メシアン同様、今年生誕100年を迎える画家東山魁夷の展覧会を観てきた。作品100点、スケッチ・習作50点を集めた今までで最大の回顧展である。
東山魁夷というとよく銀行のカレンダーなどで使われる画家というほどの認識しかなく、それほど興味はなかったのだが、新聞の懸賞でチケットが当たったので出掛けた訳だ。丁度昨日テレビ東京の「美の巨人」で特集されていたので結構な賑わいだった。
20歳過ぎまでに肉親を亡くし、戦争も経験し、絶望のどん底にあった魁夷の作品は、殆ど風景画であるが、くすんだ暗い画面に希望の光を思わせる鮮やかな色を取り入れ、救いを求める彼の心象風景を描き出したものだった。
60年代には北欧を旅し画風が変化して行く。極寒の自然の中に活き活きと生きる人々の営みに感化されそれまでの自分の絶望をポジティヴに捉え直し幻想的な風景画へと移行して行く。今まで以上に幽玄な精神世界を探求することになる。
その後画面に白馬の幻影を表したメルヘンチックな作品や京都に日本的な風景を追求した作品などを手がけ、70年代には奈良の唐招提寺の障壁画を7年に亘って制作することで自らの精神性を深めて行くことになる。壮大な障子画には魂が洗われる気分になった。
今まで日本画を真剣に観たことは無かったのだが、魁夷の深遠な世界には虜になった。歴史の重みを体現した芸術家の凄みを感じさせる展覧会だった。
東山魁夷展 HP
紙の上
仄かな陰影
魅せられて
水墨画の侘び寂びの世界にも感化された。私も墨で何か描いてみるか。
東山魁夷というとよく銀行のカレンダーなどで使われる画家というほどの認識しかなく、それほど興味はなかったのだが、新聞の懸賞でチケットが当たったので出掛けた訳だ。丁度昨日テレビ東京の「美の巨人」で特集されていたので結構な賑わいだった。
20歳過ぎまでに肉親を亡くし、戦争も経験し、絶望のどん底にあった魁夷の作品は、殆ど風景画であるが、くすんだ暗い画面に希望の光を思わせる鮮やかな色を取り入れ、救いを求める彼の心象風景を描き出したものだった。
60年代には北欧を旅し画風が変化して行く。極寒の自然の中に活き活きと生きる人々の営みに感化されそれまでの自分の絶望をポジティヴに捉え直し幻想的な風景画へと移行して行く。今まで以上に幽玄な精神世界を探求することになる。
その後画面に白馬の幻影を表したメルヘンチックな作品や京都に日本的な風景を追求した作品などを手がけ、70年代には奈良の唐招提寺の障壁画を7年に亘って制作することで自らの精神性を深めて行くことになる。壮大な障子画には魂が洗われる気分になった。
今まで日本画を真剣に観たことは無かったのだが、魁夷の深遠な世界には虜になった。歴史の重みを体現した芸術家の凄みを感じさせる展覧会だった。
東山魁夷展 HP
紙の上
仄かな陰影
魅せられて
水墨画の侘び寂びの世界にも感化された。私も墨で何か描いてみるか。