『パルス』
PULSE(2006年アメリカ)
監督 ジム・ソンゼロ
脚本 レイ・ライト
ウェス・クレイヴン
出演 クリステン・ベル
イアン・サマーハルダー
クリスティナ・ミリアン
■ストーリー■
大学生ジョッシュと連絡がつかなくなり、彼女のマティは部屋に尋ねるとジョッシュはマティが訪ねている最中に首を吊って自殺してしまうのだった。マティと友人たちは、ジョッシュの死に疑問を持ち始めるのだった。
□■□ネタバレあり!!□■□
■感想■
黒澤清監督、脚本の『回路』(2000年)のハリウッドリメイク作品。
低予算な感じ一杯なストーリーや演出で、いかにも日本映画だった『回路』を観終わったときに、最初に感じたことは「ハリウッドでリメイクしたら面白くなるだろうに!!」って思ったんですけど、本当にハリウッドでリメイクされちゃいました。
1990年代後半からブームになった「Jホラー」の先駆けとなった中田秀夫監督の『リング』(1998年)や「呪怨」シリーズがハリウッドリメイクされたんで、『回路』もハリウッドで大作としてリメイクされたら、すごく面白くなりそうなのに!!って思わず感じたんですよね~。
『リング』のリメイクなんかよりは断然面白くなりそう!!って思ってたんで期待しちゃいました。
それも脚本に『エルム街の悪夢』(1984年)、『スクリーム』(1996年)のウェス・クレイヴンが脚本を書いてるんで、「期待するな!」って言う方がムリなもんです。
でも、この『回路』のリメイクの企画は途中で立ち消えになったりしてたんで不安だったんですけど、なんとか完成して観ることが出来ました。
その上、2006年の作品だったのに、なかなか日本では公開されないんで、DVDスルーになっちゃうのかな??と思っていたら、2007年の年末に劇場公開されました。
観た人の評判では、かなりオカシなリメイク作になってるっていう話だったんで、
「えーっ、期待してたのに!!」
ってかなりショックを受けたんですけど・・・。
実際に観てみたら、「それなりに良く出来てた!!」っていうのが感想でした。
これくらいのリメイクになっていれば十分でしょう!!
オリジナル版の登場人物も大学生の加藤晴彦や小雪だったし、ティーン向けのホラー映画としてリメイクされても全然不思議なコトじゃないでしょう!!
オリジナル版だって、大学生が巻き込まれるティーンエイジャーホラーっぽいところがありますもんね。
かなり正当派なリメイクじゃないでしょうか??
自分的には、このリメイクは成功した作品に分類しちゃいます。
オリジナル版で意味不明だった、赤いガムテープも、リメイクの今作ではちゃんと説明されてるし、けっこう面白いと思っちゃいました。
オリジナル版で最後の方で突然出てきたジャンボジェット機の墜落シーンも、ちゃんと描かれていて、かなりオリジナル版に敬意を払ったリメイクになってると思うんですけどね。
不気味な幽霊が出てくる日本版をハリウッド的にリメイクしたら、今作のようになるんでしょうね。パソコンから出てきた、正体不明な怪物たちを倒すためにウィルスを利用しようとして倒そうとするあたり、いかにもハリウッド的ですよね。分かりやすくて面白くなってます!それにオリジナル版はランニングタイム118分と2時間近くあったのに、リメイク版は86分と、30分以上も短くなってます。
なんでもかんでも長くしようとする最近のハリウッドのメジャー作品ですけど、86分なんて、潔い長さになっています!!
やっぱりエンターテイメント作品は、90~100分くらいでないと!!
リメイク版の今作も、オリジナル版に負けないくらい終末観がかなり出ていたし、ホラー作品としても十分満足できる作品になってると思います。オリジナル版の方が、救いの無いラストですけど、ハリウッド版の今作のこのラストもけっこう好きです!
登場人物たちが全員、いや登場人物どころか世界中が滅亡してしまうようなラストより、多少なりとも希望を持たせるような今作のようなラストも良いですよね!!
このラストの展開は、ハリウッド映画的でちょっとイヤっていう映画ファンもいそうですけど、自分的にはOKです!『デモンズ』(1985年)みたいな感じでけっこう好きです!!これって、ちょっとほめすぎでしょうか?? 70点
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オリジナル版はこちら。
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ランベルト・バーヴァ監督、ダリオ・アルジェント脚本の傑作ホラー!
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