『鹿肉カレーと全方位映像時代』の具体化が始まっている。この程、フランスの会社の「360cam」は、
防水カメラを販売した。3つの魚眼レンズを搭載し、水平360度、垂直300度の撮影が可能にして、ほ
ぼ全天球に近い撮影できるカメラを世界初で開発販売。解像度について、写真が4096×2048、動画が
2048×1024となっている。専用アプリをダウンロードしてWi-Fiに接続すれば、ビデオのストリーミン
グも可能になる。現在のものはHDだが、4Kにグレードアップも可能だろう。勿論、防犯カメラに
応用可能。CMビデオを観る。これは凄い!
●グーグル操縦不用カーを公開
先日、米Googleは、最新版の自動運転カーを披露した。2人乗りタイプとなり、ダッシュボードにス
テアリングホイールやブレーキやアクセルペダルなどを取り外し、上には周囲360度をチェックするセ
ンサーを搭載されている。安全のため、最高時速は25キロまでに制限されているとのこと。まさに、
イレージング!内燃機関からモーターへ! 有人運転から無人運転へ! "ビバ!デジタル革命渦論”
● 土の中でビールを冷やす?!
土に埋めてビールを冷やしてくれるアイデア装置。ハンドル部分を回すと、土の中で冷やされていた
ビール缶が、地上まで上がってくる。1度に最大24個まで冷やすことができて、電気を必要としないの
で、地球に優しいとか。
【超々臨界火力発電とは】
三井物産は4日、マレーシア政府百%出資のファンドと共同事業会社を設立し、マレーシアで超々臨
界石炭火力発電所を建設・運営すると発表(総事業費は約33億ドル)。マレー半島のヌグリスンビ
ラン州ジマ地区に出力2千メガワットの発電所を建設し、2018年11月に1号機、2019年5月に2号機
の商業運転を開始する予定。電力は25年契約でマレーシア国営電力に供給する。設計・調達・建設はI
HI、東芝、韓国の現代エンジニアリングと現代建設からなるコンソーシアムが担当。日本製機器を
活用した高い発電効率の最新鋭の超々臨界圧発電技術の導入。
しかし、これだけではさっぱり分からないということでネット検索を行う。この背景には、1970年代
のオイルショック以降に大型石炭火力が建設されてきたが、耐用年数に伴う更新や大幅な改修の時期
あるが、この対策として先進超々臨界圧火力発電(以下「A-USC」)が研究開発されてきたといのだ。
その特徴は、(1)現在最新の石炭火力よりも二酸化排出量の10~15%削減が期待できる。(2)従来
630℃程度が限界といわれていた蒸気温度を700℃まで向上、これにより、主蒸気圧力35MPa、主蒸気温
度700℃、再熱蒸気温度720℃/720℃の二段再熱蒸気条件のA-USCプラントでは、46%以上の送電端効率
が期待できるというもの。ここでも日本がトップランナーに位置するという。
これに対して、(1) 700℃以上の蒸気に耐えられる材料の開発、(2)信頼性、経済性を同時に達成
するためのシステムと構造上の工夫が課題であったが
妻の不貞を見て女性不信となったシャフリヤール王が、国の若い女性と一夜を過ごしては殺してい
たのを止めさせる為、大臣の娘シャハラザード(シェヘラザード、شهرزاد)が自ら王の元に嫁ぐ。
そしてシャハラザードは千夜に渡って毎夜王に話をしては気を紛らわさせ、終に殺すのを止めさせ
たという物語が主軸となっている。話が佳境に入った所で「続きはまた明日」とシャハラザードが
打ち切る為、王は次の話が聞きたくて別の女性に伽をさせるのを思い留まり、それが千夜続いたと
いうが、この大臣の娘シャハラザード(シェエラザード)と名付けたのか分からずじまいに、イン
トロ部分を読み進めることとなる。
羽原と一度性交するたびに、彼女はひとつ興味深い、不思議な話を聞かせてくれた。『千夜
一夜物語』の王妃シェエラザードと同じように。もちろんお話とは違って、夜が明けたら彼女
の首を刎ねようというようなつもりは羽原には毛頭ない(だいたい彼女が朝まで彼の隣にいた
ことは一度もなかった)。彼女はただ白分かそうしたいから、羽原のために話をしてくれたの
だ。ずっと一人で家にこもっていなくてはならない羽原を慰めるつもりもあったのだろう。し
かしそれだけではなく、というかおそらくはそれ以上に、ベッドの中で男性と親密に話をする
行為そのものが彼女は好きだったのだろう――とりわけ性行為を終えたあとの二人きりの気怠
い時間に―――と羽原は推測した。
羽原はその女をシェエラザードと名付けた。彼女の前ではその名前は口にしなかったが、毎
日つけている小さな日誌には、彼女がやってきた日には、「シェエラザード」とボールペンで
メモしておいた。そしてその日彼女が語ってくれた話の内容も簡単に―――あとで誰かに読ま
れても意味がわからない程度に―――記録しておいた。
彼女の語る話が実際にあったことなのか、まったくの創作なのか、それとも部分的に事実で
部分的に作り話なのか、羽原にはわからない。その違いを見分けることは不可能だった。そこ
では現実と推測、観察と夢想が分かちがたく入り乱れているらしかった。だから羽原はその真
偽をいちいち気にかけることなく、ただ無心に彼女の話に耳を傾けることにした。本当であれ
嘘であれ、あるいはそのややこしい斑であれ、その違いが今の自分にどれはどの意味を持つと
いうのだ?
