『シャドー・ダンサー』
SHADOW DANCER(2011年アイルランド、イギリス)
監督 ジェームズ・マーシュ
脚本 トム・ブラッドビー
原作 トム・ブラッドビー
出演 アンドレア・ライズブロー
クライヴ・オーウェン
ジリアン・アンダーソン
ブリッド・ブレナン
エイダン・ギレン
ドーナル・グリーソン
デヴィッド・ウィルモット
■ストーリー■
北アイルランド、ベルファストに住むコレットはIRAの闘士の兄弟ジュリーとコナーとともにIRAの闘士として活動していた。1993年のロンドンでの爆破未遂事件を起こすが、彼女をマークしていたMI5に捕らえられてしまうのだった。MI5のマックは、コレットを逮捕しない代わりに、IRAのケヴィンやジュリーの行動をスパイして報告することを求めるのだった。幼い子どもと過ごすためコレットは、しぶしぶ、マックの要求をのむのだが・・・。
■感想■
トム・ブラッドビーの「哀しみの密告者」(扶桑社ミステリー)の映画化。
原作者自ら脚本を書いています。
MI5によって、IRAのスパイ活動を行うことになった女性のドラマを描くサスペンス。
【ディナール英国映画祭】ゴールデンヒッチコック賞、観客賞
【エディンバラ国際映画祭】最優秀演技賞(ブリッド・ブレナン、アンドレア・ライズブロー)
【英国インディペンデント映画賞】最優秀女優賞(アンドレア・ライズブロー)
等々、映画祭で賞を受賞しています。
IRAとイギリスとの和平合意が結ばれる前のベルファストを舞台に、スパイ活動を行わざるを無くなった女性をサスペンスたっぷりに、ていねいに描いています。さすがイギリス、BBCが関わった映画です。
ジェラルド・シーモア原作「暗殺者のゲーム」を映像化した『ハリーズゲーム IRA潜入司令』(1982年)もアクション映画として、IRAとイギリスとの戦いを描いていましたけど、今作は、アクションシーンはなく、淡々と1人の女性をメインにドラマを描いています。
『ハリーズゲーム』も救いの無いラストでしたけど、主人公はエージェントでしたが、今作は主人公はごくごく普通っぽい女性だけに衝撃度は高いです。
ハデな銃撃戦もなく、アクション映画的な爆発シーンもないのに、手に汗握るサスペンス!
バカなお笑い番組を放映する時間があるなら、こういう良質な映画を地上波の映画枠で放送して欲しいですね。
密告者<シャドーダンサー?を守ろうとするMI5、コレットを守ろうとするマック、子どもとの生活を守ろうとするコレット。立場でそれぞれ正しいと思うコトをしようとしているのに、訪れる悲劇。
イギリス映画だし、原作もジャーナリスト出身だし、IRAを描いたテーマでもあるし、ハッピーエンドが待っているワケ無いですよね。いつものイギリス映画と思えばOKなラストが待っています。 65点
シャドー・ダンサー [DVD] | |
クライブ・オーウェン,アンドレア・ライズブロー,ジリアン・アンダーソン,エイダン・ギレン,ブリッド・ブレナン | |
東宝 |
原作は扶桑社ミステリー
哀しみの密告者 (扶桑社ミステリー) | |
Tom Bradby,野口 百合子 | |
扶桑社 |