トマト、
メタボ予防に効果」と言い切り型の見出しで煽ったことで一気にネットで話題沸騰したとい
う。同時にテレビの情報番組などで紹介されたことでトマトジュースやトマトが品薄状態に
なり、その状態の店頭が新聞やテレビで報道され、また品薄にという状態にあるす。ところ
で、当の河田照雄教授は会見で「脂肪をドーッと燃やしてくれるものではない」「スリムに
なることを期待してもらっては困る」と念を押すが「人間の場合、毎食コップ1杯(約200ミ
リリットル)のトマトジュースを飲むことで同様の効果が得られる」との記事も紹介されて
いる。

トマトとの日本人の関係の歴史は深くない。ヨーロッパへは、1519年にメキシコへ上陸した
エルナン・コルテスがその種を持ち帰ったのが始まりであるとされていて、当時トマトは有
毒植物のベラドンナに似ていたため、毒であると信じる人も多く最初は観賞用とされたが、
イタリアの貧困層で食用にしようと考える人が現れ、200年にも及ぶ開発を経て現在のかた
ちとなったとか。これがヨーロッパへと広まり、一般的に食用となったのは18世紀。北アメ
リカではその後もしばらくは食用としては認知されなかった。1820年、ニュージャージー州
のロバート・ギボン・ジョンソンは、町の裁判所前の階段でトマトを食べて人々に毒がない
ことを証明したとされる。1793年当時アメリカは輸入の際、果物には関税がかからず、野菜
には関税が課せられていたので、トマトの輸入業者は、税金がかからないようにと「果物」
と主張。これに対して農務省の役人は「野菜」だと言い張った。両者は一歩も譲らず、さら
に果物派には植物学者も加わり、論争はエスカレート。1893年に米国最高裁判所の判決で「
野菜」とされた。日本へは江戸時代の寛文年間頃に長崎へ伝わったのが最初とされる。青臭
く、また真っ赤な色が敬遠され、当時は観賞用で「唐柿」と呼ばれていた。中国では、現
在も「西紅柿」(xihongshi)と呼んでいる。日本で食用として利用されるようになったの
は明治以降で、に日本人の味覚にあった品種の育成が盛んになったのは昭和に入ってからと
いう。

京都大学大学院河田照雄教授らの研究で発見された、13-オキソ-9,11-オクタデカジエン酸
は、人間量に換算すると、毎食時にトマト2個もしくはコップ一杯分(200mL)のトマトジュー
スを摂取することにより効果が得られるという。この効果はマスコミによってこぞって取り
上げられ、トマトやその加工品が日本全国で品薄状態となった(食品健康依存志向かぶれ症
?→フードファディズム)。 発表論文によれば13-oxo-ODAはエネルギー代謝を調節する転写
因子PPARαを活性化し、この作用は前駆体である9-oxo-ODAや共役リノール酸 (CLA) より強
い。このため、著者らは13-oxo-ODAが強力なPPARαアゴニストであり、肥満による脂質異常
症や脂肪肝を改善する可能性を示唆している。

これまではトマトのカロテンやリコペン(リコピン)などの抗酸化成分の健康機能性は知ら
れていたが、河田照雄 京大農学研究科教授(生理化学研究ユニット兼任)、金英一 同研究
員らの研究グループは、柴田大輔 財団法人かずさDNA研究所部長(生存圏研究所客員教授)、
日本デルモンテ株式会社、千葉県農林総合研究センターとの共同研究で、脂肪肝や高中性脂
肪血症などの脂質代謝異常の改善に有効な新規成分13-oxo-9,11-octadecadienoic acid (13
-oxo-ODA) をトマトから見出し、肥満マウスにおいて顕著な改善効果が得られることを確認
したという。

フードファディズムは健康志向の流行病だが、あの土地本位制バブルの後遺症の大きさから
みれば微々たるものだろうが、ここは熟っくりとその効果を見るのが一番。かのカール・マ
ルクスも「無知が栄えたためしなし」と言っているではないか。効果が確認されれば、世界
の幸福に役に立てたらいい話なのだろう。ところで、最近は「ビールのトマト割り」(レッ
ド・アイ)をトンとやめているが復活させてみようと付和雷同しようとしている自分がここ
にいる。




 Pappa col pomodoro

 

【イタリア版食いしん坊万歳:トマト入りパッパ】

具材:固くなったパン400g、トマト・ピューレ1.2kg、ブイョン1.5L、オリーブ油120cc、ニ
ンニク、バジリニコ、塩、コショウ、(タマネギ)

作り方:ブイヨン1.5Lを鍋に入れ、裏ごししたトマトの果肉、軽く火を通した薄切りのパン
とオリーブ油を加える。この時、トマトは、みじん切りにして少量のオリーブ油で軽く炒め、
裏ごしすると、いっそうおいしくなる。かき混ぜながら、塩、コショウで調味し、ニンニク
のかけらを数個とバジリコの葉を数枚入れる(ニンニクとバジリコはあとで取り出す)。煮
続けて、汁が濃くなり、とろりとしてきたらパッパのできあがりで、オリーブ油を少し加え
て、スープ皿にあけ食卓に供する。トマト入りのバッパは、熱くて仏冷めて仏あるいは温め
直して仏おいしく食べられる良さがある。違った作り方として、タマネギ、ニンニク、バジ
リコ、みじん切りに、したトマトをオリーブ油で軽く炒め、そこにパンとブイヨンまたは水
を入れる方法がある。

さて、きょうは、予定を変更してトマトづくしとなったが、時が流れるのは早いとまた、深い
ため
息で夜を迎える。 もう一仕事して寝るとしようか。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする