メンバーはCountry Joe McDonald (vo,g), Barry "The Fish" Melton (vo,g), Gary "Chicken" Hirsh (ds), David Bennett Cohen (g,org), Bruce Barthol (b)。1942年ワシントンDC生まれのジョー・マクドナルドは60年代にカリフォルニア州バークレーでバスキングをはじめ、出会ったバリー・メルトンとデュオとして65年半ばにCountry Joe & The Fishを結成。フォーク・シーンで活動しながら自主制作でレコードをリリースし、左翼的な言動で支持を受ける。メンバーチェンジにより演奏面が充実するとともにサイケデリック・ロックに変貌する。
●Country Joe & The Fish / Electric Music For The Mind And Body
68年8月リリースの3rdアルバム。レコーディング直前にジョー・マクドナルドが短期間バンドを離れバンド名をThe Fishとして活動した時期があった。全11曲中マクドナルド以外のメンバーの曲が半数を占め、リード・ヴォーカルもメンバーが担当している。ジェームズ・ブラウンに捧げたA1. Rock and Soul Music、哀愁サイケのB3. Waltzing in the Moonlight、反戦ドローン・サイケ B6. An Untitled Protest等名演もあるが、マクドナルドの艶めいた歌声が少ないことが物足りなく感じる。
Country Joe & The Fish "Waltzing In The Moonlight"
69年からソロ・アルバムをリリースし、サイケ色のほとんどない純粋なフォーク&カントリー路線を歩むマクドナルドの73年のアルバム。南北戦争時代の将校に扮したジャケットのポートレートと、メンバーに電子サイケバンドThe United States Of AmericaのDorothy Moskowitzが入っているのに興味を惹かれ購入したのだが、やはりサイケとは程遠い王道アメリカンロックだった。唯一エレクトロニクス・フリークアウトのB1. Zombies In A House Of Madnessが異色。タイトルが意味深なB2. Sexist Pigの歌詞も面白い。
Country Joe "Fantasy"
Grateful Dead, Jefferson Airplane, Big Brother & The Holding Company, Quicksilver Messenger Service等と並ぶシスコ・サイケ第一世代のCountry Joe & The Fishであるが、再発や発掘音源、海賊盤などの数を考えるとかなり過小評価されているといわざるを得ない。特に日本での低評価はWikipediaの日本語ページがない(Big Brotherもないが)ことでも明らかだ。しかしこうして再度聴き直してみて、音楽性だけでなく政治性や思想・文化面でのユニークな個性を認識した。そして映画『モンタレーポップ』で感じたように、最大の魅力はライヴ・パフォーマンスにあることは間違いない。
Country Joe & The Fish - A Day In The Life Of Country Joe & The Fish (Film - 1967)
Country Joe & The Fish: Live at the L.A Fantasy Fayre -1967/7/16 [FULL CONCERT]
Country Joe & The Fish: Live at the Carousel Ballroom - 1968/2/14 [FULL CONCERT]
Country Joe & the Fish + Chambers Brothers (69) + Chicago (70)
Country Joe & The Fish ~ Donovan's Reef Jam
January 11, 1969 - Fillmore West, SF, CA Country Joe McDonald: vocals, acoustic guitar, bells, tambourine Barry Melton: electric Guitar David Cohen: electric guitar, organ Jack Casady: bass guitar Gary "Chicken" Hirsh: drums Jerry Garcia: guitar Mickey Hart: drums Jorma Kaukonen: guitar Steve Miller: guitar, harp David Getz: drums
UHとして活動を始めて4年目になるので、お互いの手の内はある程度知り尽くしていると思われる。同じパートナーと何度もコラボレーションすることは、下手をすると予定調和やマンネリに陥る危険を伴う。しかしUHの二人の表情や演奏姿勢には常に新鮮な歓びの脈動しか感じない。それはおそらく二人がユニットとして完成形を求めていないからであろう。何かを目標にしたとたん、演奏体としての限界が設定される。次こそは、という自己規制の罠にはまる。それを避けるには、ただ転がり続けるだけしかない。UHの二人は無意識のうちに自然体で転がることを身につけたのだろう。そんな"Natural Born Roller"ぶりが聴き手の心をも解放するのである。
ジャケットに記された「Speak in tongues and hope for the gift of interpretation(異言を語り、解釈の才能に期待する)」という一文には、影響を受けた偉大な先達へのリスペクトと共に、必ず彼らを乗り越えてやる、というピッツィオコスの強い決意が込められている。
●狩俣道夫 KARIMATA Michio (fl,ss,vo)
沖縄県出身。米国某大学で音楽理論と作曲を専攻。在学中に即興演奏とフリージャズに傾倒。卒業後新宿ピットインで演奏活動を始める。現在フリーフォームの即興演奏を中心に「愚弁」、「波流乱満地獄変」、等のユニットで活動中。発売中 CD"no umbrella, no tonguing, if not for the room"(Bishop Records EXJP020)
Marc Lowe : piano and synth, electronics/programming, noise box, vocals on “Unmasked” Takeshi Goda : reed-flute, noise dolls, guitar, field recording
アメリカ生まれのマルチ・プレイヤー、DJ malo23ことマーク・ロウと、地下音楽DJ兼ブロガーのDJ Necronomiconこと剛田武が、COVID-19の自粛期間の猛暑の夜に、発狂寸前の極限状態で結成したユニット「LOWER THAN GOD」のデビューEP。剛田/Godaの無軌道な即興プレイとロウ/Loweのエレクトロニクス・プロダクションの出会いが、Industrial, Noise, Ambient, Drone, IDM, Free Improvisation, Psychedelicとあらゆるジャンルを蹂躙し、前人未到・荒唐無稽・血沸肉踊の異形のサウンドを生み出した。新時代の"Improvised Intelligent Dance Music for the Mind & Body"の誕生である。今回が初のライヴ・パフォーマンス。