A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

灰野+Verbruggen+Dumoulin@六本木SDX/ふぇのたす@新代田fever 2015.9.19(sat)

2015年09月21日 02時05分02秒 | 灰野敬二さんのこと


灰野+Verbruggen+Dumoulin with 山川冬樹、ハチスノイト

ベルギーより変幻自在のドラマーと鍵盤の魔術師が灰野敬二と初競演!スペシャルゲスト:山川冬樹、ハチスノイト

出演:灰野敬二+Teun VERBRUGGEN+Jozef DUMOULIN/山川冬樹/ハチスノイト



ベルギーといえばユニヴェル・ゼロやジュルヴェルヌといったレコメン系チェンバーロックとX-レッグド・サリー、イーヴル・スーパースターズといった前衛オルタナバンドが思い浮かぶが、ジャズに関しては皆目見当がつかない。ICPの本拠地オランダの隣だから即興音楽家も少なからず存在する筈。しかしながら、小国故の哀しさか「ベルギージャズ」として認知される程のポピュラリティを確立しては居ない。

ドラマーのTeun VERBRUGGEN(トゥン・フェアブルッヘン)とキーボードのJozef DUMOULIN(ヨセフ・デュムラン)の知名度がどのくらいか正確には分からないが、少なくとも筆者の周りでこれまで言及した者は存在しなかった。そんな無名のベルジャンが来日し、東京、北海道、高崎、名古屋、神戸、大阪で14公演行った。最終日は灰野敬二との共演。未知の演奏家がどう絡むか興味は尽きない。

●ハチスノイト

(写真の撮影・掲載については、主催者の許可を得ています。以下同)

対バンのハチスノイトと山川冬樹は今年5月30日に東京現代美術館で開催された山口小夜子展『小夜子 光と闇の夜』に灰野と共に出演した。 女性シンガー、ハチスノイトは宇川直宏とのデュオで演奏したので、宇川のパフォーマンスに気を取られていて実は殆ど覚えていなかった。サンプラーで声を幾重にも重ね合わせて幻想的な世界を創る。ラップトップ・ノイズが時に空気を歪めるように気を吐くのが面白い。

ハチスノイトLIVE @ BUENA 20131027 #01



●山川冬樹


山川の文字通り身体を張ったパフォーマンスは、何度観ても驚愕するしかない。特に前述の小夜子に捧げる場ではトリを務め、参加者(観客)を震撼させた破滅的なパフォーマンスで、トラウマの印象を残した。上半身裸でロングヘアーを振り乱す。頭蓋や顔面を叩いて音を発する。心臓の鼓動を光の明滅に変換する。ギターの弦を爪弾くことなく音を鳴らす。端正な顔つきからの想像を絶するホーミー。まるで禁断の邪教の儀式を覗き見してしまったような罪悪感と悔悛の念に苛まれる。

山川冬樹 @西麻布 新世界 2012.11.29



●灰野敬二+Teun VERBRUGGEN+Jozef DUMOULIN


灰野が椅子の上にかがみ込んで電子機器を弄くると不可解な電子音がスピーカーから飛び交う。多数のエフェクトを通したヨセフのフェンダー・ローズは、最早鍵盤楽器の音ではなく、変調・変質し、灰野の音と区別がつかない。トゥンのドラムは奇を衒うことなく、あくまで打楽器奏法で、時空の感覚を失わせる異形の次元へワープする。



灰野のヴォイスが、祈りから戸惑い・激昂・理解・覚悟へと変遷するに連れ、場面が鮮明に切り替わる。全編通して初共演の歓びと驚き、熟練者の交歓神経の響き合いが、これまでに無い精神興奮状態へ誘った。このトリオでスタジオ・レコーディングをしたそうだから、この興奮を共有できる日が来るに違いない。



Teun Verbruggen & Jozef Dumoulin in TAKASAKI


駆け上がる
生命の迸り
両手で捕まえろ



ふぇのたす解散ライブ~2015ねん、なつ(追加公演)




結成から3年半後の解散ライヴは、(少なくとも追加公演では)感傷もナミダも一切無し。ナミダも枯れ果てたのか、じっと堪えていたのかは知りようは無いが、観客の笑顔に見守られて終末を迎える、というのは地球がばらばらになる時の理想に相応しい。正にいい感じの解散ライヴだった。

“ふぇのたす”未発表シングルのMVを緊急公開!

「みんな大好き! ありがたす!」ふぇのたす、名曲だらけの解散ライブ
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