DEERHOOF / 東京カランコロン / opening act:Awesome City Club
2年前に襲来し、私立エビ中と対バン、でんぱ組にビリビリ感電した筆者のアイドルショックに決定打を与えた鹿蹄(DEERHOOF)の結成20周年来日ツアーは、全国13公演17日間に亘り開催中。どれも越境(ACROSS THE BOADER)異種格闘技対バンが組まれた。東京公演は3日間あり、12/2UNIT w/Buffalo Daughter / ゆるめるモ!with JOJO広重&箱庭の室内楽、12/16Fever w/トクマルシューゴPlus / younGSounds / どついたるねんも魅力的だったが、11月のSound Live Tokyoを堪能したWWWに参戦することにした。これほど日本のバンド達から慕われる洋楽ロックバンドも珍しい。東京公演3日目だが、ほぼ満員。対バン目当ての若い衆と鹿蹄推しの年配者が程よく混在する。
⇒ディアフーフ/私立恵比寿中学@渋谷 O-East 2012.10.13 (sat)
●Awesome City Club
オープニング・アクトはAwsome City Club略してACC。2013年結成の5人組。G男子二人はメガネ、B男子は野球帽に半ズボンと、自然体のイマドキバンドスタイル。サウンドも多種ゴッタ盛りでひと言では言い表せないが、屈託のないポジティヴ青空ロック。バニビのレナ風のボブヘアにミニスカのVo&Syn女子が元気がよく目を惹く。が、注目すべきは後ろで歌いながら叩く童顔ドラマー。ショートカットが少年風だが紛れもないドラム女子。眩しい笑顔でアイドルに負けないトキメキを発散した。
Deerhoof Set List
1.Mirror Monster
2.Exit Only
3.Paradise Girls
4.Let's Dance the Jet
5.Last Fad
6.Doom
7.We Do Parties
8.Bad Kids to the Front
9.Fresh Born
10.Dummy Discards a Heart
11.Buck and Judy
12.Oh Bummer
13.Twin Killers
14.The Perfect Me
-Encore 1-
15.There's That Grin
16.Come See the Duck
-Encore 2-
17.I Did Crimes For You
V系の知識は皆無なのでバンドコンセプトが「切なる小説世界」のこの3人組(写真は4人だが)がどの程度の実力・人気なのか見当がつかないが、「えいその青春」と書いて「DIR EN GREY(ディル・アン・グレイ)」と読む元バンギャルのえいたそならわかるかも。2014年3月5日に活動休止宣言をした彼らの解散記念盤には不滅スタンプが刻まれている。
楽器をシャッフルしての"BANDがしたい"気持ちの現れ「パチジュウパチカショジュンレイ」に続き、2度目のオープニングSE(Pharoah Sanders "The Creator Has A Master Plan")に導かれスタートした本編は、無駄なMCを排して150分ノンストップ、観客の存在を忘れて気狂い拍子の応酬に興じる新曲を含め、莫迦テク丸出しハードコアプログレサイケの霊気に目眩がした。某ナタリーや某BARKSのようにセトリを追ってMCを書き起こしてどれもおんなじ観てきたようなライヴレポを書いても意味がないので、3年半に及ぶ筆者の八八体験からのコピペで対抗するとしよう。
●吉田達也+中林キララ/八十八ヶ所巡礼/豊川座敷etc.@東高円寺UFL CLUB 2011.7.22(fri)
