『暗殺者を撃て』
THE SELLOUT(1975年イスラエル、イギリス、イタリア)
監督:ピーター・コリンソン
脚本:マレー・スミス
ジャドソン・キンバーグ
出演:リチャード・ウィドマーク
オリヴァー・リード
ゲイル・ハニカット
サム・ワナメイカー
ヴラデク・シェイバル
オリー・リーヴァイ
■ストーリー■
CIAのシクルスとKGBのカシアン将軍は、両情報部に邪魔になったスパイたちを次々と消していた。今度の標的は2重スパイのガブリエル・リーだった。エルサレムに住むガブリエルの上司だった元CIAのサム・ルーカスをえさに、ガブリエルをおびき出すのだった。
サムは、今は現役を退き、かつてガブリエルの恋人のデボラと骨董屋を営み暮らしていた。CIAとKGBは殺し屋のダッチマンを使いガブリエルを殺そうとしていた。自国で殺しのゲームが行われることに不満を持つイスラエル国防省のベンジャミン少佐は、サムを通じてガブリエルを逃そうとするのだが・・・。
■感想■
ピーター・コリンソン監督の描くイスラエル、イギリス製のスパイ映画。
脚本はマレー・スミスとジャドソン・キンバーグ。
ストーリーは、まさに1970年代のイギリス製のエスピオナージュのストーリーなので、観終わったあとにイヤ~な気分に!イギリス、イスラエル製なので、ノーテンキな展開にはならないですよね。
ハデな銃撃シーンや、無意味なカーチェイスシーンまで用意して見せ場を用意しているのに、ラストはいつものイギリス映画のスパイ映画的ラスト!このラストなら、クライマックスのカーチェイスシーンは不要だった気もしちゃいます。
ハリウッド製の2000年代の作品だったら、万人受けするようにハッピーエンディングになるんでしょうけど、1970年代のイギリス映画ですから。関係者や一般人が死にまくり!
まるでスパイ小説を読むような面白さ!!
メインな登場人物も全員死んじゃう展開な上に、上司たちは生き残るという今のエンターテイメント映画ファンが観たらストレス溜まっちゃうような展開だから、リチャード・ウィドマークも最初から何もしなければ良かったという気も。
スパイ映画で、スーパーヒーローが活躍する作品も好きですけど、今作のようなイギリスのスパイ映画的な作品も好きです。
TVの地上波の映画劇場でも、DVD化されている作品ばかりじゃなく、こういう1970年代のエンターテイメント作品を放映して欲しいですね。
ゴールデンタイムでなくて良いですから、深夜とか日曜のお昼とかにこういう作品を放映して欲しいです。
確か、今作は、1990年代中盤に、TV東京の「午後のロードショー」で放映していました。1990年代までは、TV東京以外でも映画枠がけっこうありましたもんね。
地上波の映画枠なんて、今は数えるほどしかないですもんね。
こんなに映画枠が無くなるってわかっていたら、当時の映画劇場の作品をエアチェックしまくりだったのに。
ところで、今作はDVD化はもちろんのこと、ビデオバブル時代にVHSにもなっていないです。まぁ、ストーリーが地味な上に、後味の悪い作品ですからね。セールスを考えると厳しいかもしれないですね。
でも、今作のような作品がTV放映時の日本語吹替え音声つきでDVD化とかされるとウレシイんですけどね。