A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【ウルトラミニマル×パンク即興コラボ音源UP】ゾルタン・イェネイ『OM』×剛田武 Reed-Flute Improvisation

2020年09月14日 01時13分15秒 | 素晴らしき変態音楽

ゾルタン・イェネイ Zoltan Jeney『OM』×剛田武 Reed-Flute Improvisation

筆者が偏愛するハンガリーの作曲家ゾルタン・イェネイのレコードやCDが少しずつ集まってきた。1943年3月4日に生まれ、60年代末から音楽活動を始めて2019年10月28日に亡くなるまで、ずっと作曲家・演奏家・音楽指導者として精力的に活動を続けていた割に、録音作品は多くはない。Discogsによれば単独作品はレコードで5作、CDで3作しかリリースされていない。それ以外は他の作曲家とのオムニバス作品である。しかし考えてみると、日本の現代音楽家も武満徹のような有名作家以外は単独作品集は決して多数発表されている訳ではない。コダーイやバルトークを生んだハンガリーに於いても、現代音楽家の作品の愛好者は少ないのかもしれない。そんな状況の中で79~89年にイェネイのレコードが5枚もリリースされたことは、この作曲家が如何に大きな影響力を持っていたかの証明であろう。

【クラシックの嗜好錯誤】第七回:ハンガリーのハングリーな新前衛主義者、ゾルタン・イェネイ Zoltán Jeney への遅すぎる追悼

音楽以外の様々な素材(テキストの引用、チェスのマッチの動き、ソリティアのゲームの動き、テレックスのテキストのリズムなど)を形式、旋律、リズム、音色の要素として導入し、因習的な楽器編成や楽曲構成を超越したスタイルの作風は、単なる前衛・実験「音学」に陥ることなく、「音響」として楽しめる、つまり「音楽」として成立している。その中でもミニマリズムの極北を体現した怪作『OM』のストイックな美しさは際立っている。2台のオルガンが短いフレーズをひたすら繰り返す52分32秒。アンビエントやミニマル・ミュージックの慎ましさと静謐さは微塵もなく、姦しいほど明快に同じ行為の反復することだけに命を賭けている。どこにもつけ入る隙のない頑強さは、まさに音の壁である。

この壁を突き崩してゾルタン・イェネイの強靭な意思に固められた胸の内側に隠された生暖かい部分に触れることが出来ないかと考えて、このレコードとの対話を試みることにした。筆者の「武器」は今年から本格的に即興演奏に使い始めたリードフルート。つまりフルートにサックスのマウスピースを付けた自家製の楽器である。やり方は単純明快、自室のレコードプレイヤーに『OM』をセットしてプレイボタンを押すだけ。あとは録音しながらリードフルート(もしくは他の楽器)で思う存分インプロヴィゼーションするのだ。それによってオルガンを弾くイェネイとアンドラーシュ・ウィルヘイムと心の触れ合いが生まれれば最高である。

 
 

それにしてもLP片面25分を休みなく吹き続けるのは至難の業だ。どんなに激しく吹いても、懐柔するために撫でるようなモデラートを奏でたりしても、回転するレコードから流れ出す演奏の強度は変わらない。まるで風車に挑むドンキホーテのように、決して勝ち目はなさそうだ。いや、本当にそうだろうか。まだ一回の挑戦だけで諦めるわけにはいかない。『OM』対『オレ』のコラボレーションはまだまだ続くだろう。

ゾルタンの

心の殻を

突き破れ

 
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【アンビエント音源UP】姦しく耳殻を破る蝉の声~フィールドレコーディング 2020年8月25日(火) 東京都立小金井公園