4番目は八十八ヶ所巡礼。ゆら帝や嘘つきバービーのコミュに必ず名前が出てきて気になる存在だった。YouTubeのPVは妖怪メロディーにプログレとヘヴィメタルが絡み付く世界が面白く、ライヴを楽しみにしていた。これが凄く楽しかった。B&Vo.のマーガレット廣井氏は女物のドレスの中性的ルックスでお酒の一升瓶を飲みながら演奏。ギターのKatzuya Shimizu氏は80年代のジャパメタ風ルックスでライトハンド奏法を駆使して超絶技巧を披露。サングラスを外すと結構イケメン。ドラムの賢三氏は坊主頭に上半身裸。3人ともキャラが立っていて、曲もいい。特にハードロック/ヘヴィメタ・ギターにはキッス、エアロスミス、ヴァン・ヘイレンなどで育った私の感性を無性に惹き付けるものがある。曲調は嘘つきバービーに酷似しているがこのギターの存在感は唯一無二。要注目のバンドだ。物販で最新2曲入りCDを購入。でもこのバンドはやっぱりライヴ命だね。
●ネモトラボルタ/八十八ヶ所巡礼@下北沢CLUB Que 2011.7.28(thu)
続いて八十八ヶ所巡礼。女の子達が一斉に前へ押し寄せる。私はギターのKazuya Shimizu氏の真ん前で、髪を靡かせるために愛用する扇風機をしっかり確認した。女子の人気はVo&Bのマーガレット廣井氏。UFO CLUBの時と同様に女性と見間違えるような髪型とドレスに一升瓶を抱えて登場。再び観た感想は、とてもハードロック的であること、それを牽引するのは賢三氏のパワフルなドラムとマーガレット氏のヘヴィーなリフ、そして何よりもShimizu氏の馬鹿テク・ギターである。それがただのヘヴィメタ/ハードロックにならないのはテンポ・チェンジの目まぐるしい曲展開とマーガレット氏の独特な世界観を持ったヴォーカルである。アンコールも含め60分、涅槃のロック世界に遊んだ。このバンドはメンバーは素顔をあまり見せないし、ローディーや物販スタッフもいて、将来のブレイクを期待させる存在だ。もっとギター小僧にアピールしてもいいと思う。
●八十八ヶ所巡礼/下山/オワリカラ他@下北沢Basement Bar 2011.10.24(mon)
八十八ヶ所巡礼が登場すると前列を固めた女の子たちから歓声が沸き上がる。「PALAMA・JIPANG」からスタート。いつも通りの妖怪プログレ・ハードロックが展開され、曲によってはモッシュが起こる。途中でマーガレット廣井氏のベースの音が出なくなるというハプニングはあったが、さすがに上手い。しかしある意味予定調和的な世界は安心印ではあるが意外性やスリルに欠けるのも確か。ハードロックやプログレの宿命である様式美を打ち破ってくれることを期待したい。
●ロリータ18号/八十八ヶ所巡礼/Droog@下北沢 CLUB Que 2012.9.18 (tue)
Droogが終わると後列で眺めていた女子が一斉にステージ前に移動する。1年前は男女半々だった八十八ヶ所巡礼のファンが圧倒的に女子中心になっていて驚いた。新作「○△□」を出してからのライヴは初めて。新作を出してもあまりメディアには登場していないのにこの人気沸騰ぶりは凄い。クチコミとライヴだけでやってきた稀有なバンドである。楽曲/演奏が他のバンドと一線を画しているのは彼らのPVを観れば一目瞭然だ。私は”妖怪プログレ・ハードロック”と呼んでいるのだが仏教や霊界をテーマにした個性的な歌詞と超絶変態ギターを武器にした異能サウンドは、寺山修司のアングラ風味、三島由紀夫の武士道精神、夢野久作のドグラマグラの21世紀的展開といえる。敢えていえば筋肉少女帯、人間椅子、ゆらゆら帝国の流れを受け継いでいる。しかしそのどれとも違う非日常世界が八八の持ち味である。マーガレット廣井氏はMCで「親孝行バンド八十八ヶ所巡礼です」「愛国心はありますか、貴様ら」と言ったり君が代」を歌ったりするが、この道徳心/愛国心がマジなのかパロディなのか謎なのも興味深い。新曲も完璧な演奏、最後はKazuya Shimizu氏がギターをお尻で弾くという技を見せた。
●八十八ヶ所巡礼@下北沢 CLUB Que 2012.12.7 (fri)
