A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ENTER SHIKARI(エンター・シカリ)/NOISEMAKER@代官山UNIT 2014.12.10(wed)

2014年12月12日 00時15分15秒 | ロッケンロール万歳!


Hostess Club Presents
ENTER SHIKARI

ENTER SHIKARI (エンター・シカリ)
opening act:NOISEMAKER




「2015年はバンドが来る」と騒いでイマドキJ-ROCKをググっていると、20世紀に定義されたロックのサブジャンルが通用しないことに気付かされる。オルタナやグランジという名称はとっくに過去のものに成り果てたし、デジロックやダンスロックも化石。メタルやパンク、サイケという古色蒼然としたラベルのほうが汎用性があるが、30年以上昔の感覚で捉えると、竹箆(しっぺ)返しを喰らうことになる。それは洋楽ロックに於いてさらに顕著かもしれない。例えばニューゲイザー(新世代シューゲイザー)のコーナーには、ギターの音すらないエレクトロ・アンビエント系アーティストが嬉々として並んでいたりする。エンター・シカリという妙な名前の四人組も、メタルやハードコアというラべルが付されるが、全く異質のサウンドを標榜する。ルックスを含め如何にもアメリカンだと思ったら、イギリス出身だという。マキシマム・ザ・ホルモンともツアー経験がある彼らなら、来るべき30年ぶりの『バンドブーム』現象のヒントを垣間見させてくれるに違いない。

●NOISEMAKER ノイズメイカー


サポート・アクトは『雑音製造者』と称する札幌出身のAG(vo)、HIDE(g)、YU-KI(b)、UTA(ds)の四人組。「ノイズ」という言葉が80年代的解釈とは異なる概念であることは、ノイズ原理主義者も認めるべき。堂々としたスケールの大きいギターロックは、現代J-ROCKの中では正統派と呼んでもいいかもしれない。ラップやデス声を駆使したヴォーカル・スタイルも21世紀ロック表現に相応しい。印象的だったのは、強面の割に丁寧な言葉使いで「バンドをやったから仲間が出来て、音楽を通して多くの人と繋がって、今日このステージに立つことが出来た。この場にいるみんなとの繋がりを大切にしたい」と熱を込めて語ったMCだった。「バンド」と「音楽」が人の心を繋ぐ効用が、若い彼らの活動理念として共有されていることが素晴らしい。


公式サイト


●ENTER SHIKARI エンター・シカリ


ロンドン郊外セント・オールバンス出身、ラウ(vo, syth)、ローリー(g)、クリス(b)、ロブ(ds)で結成されたロックバンド。バンド名 "Enter Shikari" はヒンディー語で「Enter the Hunter」を意味し、「外へ飛び出し、自分の欲しいものを手に入れろ」という意味が込められている(「Shikari」はヒンディー語で「ハンター」若しくは「探求者」の意)。日本語の「然り=そのとおり」を当てはめれば「無為自然に入る」と別の意味で面白い。イマドキ洋楽バンドは、ロッカー然とした雰囲気がなくごく自然体なのが特徴。クルーカットや野球帽にネルシャツやTシャツの普段着でステージに立つメンバーを、代官山の場所柄多数来場した一般外国人客と見分けるのは至難の業。



そんな普通のアンちゃんが奏でるロックは、一言で表せば「激ROCK」。個々の要素は確かに「メタル」だったり「ヒップホップ」だったり「パンク」だったり「ダブ」だったりするが、それらが境目なく並列に交じり合ったフローは、ジャンル分けを無化する解放感に満ちている。過去のバンドを引き合いにして比較・対比することは無意味であろう。激J-ROCKバンド「Crossfaith」のKoie(vo)がゲスト参加したエンディングまで、激しいモッシュに飛び込んだり、リズムに身体を揺らしたり、スマホでステージを撮影したり、腕組みして眺めたり、思い思いに反応する若者たちは、間違いなく一期一会の音楽現場の悦びを全身で享受していた。


公式サイト
日本公式サイト

31年目のバンドブームを目一杯愉しむには、無理してカッコつけずに「無為自然体」で入るのが有効なのかもしれない。

さに在れど
その名も然り
徒然に

■アルバム情報


アーティスト名:Enter Shikari(エンター・シカリ)
タイトル:The Mindsweep(ザ・マインドスウィープ)
レーベル:Ambush Reality / Hostess
品番: HSE-30345
発売日: 2015年1月14日(水)日本先行発売!
定価 : 2,371円+税
※日本先行発売、ボーナストラック4曲、歌詞対訳、ライナーノーツ 付

<トラックリスト>
1. The Appeal & The Mindsweep I
2. The One True Colour
3. Anaesthetist
4. The Last Garrison
5. Never Let Go Of The Microscope
6. Myopia
7. Torn Apart
8. interlude
9. The Bank Of England
10. There’s A Price On Your Head
11. Dear Future Historians...
12. The Appeal & The Mindsweep II
13 Slipshod*
14 The Paddington Frisk (bonus 2013 EP track)*
15 Rat Race (bonus 2013 EP track)*
16 Radiate (bonus 2013 EP track)*
*日本盤ボーナストラック

コメント
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