(2007年日本)
監督 三池 崇史
脚本 NAKA雅MURA
三池 崇史
出演 伊藤 英明、桃井 かおり
佐藤 浩市、伊勢谷 友介
■ストーリー■
源平の壇ノ浦の戦いから数百年後、田舎の村「湯田」で、平家の財宝の埋蔵金をめぐり、平家の子孫のグループと源氏の子孫のグループの無法者たちが争っていた。そこへ、凄腕のガンマンがやってくるのだった。
■感想■
三池崇史監督の日本製西部劇。
マカロニウエスタンにオマージュを捧げたような作品になってます。
でも、三池監督には、こういうオマージュ的な作品でなく、無国籍な正統派マカロニウエスタンを撮って欲しかったような気がするんですけどね。
かつての日活のアクション映画に『紅の銃帯』(1961年)という作品がありましたけど、
「これってどこの国??」
っていう感じで主演の宍戸錠が、馬に乗ってライフル撃ちまくりの展開だったような気が!
まぁ、当時の日活の無国籍アクション映画って、どんな作品でも普通に拳銃撃ちまくりでしたけど、この『紅の銃帯』は確かコスチュームまで西部劇でした。
同じく、宍戸錠主演の『ノサップの銃』(1961年)っていう作品もありました。
こっちは普通のカッコだったような気が。
このころの日活のアクション映画って、トラックや自動車に混じって平気で馬車がでてきたり、拳銃やライフルで撃ちあったりしてたりして、本当に時代も国も分からないような作品がいくつもありました。そのくせ、突然、警察が出てきたりして、「やっぱり日本だったんだ!」みたいな作品があったんで、今作も、そういう感じで正統派マカロニウエスタンとして作った方が自分的には楽しめたかも。
それでも、時代設定とかは難しいですけどね。拳銃で撃ちあうスキヤキ・ウエスタンじゃなくて、刀で斬りあうマカロニチャンバラでも良かったかも。
もともと『荒野の用心棒』(1964年)の元ネタは時代劇なんだし。
五社英雄監督の『三匹の侍』(1964年)とかってかなりマカロニ的な作品って思いませんか??けっこう好きなんですよね!時代劇と西部劇って似てる気がするんですけどね。どうせだったら、血みどろの時代劇が観たかった気がします。
でも、今作の最大の「売り」って日本人が英語でセリフを言って、拳銃で撃ちあう西部劇ってことなんですよね!
自分は、西部劇も好きですけど、時代劇も好きなんで三池監督には、三隅研次監督の『子連れ狼死に風に向かう乳母車』(1972年)みたいな作品を作って欲しいですね。
『子連れ狼死に風に向かう乳母車』って、クライマックスなんて、まさにマカロニウエスタンですもんね!
あと、自分は、どうもこういう作品で笑いのシーンがあるのってあんまり好きじゃないんですよね。石橋貴明のシーンとかって、“笑いを取るためだけ”のシーンみたいであんまり好きじゃないです。
あと、もう1つ!オープニングのクレジット出るところで、テーマ音楽が流れるのかな??って思っていたらそうじゃなかったんでちょっとガッカリでした。
あそこは伊藤英明に棺おけを引きづらせながら歩いてきて欲しかったですけどね。
今作って、爆発シーンやら、馬の数とか、メジャーな俳優を使ったりしてかなり制作費がかかってますよね!超豪華なカレーライスって雰囲気ですかね??
でも、なんだかんだ言っても、熱狂的なマカロニウエスタンのファンの方にはすごく面白いのかも?? 45点
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