2020年09月13日 01時27分07秒 | 素晴らしき変態音楽

2020年8月25日(火)35度超えの猛暑が少しだけ収まった夏休みの終わり近く、久々に公園を訪れてみると姦しいほどの蝉の大合唱。その驟雨の響きの真ん中で心を開いてみると、何種類もの違った鳴き声が四方八方から耳を襲う。頭蓋の中で木霊するD#の音は、決して騒音や雑音ではなく、かといって楽音でもない。空気の振動を伴なって鼓膜を震わせることで神経に届くとはいえ、これは大自然の念動力というしかない。大地に深く根を下ろす神の樹木の幹や枝や葉が俺に何かを伝えている。俺はそいつの聴こえない言葉にフルートのリードを噛んだ甲高い音で応えようとする。何の返事もなければ聴こえた素振りすら見せやしない古木の頑固さに、俺はしかし人間の力が遥かに及ばない森の生き物の頑固なまでの生への執着を感じ、マウスピースを噛み締める口唇から一筋の体液の涎が滴り落ちるのを黙って見つめことしか出来なかった。半世紀以上生きてきて初めて幸せとは何か知った頭(かぶり)になった。

 

神の糸

手繰りよせては

音擦れる

▼2020年5月6日の小金井公園

 

 

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【私のB級サイケ完全コレクション#17】Cの最後は”田舎のジョーと魚類”~カントリー・ジョー&ザ・フィッシュ Country Joe & The Fish

2020年09月10日 00時02分15秒 | 素晴らしき変態音楽

80年代前半筆者がサイケデリックロックに興味を持ったころ60年代のサイケバンドの動く映像を観ることが出来たのは『モンタレーポップ』(67)と『ウッドストック』(69)の二本の映画だけだった。特に1967年6月にカリフォルニア州モンタレーで三日間開催されたモンタレーポップ・フェスティバル'67はデビュー前のサンフランシスコのサイケバンドが多数出演し、サマー・オブ・ラヴの幕開けを告げた象徴的なイベントだった。映画の中ではギターに火を点けるジミ・ヘンドリックスと楽器を破壊するザ・フーの過激な映像が印象的だったが、ベトナム戦争へ反対するフラワーチルドレンの祭典を象徴していたのは、ヘルメットを被って顔に花模様をペイントしたサングラスのシンガーの姿だった。それがサンフランシスコのサイケ・シーンの第1世代カントリー・ジョー&ザ・フィッシュを率いるカントリー・ジョー・マクドナルドだった。映画で演奏された曲「Section 43」はアシッド・ギターとオルガンが不思議に絡み合うインストゥルメンタル・ナンバーで、ジミヘンやザ・フー、ジャニス・ジョプリンらの強烈さとは違った、シュールな美しさを持っていた。

メンバーはCountry Joe McDonald (vo,g), Barry "The Fish" Melton (vo,g),  Gary "Chicken" Hirsh (ds), David Bennett Cohen (g,org), Bruce Barthol (b)。1942年ワシントンDC生まれのジョー・マクドナルドは60年代にカリフォルニア州バークレーでバスキングをはじめ、出会ったバリー・メルトンとデュオとして65年半ばにCountry Joe & The Fishを結成。フォーク・シーンで活動しながら自主制作でレコードをリリースし、左翼的な言動で支持を受ける。メンバーチェンジにより演奏面が充実するとともにサイケデリック・ロックに変貌する。

●Country Joe & The Fish / Electric Music For The Mind And Body


1967 / US: Vanguard ‎– VSD-79244 / 1986.8.29 お茶の水Disk Union3 ¥980

67年5月にヴァンガードレコードからリリースされた1stアルバム。『心と身体の為の電子音楽』というタイトルとサイケデリック・ライトショーのジャケットが示す通りサイケデリック時代を象徴するアルバムである。全曲アシッドロックの傑作だが、特にA1. Flying Highのなまめかしいヴォーカル、B4. Bass Stringsの幻想的なサウンドが素晴らしい。

Country Joe & The Fish "Flying High"



●Country Joe And The Fish ‎/ I-Feel-Like-I'm-Fixin'-To-Die


1967 / US: Vanguard ‎– VSD-79266 / 1987.8.7 新宿Disk Union ¥1,200

67年11月リリースの2ndアルバム。「ヴェトナム・ソング」としても知られるA1. I-Feel-Like-I'm-Fixin'-To-Dieの軽やかなジャグ・サウンドからスタートし、刺激的なアシッドロック、ドリーミーなフォーク、政治的なステイトメントが交錯するヴァラエティに富んだアルバムになっている。時代との共鳴を模索したジャケットの仮装姿の風刺精神に注目したい。

