A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【ブクガとニューエイジ・ポップの行方知れず徒然】アシュラ/UK SUBS/BLITZ/(((さらうんど)))/CROSSFAITH etc.

2017年04月26日 00時50分01秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


4月5日にメジャー・デビュー・アルバム『image』をリリースしたブクガ(Masion book girl)のキャッチコピーは「ニューエイジ・ポップ・ユニット」。”現代音楽/ミニマルミュージックとアイドルソングの融合”と呼ばれる音楽性を分かり易いイメージ(image)で表現した言葉ではあるが、音楽シーンに於いて「ニューエイジ」とは勘違いされ易い単語でもある。

<ニューエイジ・ミュージック>別名<ヒーリング・ミュージック>と呼ばれ、根拠のない治療効果を騙り格安で頒布される人畜無害の疑似音楽、60年代スピリチュアル・ムーヴメントをネタにした嘘臭い精神主義を金と引き換えに切り売りするペテン音楽。『image(イマージュ)』と題された無価値コンピが量産され音楽に疎い大衆の心を惑わせたこともあった。そんな黒歴史を持つ「ニューエイジ」を改めて世に問うブクガ/サクライケンタ/徳間ジャパンの真意は、本当の意味のNEW AGE(新しい時代)を復権することに違いない。その意義に賛同する者のひとりとして、ブクガが標榜する<ニューエイジ・ポップ>について行方知れず徒然なるままに分析を試みた。

●Maison book girl『image』


CDで聴くとクールでツンデレなイメージがあるが、ライヴステージでのブクガは激しく熱くエモい。その姿勢はレコードではソングライティングとスタジオワークを追求し、ライヴは破壊的なパフォーマンスを展開するTHE WHOや、無機的なデヴォルーション(退行)テクノポップを標榜する割に、初来日の武道館公演でロックらしいエモーショナルな演奏をしたDEVO(同級生の佐瀬君はテクノなのに熱くなるのは偽物だと言った)に通じる。金髪に青い瞳のアンドロイドっぽいコショージメグミをはじめとするメンバーの人間性の豊かさは接触すればすぐ分かる。

Maison book girl / sin morning / MV



●アシュラ『ニュー・エイジ・オブ・アース』


1970年に西ベルリンでマニュエル・ゲッチングを中心に結成されたアシュ・ラ・テンペルが、アシュラ名義で76年にリリースした7thアルバム。サイケデリックなジャムとコラージュを特徴とするサウンドから、シンセサイザーやシーケンサーとギターフレーズの積極的な同期を試み、後のテクノやアンビエントの原型を産み出した。『地球の新しい時代』というタイトルが下衆な連中に利用され<ニューエイジ・ミュージック>の元祖的扱いされる不幸に見舞われたが、今こそ名誉挽回するべき金字塔。

Ash Ra - New Age Of Earth (Full Album) 1976



●ニュー・エイジ・ステッパーズ『ニュー・エイジ・ステッパーズ』


1979年にプロデューサーのエイドリアン・シャーウッドが設立したOn-Uサウンドからデビューしたプロジェクト。ポップ・グループ、スリッツのメンバーに、即興音楽家スティーヴ・ベレスフォードやライターのヴィヴィアン・ゴールドマンなどが参加。レゲエやダブでカットアップされた斬新なサウンドはNEW WAVEの新時代への足踏みだった。ジャケットの赤ん坊が今何処でどうしているのか知りたくなる。

The New Age Steppers - Fade Away



●UKサブス『ブランド・ニュー・エイジ』


1976年にロンドンで結成されたUKサブスは初期パンクの代表的バンド。ヴォーカルのチャーリー・ハーパー以外は流動的に現在まで活動を続ける彼らが80年にリリースした2ndアルバムが『Brand New Age』。同期のバンドがスターダムにのし上がって行くのを尻目にストリートに留まった彼らの決意宣言である。Oi!やハードコアをも通過して今なお現役で活動するUKサブスは日本のスタークラブと並ぶ世界最長のパンクバンドである。

UK Subs - Party in Paris (clip HQ sound)



●ブリッツ『新世代の叫び』


1980年にイングランド中部ダービーシャーで結成されたパンクバンド。82年のデビューアルバムに続く83年のシングルが「New Age」。Oi!やスキンヘッズから産まれたハードなパンクは80年代の幕開けを告げる新世代の叫びだった。正規のアルバムは3作のみだが、90年代ハードコアシーンに多大な影響を与え、多数のカヴァーを生み、コンピレーション/ライヴ盤が10作近くリリースされている。

BLITZ - New Age 1983 (Music Video)



●The New Age『All Around』


サンフランシスコのアシッド・フォーク・シンガー、パット・キルロイが1967年に結成したフォーク・ロック・トリオ。フルートやシタールによるインド音楽サウンドが評価を得てワーナーブラザーズで録音するが同年12月にキルロイがホジキンリンパ腫で急逝。それ以来お蔵入りになっていた音源が2007年に初めて編集盤『All Around』としてリリースされた。フリーフォームなラーガフォークは、スピリチュアルな魅力に溢れている。

The New Age - Dance Around The Sun



●CROSSFAITH『NEW AGE WARRIORS』


2006年に大阪で結成されたメタルコアバンドCrossfaithの2016年7月のシングル。リリースにあわせて開催された全国ツアー『New Age Warriors Tour』の最終公演を幕張メッセで開催。マキシマム・ザ・ホルモンに継ぐエクストリーム・メタルの人気バンドと言われる新時代の兵士。

Crossfaith - 'Rx Overdrive' Official Music Video



●(((さらうんど))) 『NEW AGE』


関西出身のヒップホッパー、イルリメ(本名:鴨田潤)の別ユニット(((さらうんど))) の2ndアルバム(2013年)。洒落たシティポップ路線はヒップホップ感覚の軽妙なJ-POP。癒しや元気付けを強調しがちなJ-POPシーンに於いて、肩の力を抜いたNEW AGEは悪くない。

(((さらうんど))) / きみは New Age (Music Video)


ニューエイジ
聴かせてくれる
5月9日赤坂BLITZ




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