江戸象牙根付が入荷しました。東京伝統工芸士認定第一号の桜井広晴氏の手によるもので彫が素晴らしい。12個あったので一つづつオークション出品することにしました。
この
三猿象牙根付は1匹の猿が自らの手足で隠しています。
三猿とは、3匹の猿が両手でそれぞれ目・耳・口を隠している像ですので、桜井氏独自の発想によるものなのか調べていました。
ウキペディアによれば、
「見ざる、言わざる、聞かざる」は全て「ざる」で終わることから、これを「猿」にかけこの教えを表す像として三猿像が作られました。
中国語の「不見不聞不言」を訳したもので、8世紀頃天台宗の教えとして伝来したそうです。
世界の三猿のページは非常に興味深かい。
庚申信仰からして、中国伝来の日本独自のもののような気がしていましたが、三猿はヨーロッパやアフリカなど世界中にあるらしい。
英語では
Three wise monkey : see no evil, hear no evil, speak no evil.
ヨーロッパでは、「見よ、聞け、言うな」という三猿が多いそうで、ラテン語のことわざ「もし平和な暮らしを欲するならば、聞け、見よ、黙れ」が原点だとか。
一つの言葉から派生して調べていくときりがなくて…
でもこうしたウンチクがあるのとないのでは、入札数や落札金額もずいぶん異なってきます。
誰でもが知っているポピュラーなブランド物と違って、それほどメジャーでないものをご紹介、出品する時はいたし方のないことで。
でもまた、これがまた楽しい作業ではありますが。
ちなみに、たいしたものでなくても象牙の根付は1万円ぐらいします。
はてさて、この珍しい三猿根付はどこまで入札いくでしょう?