Country Joe&The Fish-Pat'sSong



●Country Joe And The Fish ‎/ Together


1968 / US: Vanguard ‎– VSD-79277 / 1986.11.25 お茶の水Disk Union3 ¥900

68年8月リリースの3rdアルバム。レコーディング直前にジョー・マクドナルドが短期間バンドを離れバンド名をThe Fishとして活動した時期があった。全11曲中マクドナルド以外のメンバーの曲が半数を占め、リード・ヴォーカルもメンバーが担当している。ジェームズ・ブラウンに捧げたA1. Rock and Soul Music、哀愁サイケのB3. Waltzing in the Moonlight、反戦ドローン・サイケ B6. An Untitled Protest等名演もあるが、マクドナルドの艶めいた歌声が少ないことが物足りなく感じる。

Country Joe & The Fish "Waltzing In The Moonlight"



●Country Joe & The Fish / Here We Are Again


1969 / US: Vanguard ‎– VSD-79299 / 1986.12.28 吉祥寺PARCOバーゲン ¥1,400

69年7月リリースの4thアルバム。ウッドストック・フェスティバル(69年8月15-17日)出演直前だが、マクドナルドとメルトン以外のメンバーは流動的だった。アルバムにはメンバー・クレジットは載ってないが、オリジナルメンバーのチキン・ハーシュ(b)とデヴィッド・コーエン(g,org)は参加しているようだ。初めてストリングスやブラスを取り入れメインストリーム路線を目ざしたアルバムだが、ドノヴァンに捧げた三拍子サイケA2. Donovan‘s Reefや、演奏面では最高傑作かもしれないアシッド・ブルースA5. Crystal Bluesをはじめ良曲も多い。

Country Joe & The Fish - Crystal Blues



●Country Joe And The Fish / C.J. Fish


1970 / US: Vanguard ‎– VSD 6555 / 1998.2.13 下北沢Flash Disc Ranch ¥1,000

70年5月の5thアルバム。マクドナルドとメルトン以外のメンバーは一新。Greg Dewey (ds), Doug Metzner (b), Mark Kapner (key)。一般的には60年代の輝きを失った残り香のようなアルバムと評されるが、浮遊感たっぷりのギターをフィーチャーしたA2. She's a Bird、パワフルなA3. Maraなど聴きどころはある。何となくサイケよりもパンク的なストレートさを感じる。すでにソロ活動を始めていたマクドナルドの今後の活動への布石と言えるかもしれない。

Country Joe And The Fish "She's A Bird"



●Country Joe And The Fish / The Life And Times Of Country Joe And The Fish From Haight-Ashbury To Woodstock


1971 / US: Vanguard ‎– VSD 27/28 / 1985.8.27 下北沢レコファン ¥3,950

71年9月にリリースされた未発表ライヴを含む2枚組コンピレーション。実は筆者が最初に買ったカントリー・ジョー&ザ・フィッシュのアルバムである。Disc1はベスト盤でヴァンガード以前の初期音源2曲入。4年間の活動を駆け足で振り返るのに最適。Disc2にはFillmore EastとWest、そしてWoodstock Festivalでのライヴ音源を収録。他のサンフランシスコのサイケバンドと同様に彼らの魅力がライヴ・パフォーマンスにあることを証明するドキュメントである。特にバリー・メルトンの変幻自在のアシッド・ギターは最高すぎる。

Country Joe & the Fish - Rock and Soul Music / Love



●Country Joe And The Fish / Peter Krug / Country Joe McDonald & Grootna ‎/ Collectors Items: The First Three EPs


1980 / UK compilation: Decal ‎– LIK 8 / 1987.8.20 渋谷ディスクポート西武 ¥980

ジョー・マクドナルドが発行していたミニコミ(今でいうZINE)Rag BabyのTalking Issue(音源版)としてリリースされた自主レコードの音源を集めたコンピレーション。65年・66年の初期ヴァージョンは、粗削りな録音故に、プロテスト精神に満ちた時代の胎動を感じさせる。65年のEPのカップリングのフォーク歌手Peter Krugの弾き語りと、71年ジョー・マクドナルドとGrootnaのコラボレーションも収録。

Country Joe & the Fish - Country Joe & the Fish (1966)



