この日のDrive To 2010は「アートロックの夜明け」と題して、Lovejoy、Zazen Boys、BEP、灰野敬二×チコヒゲが出演。かつて「アートロック宣言」というCDをリリースした私としては行くしかないだろう。灰野さんが出演するのだから当然行っただろうけど。
前日がイケイケのノリだったのでそれに比べれば演奏もオーディエンスも落ち着いた感じがする。それでも満員に近い観客が集まったのはZazen Boysの人気のおかげか、連休の中日だったせいか。
Lovejoyは元Aunt SallyのgのBikkeのバンド。Bikkeがvo.g、加えて男性g,b,kbd,dsの5人組。10年前の「Drive To 2000」にも出演したそうだ。結成18年。Bikkeの紡ぐ瑞々しい歌詞にちょっとフォークタッチの柔らかな演奏を聴かせる。心地よい空間だった。
Zazen Boysを観るのは二回目だが、相変わらず変拍子と不協和音を活かしたファンキーなロックを聴かせてくれた。これぞ正に変態ロック。
BEPはPhew(vo)、Bikke(g)、石橋英子(kbd)の女性トリオ。PhewのヴォーカルはAunt Sally時代から一貫してクールだ。その中に仄かな母性をたずさえているのが唯一の変化か。最近あちこちで引っ張りだこの石橋英子のキーボード・プレイを観るのは初めてなのだが、Phewのヴォーカルを支える素晴らしい演奏だった。Bikkeは所々でNo New York風のギターを聴かせてくれた。
最期は灰野さんとチコヒゲのデュオ。これで3度目の共演だからお互いの勘所は心得ている。痒いところに手が届くような息の合った演奏で轟音を響かせる。「愛しのマックス」「サティスファクション」「あっち」「ワイルドで行こう」と耳馴染みのある歌を披露。ギターも絶好調でテンションの高い1時間だった。灰野さんも久々に気持ちのいいプレイが出来たのじゃないだろうか。
何がアートロックか分からないが、ロックの色んな断片を見せてくれたイベントだった。女性のパワーも見せつけてくれた。
決まり事
取り払うのが
アートロック
体育の日だったのに何もスポーツをしないまま終わってしまった。