9月10日(土)午後7時30開場、8時開演
『Shield Reflection』
大上流一 (ギター) + 森重靖宗 (チェロ)
1,500 円
主催:大上流一
この日のお店の営業時間は、午後4時から7時30分までとなります。
水道橋のCDショップ「Ftarri(フタリ)」は即興/実験音楽 (improvised/experimental) を中心に世界中のエクストリーム/フリンジミュージックを集めた品揃えで知る人ぞ知る店である。CDレコードの販売だけでなく、即興演奏のライヴを開催していて、海外の著名ミュージシャンも出演している。マンションの地下にある店舗には何度か来たことがあるが、ライヴを見るのは初めて。買い物に来たときにはCDやレコードに夢中で意識しなかったが、売り場の横に四角い壁に囲まれたスペースがあり、ライヴ演奏にはピッタリ(もしかしたら通常営業時はカーテンかなにかで仕切られているのかもしれない)。ベンチと椅子を並べて15人程度座れる。それ以上動員があるときには、CDコーナーを空ければ30人くらい入れるだろうか。即興音楽でそんな嬉しい悲鳴があがることは滅多に無いかもしれないが。この日の観客は10人くらい。静かに開演を待つ。
大上流一 RIUICHI DAIJO 1978年生
2003年-演奏活動を開始し、即興による音楽を模索する。
2004年-ソロシリーズ「Dead Pan Smiles」を開始。
13年9月まで独自の作業性を孕んで毎月planBで演奏する。
現在多様なミュージシャンとの共演を試みている。
森重靖宗
チェロ奏者、即興演奏家。国内外の数多くの音楽家や舞踏家等と共演。
アコースティック楽器の可能性を広げて奏でられるその様々な音響は、繊細かつ豊かで独特である。
時に自作曲のチェロによる弾き語りや、ピアノを使った演奏なども行う。
灰野敬二率いるバンド「不失者」ではエレキベースを演奏。
派手さはないが、長い間活動する実力派ふたりの共演。どちらも即興音楽の求道者と呼ぶに相応しい。完全ノーPAのアコースティック演奏。息の音や弦を擦る音がクリアに聴こえる静寂の中、微音で繰り広げられる音と音のセッションは、常に緊張感に満ち、一瞬たりとも気を抜けない厳粛な空間を形作る。観る側も真剣勝負の如く、集中力が求められる。レコードやCDを聴くのとは違い、何処へ向かうのか分からないスリルと、音だけではない空間の波動が伝わり、この場の表現行為を全身で体験する快感に浸る。休憩を含めのべ90分のセットは、あっという間に感じられたが、得た物は時間換算不可能な、久々に体験する精神鍛錬ライヴであった。
精神の
糧の味わい
ふたりの夜
ライヴの後のんびりお茶をしていたら、見る間に赤シャツ軍団が通りに溢れて来た。ここが後楽園球場の街であることを失念していた。