●Country Joe McDonald ‎/ Paris Sessions


1973 / US: Vanguard ‎– VSD 79328 / 1987.1.17 吉祥寺ジョージ ¥800

69年からソロ・アルバムをリリースし、サイケ色のほとんどない純粋なフォーク&カントリー路線を歩むマクドナルドの73年のアルバム。南北戦争時代の将校に扮したジャケットのポートレートと、メンバーに電子サイケバンドThe United States Of AmericaのDorothy Moskowitzが入っているのに興味を惹かれ購入したのだが、やはりサイケとは程遠い王道アメリカンロックだった。唯一エレクトロニクス・フリークアウトのB1. Zombies In A House Of Madnessが異色。タイトルが意味深なB2. Sexist Pigの歌詞も面白い。

Country Joe "Fantasy"


Grateful Dead, Jefferson Airplane, Big Brother & The Holding Company, Quicksilver Messenger Service等と並ぶシスコ・サイケ第一世代のCountry Joe & The Fishであるが、再発や発掘音源、海賊盤などの数を考えるとかなり過小評価されているといわざるを得ない。特に日本での低評価はWikipediaの日本語ページがない(Big Brotherもないが)ことでも明らかだ。しかしこうして再度聴き直してみて、音楽性だけでなく政治性や思想・文化面でのユニークな個性を認識した。そして映画『モンタレーポップ』で感じたように、最大の魅力はライヴ・パフォーマンスにあることは間違いない。

以下に彼らのライヴ映像・音源をまとめてみたので、じっくりと「田舎のジョーと魚類」のサイケデリックな世界に浸っていただきたい。


Country Joe & The Fish - A Day In The Life Of Country Joe & The Fish (Film - 1967)


Country Joe & The Fish: Live at the L.A Fantasy Fayre -1967/7/16 [FULL CONCERT]


Country Joe & The Fish: Live at the Carousel Ballroom - 1968/2/14 [FULL CONCERT]


Country Joe & the Fish + Chambers Brothers (69) + Chicago (70)


Country Joe & The Fish ~ Donovan's Reef Jam

January 11, 1969 - Fillmore West, SF, CA
Country Joe McDonald: vocals, acoustic guitar, bells, tambourine
Barry Melton: electric Guitar
David Cohen: electric guitar, organ
Jack Casady: bass guitar
Gary "Chicken" Hirsh: drums
Jerry Garcia: guitar
Mickey Hart: drums
Jorma Kaukonen: guitar
Steve Miller: guitar, harp
David Getz: drums

サイケ道
やっとCを
通過した

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【転がり続ける演奏体】UH(内田静男+橋本孝之)@国分寺giee 2020.9.6 (sun)

2020年09月09日 00時41分10秒 | 素晴らしき変態音楽

2020年9月6日 (日)  東京・国分寺Live cafe giee
「UH」 内田静男(b) 橋本孝之(as,harm)

オープン19:00 スタート19:30
¥2500+ドリンクオーダー

【UH(ユー)】(2017年~)
◆内田静男(b):80年代より触媒夜、滲有無にて活動し、さまざまなユニットやソロの活動でインプロヴィゼーションを行う。
◆橋本孝之(as,harm) :.es 、kito-mizukumi rouber などのユニットやソロでジャンルを縦横無尽に横断する音楽家として独自の存在感を放つ。

----------------

UH初のワンマンライヴ。会場は橋本孝之が昨年夏2019年7月27日にやはり初めてのソロ・ワンマンライヴを開催した国分寺のLive Cafe giee。たった1年後とはいえ新型コロナウィルス感染症で大きく様変わりした世界で、再びこのようなストイシズムの極北の体現者の単独コンサートが行われ、11人とはいえソールドアウトしたという事実は、世の中一般の表面上の変化に関わらず、好きなくとも14人(11人+UHの二人+gieeのオーナー)の表現欲求の核心には何の変化もないことの証明である。表現者とはウィルスに負けるようなヤワな生き物ではないのである。

 #1085 橋本孝之 Solo Improvisation 2019年7月27日(土)東京・国分寺giee

先ほどストイシズムの極北と書いたが、この日の国分寺の地下ライヴバーgieeの空気は求道者の思念の冷気に凍える極寒地ではなかった。その真逆で、ここでしか体験できない音楽の交感を求める同好の志が発する期待感が仄かな微熱となって心を潤ませる希望の土地であった。

