『ヒプノティスト 催眠』
HYPNOTISOREN(2012年スウェーデン)
監督 ラッセル・ハルストレム
脚本 パオロ・ヴァシルカ
原作 ラーシュ・ケプレル
出演 トビアス・ジリアクス
レナ・オリン
ミカエル・バーシュブラント
オスカル・ベッタソン
■ストーリー■
ストックホルム郊外で一家惨殺事件が発生する。事件現場の近くにいた国家警察のヨーナ・リンナ警部は、捜査を始めるのだった。家族のうち重体であるものの何とか一命を取り留めた15歳の長男ヨセフから事件の手がかりを得ようと、催眠療法の第一人者だったものの、ある事件をきっかけに今は現場を遠ざかっているエリックに催眠を依頼する。しびしぶ引き受けたエリックの催眠療法で、今は家を離れ1人で住んでいたヨセフの姉エヴェリンが容疑者としてあがるのだが・・・。
■感想■
スウェーデンで2009年刊行され、大ベストセラーになったミステリー、ラーシュ・ケプレル「催眠」(ハヤカワミステリ文庫)の映画化。
良く言えば、丁寧でマジメな北欧ミステリー映画!
悪く言えば、日本の1980年代の2時間サスペンスの面白い作品を1000倍面白くした映画!
っていう感じの作品でした。
原作は、ヨーナ・リンナ警部を主人公にしたシリーズで、原作者はすでに8作目まで構想があるとか。
本国スウェーデンでは、原作が刊行されたら、次から次へと映画化されていくんでしょうねぇ。日本ではどこまで観れるんでしょうか??
シリーズ2作目の「契約」もすでに映画化で進んでいるようです。
ミステリー度は、けっこう低くて、ストーリーは、ミステリー映画好きなら、ある程度ストーリーが進むと先が読めてしまう感じですが、原作があるので、これは映画の脚本の責任では無いですね。
もう少しビックリできる驚きの展開が待っていると思ったんですが・・・。
でも、丁寧にしっかりと作っているので、中だるみもしないで、ランニングタイム117分楽しく観るコトはできます。
レナ・オリンが画家なので、睡眠薬をかがされて意識が朦朧する中で見た犯人の顔をスラスラと似顔絵を描けちゃうとか、主人公の刑事が記憶力がやたらと良いので、病院で見た犯人を覚えてるとか、細かいところまで練ってるので、B級ミステリー映画ににありがちな「あれ、なんで??」と思わせるようなシーンは一切ありません!!
家族惨殺の実行犯も、襲いに行ったものの、一緒にいた男性に反撃されると、間単にやられちゃうとかっていうのも、妙にリアルで良いですね。
でも、映画のクライマックスで、一刻も早くエリックの子どもを助けるためとはいえ、地元の警察の応援隊が来る前に、救出に向かう主人公って、どうなんでしょうね??
映画的にはヒロイックで良いでしょうけど、結局、追いつめた犯人に反撃されて、その場は逃げられて、バスを追うハメになっちゃうしね。エリックの子どもが助かったから良かったものの、ちょっと考えと行動が甘い気がしちゃいますけど、どうでしょう??
スウェーデン映画、北欧映画のエンターテイメント映画ファンは必見の作品であるのは確かです! 65点
ヒプノティスト―催眠― [DVD] | |
ミカエル・パーシュブラント,レナ・オリン,トビアス・シリアクス | |
TCエンタテインメント |
原作は上下2巻
催眠〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫) | |
ヘレンハルメ 美穂 | |
早川書房 |
催眠〈下〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫) | |
ヘレンハルメ 美穂 | |
早川書房 |