何はともあれ、シェエラザードは相手の心を惹きつける話術を心得ていた。どんな種類の話
であれ、彼女が話すとそれは特別な物語になった。口調や、間の取り方や、話の進め方、すべ
てが完璧だった。彼女は聴き手に興味を抱かせ、意地悪くじらせ、考えさせ推測させ、そのあ
とで聴き手の求めるものを的確に与えた。その心憎いまでの技巧は、たとえ一時的であるにせ
よ、聴き手にまわりの現実を忘れさせてくれた。しがみつくように残ったいやな記憶の断片を、
あるいはできれば忘れてしまいたい心配事を、濡れた雑巾で黒板を拭うようにきれいに消し去
ってくれた。それだけでもう十分ではないか、と羽原は思った。というか、それこそが何にも
増して今の羽原の求めていることだった。
シェエラザードは三十五歳、羽原より四歳年上で、基本的には専業主婦で(看護師の資格を
持ち、ときどき必要に応じて仕事に呼ばれるようだったが)、小学生の子供が二人いた。夫は
普通の会社に勤めている。家はここから車で二十分ほどのところにある。少なくともそれが彼
女が羽原に教えてくれた、自らについての情報の(ほとんど)すべてだった。それが偽りのな
い事実なのかどうか、もちろん羽原に確かめようはない。とはいえそれを疑わなくてはならな
い理由もとくに見当たらない。名前は教えてもらえなかった。私の名前なんてべつに知る必要
もないでしょう、とシェエラザードは言った。たしかにそのとおりだ。彼女は彼にとってはあ
くまで「シェエラザード」であり、それでとりあえず不便はなかった。 女も羽原の名前――
―もちろんそれを知っているはずだが-を呼んだことはない。それを目にすることが不吉で不
適切なおこないであるかのように、彼女は慎重に彼の名前を迂回した。
シェエラザードの外見は、どのようなひいき目で見ても、『千夜一夜物語』に出てくる美貌
の王妃とは似ても似つかなかった。彼女は身体のあちこちに(まるで隙間をパテで埋めるみた
いに)贅肉が付着し始めた地方都市在住の主婦で、見るところ中年の領域に着実に歩を進めつ
つあった。顎がいくぶん厚くなり、目の脇にはくたびれた皺が刻まれていた。髪型も服装も化
粧も、おざなりとまではいかずとも、さして感心できる代物ではない。顔立ち自体は決して悪
くはないのだが、そこには焦点のようなものが見当たらず、とりとめのない印象しか人に与え
なかった。通りですれ違っても、エレベーターで乗り合わせても、大方の人は彼女に目を留め
ないだろう。あるいは彼女も十年前は生き生きとした可愛い娘だったのかもしれない。何人か
の男たちは振り返って彼女を見たかもしれない。しかしもしそうであったとしても、そのよう
な日々はどこかの時点で既に幕を下ろしていた。そしてその幕がもう一度持ち上がる気配は、
今のところ見受けられなかった。
シェエラザードは週に二度のペースで「ハウス」を訪れた。曜日は決まっていないが、週末
にやってくることはなかった。おそらく週末は家族と過ごす必要があるのだろう。姿を見せる
一時間前に必ず電話がかかってきた。彼女は近所のスーパーマーケットで食品の買い物をし、
それを車に積んでやってきた。マツダの青い小型車だ。古いモデルで、リア・バンパーに目立
つへこみがあり、ホイールは汚れで真っ黒になっている。彼女は車を「ハウス」の駐車スペー
スに停め、ハッチバックの扉を開けて買い物袋を出し、両手にそれを抱えてドアベルを押した。
羽原は覗き穴から相手を確認し、ロックを解錠し、チェーン錠を外し、ドアを開けた。彼女は
そのまま台所に行って、持参した食品を仕分けして冷蔵庫にしまった。そして次に来るときの
買い物リストを作った。有能な主婦であるらしく、仕事はいかにも手際よく、動きに無駄がな
かった。用事を片付けている間はほとんど目をきかず、生真面目な顔を崩さなかった。
彼女がその作業を終えると、どちらが言い出すともなく、まるで目に見えない海流に運ばれ
るように、二人は自然に寝室へと移動した。シェエラザードはそこで無言のまま手早く着衣を
脱ぎ、羽原と一緒にベッドに入った。二人はほとんど口もきかずに抱き合い、まるで与えられ
た課題を協力してこなすように、一通りの手順を踏んで性交した。生理期間中であれば、彼女
は手を使ってその目的を果たした。その手際のよい、いくぶん事務的な手つきは、彼女が看護
師の資格を持っていることを彼に思い出させた。
村上春樹 著『シェエラザード』(MONKEY Vol.2)
この項つづく
「曾根崎・大阪北小学校ありがとう会」の出欠状が届いたので、竹馬の友にきみは出席しないかの
問い合わせの電話を入れたが繋がらず、ファックスもしてみたがその返事もなかった。何となくこ
ころがざわつき、落ち着きをなくしている。それで、来週の土日のどちらかに自宅まで車で行くこ
とにしたが、歯も痛いので気鬱な夜を過す。ここらで気持ちを切り替えないとね。