セミアコースティックベースとハーモニカで始まった。内田の十八番のドローン/アンビエント・スタイルの通奏低音の上に、橋本の口唇とハーモニカのメタルボディの軋轢と摩擦の飛沫が飛び散り、HighとLowが交錯する立体的な音像を組み立てる。動と静が入れ替わる波の間でふたつの音が衝突と合体をし続ける。

橋本がアルトサックスに持ち変えても、両者の距離は接近と離別を繰り返す。絞り出すハイトーンのサックスに寄り添うようなフレーズをベースが奏でる。と思うと我関せずと一人歩き続けたり、立ち止まって地面を掘り始めたり、空中遊泳を試したり、何をしても自由な空気が両者を包み込む。それが自己完結しないのがUHらしさと言えよう。

休憩を挟んだ第2部ではアルトとベースの二人遊びはより振幅を広げ、全力疾走と完全停止の間に無限大の可能性があることを詳らかにする。演奏者や聴き手だけでなく、二人の身体活動から生まれる音たちも心のエネルギーの満ち引きを楽しんでいる模様。前半1時間、後半40分、延べ約2時間のコンサートは静かな称賛の拍手で幕を閉じた。

UHとして活動を始めて4年目になるので、お互いの手の内はある程度知り尽くしていると思われる。同じパートナーと何度もコラボレーションすることは、下手をすると予定調和やマンネリに陥る危険を伴う。しかしUHの二人の表情や演奏姿勢には常に新鮮な歓びの脈動しか感じない。それはおそらく二人がユニットとして完成形を求めていないからであろう。何かを目標にしたとたん、演奏体としての限界が設定される。次こそは、という自己規制の罠にはまる。それを避けるには、ただ転がり続けるだけしかない。UHの二人は無意識のうちに自然体で転がることを身につけたのだろう。そんな"Natural Born Roller"ぶりが聴き手の心をも解放するのである。 

音楽の

表現の果て

見たくない

▼UHの次回のライヴは『盤魔殿殿Presents NEO UNDEGROUND vol.1』にて剛田武とコラボレーション。*定員になりましたので予約は締め切りました。

【新たなる地下音楽を求めて】新イベント『盤魔殿 presents NEO UNDERGROUND vol.1』9/27(sun)渋谷Edge Endにて開催!!

 

 

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【JazzTokyo#269更新】マキガミサンタチ『ガブリとゾロリ』/クリス・ピッツィオコス『スピーク・イン・タンズ(異論を語る)』+クリス・ピッツィオコス最新動画集

2020年09月07日 00時36分03秒 | 素晴らしき変態音楽

音楽情報サイト『JazzTokyo - Jazz and Far Beyond』最新号が更新された。特集は『Bird 100: チャーリー・パーカー』、追悼・沖至。剛田武は下記の記事を寄稿した。

 

●マキガミサンタチ / ガブリとゾロリ

CD/DVD Disks #2008 『マキガミサンタチ / ガブリとゾロリ』

多面体ロックバンド、ヒカシューから生まれた迷宮トリオの全脳音楽。

マキガミサンタチのイマジネーション豊かな音楽は、聴き手の音楽脳(右脳)をやさしくマッサージする。その一方で楽曲タイトルのシュールな言葉遊びが、言語脳(左脳)のシナプスを震わせる。左右の脳のバイブレーションが共鳴して生まれる刺激の波が、聴き手の感情に新たなさざ波を起こす。

MAKIGAMISANTACHI/GABURI & ZORORI

 

 

●クリス・ピッツィオコス / スピーク・イン・タンズ Chris Pitsiokos / Speak In Tongues

CD/DVD Disks #2012 『Chris Pitsiokos / Speak In Tongues』

リスペクトを挑戦状に転化するアルトサックス・ソロの新境地

ジャケットに記された「Speak in tongues and hope for the gift of interpretation(異言を語り、解釈の才能に期待する)」という一文には、影響を受けた偉大な先達へのリスペクトと共に、必ず彼らを乗り越えてやる、というピッツィオコスの強い決意が込められている。

