『地球が静止する日』
THE DAY THE EARTH STOOD STILL(2008年アメリカ)
監督 スコット・デリクソン
脚本 デビッド・スカルバ
原作 ハリー・ベイツ
出演 キアヌ・リーブス
ジェニファー・コネリー
キャシー・ベイツ
ジョン・クリーズ
ジョン・ハム
■ストーリー■
ある日、宇宙から秒速3万キロで地球に向かってくる物体が観測されるのだった。アメリカ合衆国では、宇宙から飛来する球体に対して緊急対策チームを組織するのだった。宇宙生物を研究する科学者ヘレンも、そのチームの一員に選ばれるのだった。
謎の球体は地球に激突するものと思われたが、アメリカはニューヨークのセントラルパーク上空で留まるのだった。そして、球体からは、人間に似た形の生命体と思われるものが降りてくるのだった。しかし、その生命体を警察が撃ってしまい、ケガをした生命体は、施設に収容されるのだった。生命体は、宇宙服を着ており、宇宙服を取った姿は人間そのものだった。宇宙人はクラトゥと名乗り地球の代表に会わせるように言うのだった。
□■□ネタバレあり!!□■□
■感想■
ロバート・ワイズ監督のSF映画の古典『地球の静止する日』(1951年)のリメイク。
冷戦時代で、核保有を止めることを訴えた前作から、リメイクの今作では、宇宙人が訴えてくるのは「環境」のことです!
テーマ的には現代的で良いですけど、核の脅威が無くなったわけでないですしね。
ただ「環境」って感じでも何か釈然としない感じが・・・。
地球の一大事っていうのに、アメリカは大統領も出てこないで、すべて国防長官にまかせっきりって、どういうコト??
アメリカ大統領は、他の国の大統領や首相、国家元首には、一切教えていないってコトですか??
他の国の代表が、今回の事件のこと知らないっていうのも、ちょっと疑問です!!
アメリカ大統領さえ知っていればOKってことなの??
これだけで、ストーリーが納得できません!!
納得できないといえば、キアヌ・リーブス演じる宇宙人クラトゥが、ジェニファー・コネリー母子の姿を見ただけで「人類は変われる」可能性を感じるところも、疑問!!
このラストってまるで、ハリウッドのエンターテイメント映画そのもの!!
「母子の愛情を感じて、人類が変われるかも!!」だなんて!!
まるで、これじゃ中学生向けのジュヴナイルSFです!!
SF映画の古典をリメイクするのに、こんなリメイクじゃ、マイナス500点!!って感じです!!
リチャード・マシスン原作「地球最後の男」を映画化した『SF地球最後の男』(1971年)をリメイクした『アイ・アム・レジェンド』(2007年)くらい、ひどいリメイクでした!!
こういうリメイクなら絶対に作って欲しくないです!!
まぁ、それでも、『アイ・アム・レジェンド』の評判が悪くて、原作とどう違うのかを知るために原作本を読んでみようって気にさせる。っていう意味では、あういうリメイクもありだとは思いますけどね。
同じような感じで、今作もオリジナル版を観てみようって気にさせるって意味でだけで、意味がありますけどね!!
地球を破壊するためのロボット、ゴートのデザインとか、良いところもあるだけに、ストーリーが弱いのが残念です!!
キアヌ・リーブス、ジェニファー・コネリー、ジョン・クリーズ、キャシー・ベイツといった超豪華な出演者や、素晴らしいVFXなのも残念さに輪をかけてます!!残念です!!
まぁ、監督が『ヘルレイザー ゲート・オブ・インフェルノ』(2000年)、『エミリー・ローズ』(2005年)のスコット・デリクソンだから、過度な期待しちゃいけなかったんですけどね!!10点
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原作の小説は、オリジナル版の映画版とも別物です。
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