CLUB Queのキャパは280人。二日間で560人。観客は圧倒的に20代の若者である。ヴィレヴァン常連風のサブカルっぽい男女が多い。下北沢は八八のホームグラウンドでもあり、高円寺を中心とする中央線文化とはひと味違う洗練された香りがある。左のマーガレット廣井側に女子が、右手のKatzuya Shimizu側にギター小僧らしき野郎共が集中する"右高左低"型。これは新生不失者と同じ構図である。ギターソロでShimizuが前方に出てくると観客が腕を上げて歓声を上げ、それに応えてShimizuもメタルギターヒーロー宜しくエビ反りや歯弾き・背中弾きなどトリッキーな奏法で煽る。激しいビートはギターもベースも必要以上にクネクネ動き回り変拍子を多用した複雑なものだが客はモッシュで盛り上がりっぱなし。新曲を2曲披露した。一聴して八八とわかる変態ナンバー。前方はかなり熱くなっており、普段あまりMCをしないマーガレットが「真ん中の方の女子たち辛くないかい?」と気遣う場面も。アンコールを含めて110分のステージだったがそこで鳴らされた音数は普通のロック・バンドの倍の高密度の濃厚な演奏だった。演奏力では今の若手の中でも群を抜いて優れていることは間違いない。このブログでもライヴ・スケジュールを告知するので是非ライヴを体験することをおススメする。
2007年に小6女子が結成したバンドがコンテスト出演時に先生により2組に分けられ、そのひとつが「Victory」となり、もう片方が「たんこぶちん」となる。2011年Rock in Japanに最年少出演、2014年1月CDデビュー。高校を卒業し東京をベースに活動。スタッフからのミッション(指令)が与えられ、それを実現する活動スタイルをとる。2014年7月21日にダイエット失敗のペナルティとして「がんばれ!Victory」に改名させられる。2015年メジャー・デビュー決定。サウンド的にはSCANDAL直系のストレートな女子ロック。
<トラックリスト>
1. The Appeal & The Mindsweep I
2. The One True Colour
3. Anaesthetist
4. The Last Garrison
5. Never Let Go Of The Microscope
6. Myopia
7. Torn Apart
8. interlude
9. The Bank Of England
10. There’s A Price On Your Head
11. Dear Future Historians...
12. The Appeal & The Mindsweep II
13 Slipshod*
14 The Paddington Frisk (bonus 2013 EP track)*
15 Rat Race (bonus 2013 EP track)*
16 Radiate (bonus 2013 EP track)*
*日本盤ボーナストラック
Fear, and Loathing in Las Vegas(フィアー・アンド・ロージング・イン・ラスベガス)は、日本のポスト・ハードコアバンド。ポスト・ハードコアをベースに、オートチューンボーカルとシンセサイザーを交え、トランスの要素を取り入れたスタイルが特徴。バンド名は1998年のテリー・ギリアム監督の映画『ラスベガスをやっつけろ』の原題(Fear and Loathing in Las Vegas)に由来する。
忘れらんねえよ(わすれらんねえよ)は、2008年12月に結成された日本のスリーピースロックバンド。バンドのテーマは「NO SEX NO CHILD」。「恋や仕事や生活に正々堂々勝負して、負け続ける男たちを全肯定したい」がバンドの方針である。口癖が「SEX」で、「サンキューセックス」、「ナイスセックス」、「ファイナルセックス」、「セックスインザスカイ」などライブ中ことあるごとに「SEX」と口にする。
DIR EN GREY(ディル・アン・グレイ)は、日本を拠点に活動するロックバンド。1997年に大阪府で結成。日本を始め世界各国で活動し、アルバム『UROBOROS』は世界17ヵ国で同時期発売され、米ビルボード誌のTop Heatseekersチャートでは1位を、Top Independent Albumsチャートで9位をそれぞれ記録している。ライヴ活動も各国で積極的に行っており、南米を含む全米からヨーロッパ、アジア、オーストラリアまで計30カ国で公演を行っている(2014年現在)。楽曲はメタル、ハードコア等をベースに民俗音楽など数々のテイストを多く織り交ぜている点が特徴的である。