Chris Pitsiokos at MULTIPLEX1

 

大友良英がNHKラジオで「前衛音楽界のアスリート」と呼んだクリス・ピッツィオコス。大友に届いたメールでは「最近コンサートがないので自動車に向かって演奏している」と近況が書かれていたそうだが、実際にニューヨークの街中のストリートや駐車場で演奏をしているようだ。

Chris Pitsiokos - solo alto saxophone -- at Coney Island -- July 17 2020

Chris Pitsiokos -- solo alto saxophone -- at Riis Park - July 17 2020

Chris Pitsiokos - solo alto saxophone - at Riis Park Beach -- July 17 2020

Chris Pitsiokos, Luke Stewart, Jason Nazary -- in Red Hook Brooklyn -- Aug 1 2020

Chris Pitsiokos - solo alto saxophone - in Red Hook Brooklyn - Aug 15 2020

No Land + Chris Pitsiokos - on the street in Red Hook Brooklyn - Aug 23 2020

 

ジャケットが

何か似ている

このふたり

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【即興ワークショップレポート】狩俣道夫+亞弥+ちづ+剛田武@神田楽道庵研究室 "即興の月曜" 2020.8.31(mon)

2020年09月06日 00時18分28秒 | 素晴らしき変態音楽


●狩俣道夫 KARIMATA Michio (fl,ss,vo)
沖縄県出身。米国某大学で音楽理論と作曲を専攻。在学中に即興演奏とフリージャズに傾倒。卒業後新宿ピットインで演奏活動を始める。現在フリーフォームの即興演奏を中心に「愚弁」、「波流乱満地獄変」、等のユニットで活動中。発売中 CD"no umbrella, no tonguing, if not for the room"(Bishop Records EXJP020)

狩俣道夫のライヴを初めて観たのは2003年今は無き高円寺ペンギンハウスでの灰野敬二とのデュオだった。前年秋に初めて不失者のライヴを観て大きなショックを受けた筆者が、熱心に灰野のライヴに通い始めたばかりだった。不失者の大音量&長時間のライヴや、ソロの哀秘謡やサンプラーを使ったギターソロとは違って、灰野はギター以外の楽器、特にフルートやドラム、民俗楽器を多用して、狩俣のソプラノサックス、フルート、ヴォイスとコラボレーションするこのデュオは、音楽的な意味ではなく、精神的に「JAZZ」を強く感じさせる演奏を展開していた。2010年頃までは毎年数回ライヴをしていたが、それ以降は疎らになり、2014年10月に渋谷Last Waltzでデュオ、2015年3月に千駄木Bar Issheeで森重靖宗を加えたトリオ、そして今年2020年8月18日に成城学園前・アトリエ第Q藝術で、狩俣と吉本裕美子によるユニット「bugs cry what」と灰野のコラボライヴが開催された。

8月18日(火)東京・成城学園前 アトリエ第Q藝術
bugs cry what × Keiji Haino
有観客&インターネット配信ライヴ


bugs cry what
吉本裕美子 Yumiko Yoshimoto (guitar, daxophone)
狩俣道夫 Michio Karimata (flute, sax, voice, etc.)
special guest 灰野敬二 Keiji Haino



ギターに加えダクソフォンを会得した吉本裕美子の演奏を観るのは久々で、相変わらず全身全霊で演奏に打ち込む姿に感動を覚えた。そして狩俣はソプラノサックスとフルート以外にウクレレ、リコーダー、ヴォイスを駆使して、テクニック云々ではなく、パフォーマンスのユニークさを追求した演奏を披露。昔よりもずっと表現の自由度が広がっていることを実感した。灰野はギターの他にドラムセットや民俗楽器も使って、15年前にペンギンハウスで観た「JAZZ」の本質を体現したパフォーマンスを展開した。

bugs cry what(吉本裕美子/狩俣道夫)/Keiji Haino 灰野敬二 @アトリエ第Q藝術ライブストリーミング


その数日後SNSのイベント告知で狩俣道夫が進行を担当するワークショップが開催されることを知った。彼のユニークな演奏姿勢を学ぶ絶好のチャンスとばかり参加する気になった。30年ぶりに即興演奏を再開した筆者にとっては7月18日阿佐ヶ谷Yellow Visionでの『騒音天獄番外編・即興の夜』に続き2度目の他者との共演の機会でもある。
野村雅美+剛田武+鈴木和哉+Rie fukuda+後藤しゃあみん+河上喜之@阿佐ヶ谷Yellow Vision 2020.7.18(sat)

8月31日(月) 神田楽道庵
神田楽道庵研究室 "即興の月曜"
進行 「狩俣道夫」:flute etc..
19:00-21:00 1000円

音楽家「狩俣道夫」進行の、新たなセッション企画です。ダンス、朗読、動き、生音...フリーフォームの即興を、集まったメンバーで編成を変えて繰り返していきます。★音はアコースティック限定で大音量はNGとなります。


月曜「楽道庵」ワークショップFacebook Page

神田楽道庵は木造民家の2階を使ったイベントスペース。各種講演会やヨガ教室やワークショップ、コンサートやイベントが開催されている。防音設備がないのでほとんどが声とアコースティック楽器と舞踏パフォーマンスによる公演である。古風な民家の急な階段を上ると、旅館の大部屋ような居間が広がる。この日の参加者は狩俣と舞踏家の亞弥、女優のちづと筆者の4名。忘れかけていたのだが、亞弥のパフォーマンスは2014年10月に渋谷Last Waltzでの灰野敬二+狩俣道夫の対バンで観たことがある。このワークショップは狩俣と亞弥の共同企画とのことである。
灰野敬二+狩俣道夫/亞弥+本田ヨシ子@渋谷Last Waltz 2014.10.29(wed)

まず4人で自己紹介を兼ねた肩慣らしのコラボレーションをした後、2人ずつデュオで狩俣が提示したテーマに従って即興パフォーマンスを行う。

神田楽道庵研究室 "即興の月曜" #2 狩俣+ちづ 2020.8.31(mon)


最初の狩俣+ちづのデュオでは、狩俣が楽器演奏だけではなく身体を使ってのパフォーマンスを披露。肉体を解放することで生まれるユニークな表現行為に感化される。

神田楽道庵研究室 "即興の月曜" #3 亞弥+剛田 2020.8.31(mon)


「悲しみも枯れ果てた夏の終わり」というテーマで亞弥と筆者のデュオパフォーマンス。踊る亞弥の周りにラバーダックを転がして歩き回ってリードフルートを吹きならした。身体を動かすことで、音の自由度も広がる気がする。

神田楽道庵研究室 "即興の月曜" #4 狩俣+剛田 2020.8.31(mon)


狩俣とのデュオ。フリージャズに有りがちな対決姿勢ではなく、肩の力を抜いて柔軟な表現の場を生み出す狩俣の包容力に守られて、心の底に眠っていた自由奔放な表現欲求が引き出された。敬愛するピート・タンゼント張りのジャンプも交じえ、覚醒した即興表現の時間であった。

神田楽道庵研究室 "即興の月曜" #5 亞弥+ちづ 2020.8.31(mon)


舞踏家ふたりのコラボレーション。音がないのに音楽が聴こえる気がしたのは幻聴だろうか。その音楽に合わせて無意識に床を叩いたリズムが二人の動きに伝播していく様子は、即興の場の持つマジカルパワーの表出であった。

神田楽道庵研究室"即興の月曜" #6 ちづ+剛田 2020.8.31(mon)


昭和の歌謡曲というテーマに、筆者はちあきなおみの『喝采』を選んだ。動画は途中で切れているが、歌詞の一部を二人が口にしながら、まるで事前に示し合わせたように流れのあるパフォーマンスが生まれた。間違いなく「歌」の力ゆえであろう。後で聞いたところでは、ちづは以前も『喝采』をテーマにしたパフォーマンスをしたことがあるという。運命的なシンクロニシティだった。

そのあと狩俣+亞弥のデュオ、そして最後に4人全員のコラボレーションでワークショップは終了。生まれて初めての舞踏家とのコラボレーションは、自分の身体を使った表現を誘導するインスピレーションを与えてくれた。全身を使った即興表現は、文字通り身も心も解放される生の歓びそのものである。神田楽道庵研究室"即興の月曜"、次回は9月28日(月)19:00から開催予定。ぜひ参加したい。

即興とは
生きる行為と
同じこと

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【新たなる地下音楽を求めて】新イベント『盤魔殿 presents NEO UNDERGROUND vol.1』9/27(sun)渋谷Edge Endにて開催!!

2020年09月03日 01時22分36秒 | 素晴らしき変態音楽



異端DJイベント『盤魔殿 』が贈るライヴ+DJイベント『NEO UNDERGROUND』スタート。新時代のアンダーグラウンド・ミュージックの現在を詳らかにして、来るべきコンピレーション『Tokyo Flashback 2020(仮)』への布石とする。

盤魔殿 presents
NEO UNDERGROUND vol.1


2020/9/27 sun
渋谷DJ Bar EdgeEnd

19:00 open/start
¥1000 (+ 1drink別)

LIVE投げ銭制

Live Act :
Marc Lowe
UH(内田静男+橋本孝之)+剛田武
Lower Than God (Marc Lowe + Takeshi Goda)

DJ's :
DJ Qliphoth a.k.a. 宇田川岳夫
DJ Ipetam a.k.a. Rie Fukuda
DJ Bothis a.k.a. 山田遼

限定8名(新型コロナウィルス感染予防のため)
入場ご希望の方はE-mail:mirohidoku@yahoo.co.jp (クドウ)
またはFacebook特設ページ:https://www.facebook.com/events/636055437045926
にて予約お願いします。

定員に達しましたので予約を締め切りました。

【Live Act紹介】
●Marc Lowe マーク・ロウ


1973年アメリカ生まれ。作曲家、ボーカリスト、マルチプレヤー。自分のレーベルDark Shroud Recordsでソロやコラボアルバムを2019年よりストリーミングで40枚ぐらい激リリース。DJイベント『盤魔殿』をDJmalo23として参加中。新プロジェクトBlue Darknessも始め、ファーストアルバム「The Day After」が現在Bandcampなどで販売中。PVやライブ映像など(音楽活動に対してのドキュメンタリー「A Musical Journey」を含めて)はこちらでご覧ください。https://vimeo.com/darkshroudrecords

●UH ユー

橋本孝之: alto saxophone, harmonica
内田静男:bass

Hasegawa-ShizuoやNord、Galactic Abyss、albedo gravitasなど数々のユニットや、ソロでも演奏活動を行う内田静男(bass/etc)と、.es(ドットエス)を中心にサックスソロやギターソロ、そして様々なコラボレーションで活躍する橋本孝之(Sax/Harmonica/Guitar/etc)との2人組によって結成されたハードコアなインプロビゼーションDuo。2018年にフランスのAn’archivesより1stアルバム「UH」、2020年にはライヴ・アルバム『MORGANA』をカセットテープでリリース。音と音の間を生かしながら、空気を切り裂くような演奏で、UHならではの空間を現出させる。
出会うべくして出会った二人による究極のインプロヴィゼーションに、”攪乱者”としてリード・フルーティスト剛田武が加わる今回のライヴはUHとは全く違う音の方向に行くだろう。


●LOWER THAN GOD ロウワー・ザン・ゴッド

Marc Lowe : piano and synth, electronics/programming, noise box, vocals on “Unmasked”
Takeshi Goda : reed-flute, noise dolls, guitar, field recording

アメリカ生まれのマルチ・プレイヤー、DJ malo23ことマーク・ロウと、地下音楽DJ兼ブロガーのDJ Necronomiconこと剛田武が、COVID-19の自粛期間の猛暑の夜に、発狂寸前の極限状態で結成したユニット「LOWER THAN GOD」のデビューEP。剛田/Godaの無軌道な即興プレイとロウ/Loweのエレクトロニクス・プロダクションの出会いが、Industrial, Noise, Ambient, Drone, IDM, Free Improvisation, Psychedelicとあらゆるジャンルを蹂躙し、前人未到・荒唐無稽・血沸肉踊の異形のサウンドを生み出した。新時代の"Improvised Intelligent Dance Music for the Mind & Body"の誕生である。今回が初のライヴ・パフォーマンス。

新しい
地下音楽が
目を覚ます

LOWER THAN GOD / Devil May Care


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