昨日の朝から今日の午前中にかけて、表題のフォーラムに参加して来ました。

3月7日(昨日)は、朝10時にフォーラムが始まりました。
講演1「伊豆諸島海域における鯨類とイルカ類」
講師は森恭一先生(帝京科学大学)


鯨やイルカの生態と共に、保護と観光活用についても話があり、それがとても面白かったです。
小笠原のホエールウォッチングのルールは、以下のような経過を経て現在の形になったそうです。

1997年の自主ルールの改定で、船を近づけられる距離を50mから100mにしています。これは鯨の行動と船の距離などの観察データから、鯨へのストレスを最小限にできるよう考えて割り出した距離なのだそうです。
「イルカや鯨の観光は、最初にルールを作るとスムーズだが、既に仕事にしている人達がいると収益に関係するので難しい。それぞれの事業者を個別訪問して何時間も意見を聞いた。その中の良い意見を少しずつ反映しながらルールを作っていった。都がトップダウンで作ったルールには反発しても、自分たちで考えたものは守ることができる」という森さんのお話が、とても印象的でした。
ザトウクジラは小笠原で子育てし、北海道沖で餌を食べるのだそうで…

伊豆諸島は通過点だったようですが、捕鯨をやめて鯨が増えたため八丈島など新たな繁殖地になる可能性もあるかもしれないとのことでした。(まだ詳しいことはわかっていないとのこと)
講演2「伊豆諸島における自然と暮らしと神々」
講師は土屋久先生(順天堂大学・共立大学兼任講師)


土屋先生は「為政者の年貢取りのための訪問や流人による本土からの文化と、黒潮によって自然的・偶発的にもたらされた文化との交差点が伊豆諸島である。古い日本の文化が地層のように残っているところが面白い」と語られていました。(文化が地層のように残る…という表現が面白かったです)
「古事記や日本書紀にも登場しない多様な民族神の存在があり、自然環境と信仰の問題を考えさせる豊富な事例が存在する。『木を切ってはいけない』と伝えられ守られてきた山は、強風や山津波から人を守ってきたのではないか?」というお話が面白かったです。
八丈島と青ヶ島には巫女の文化があるそうで、海が見えるところでお祈りをしたりするそうです。青ヶ島の巫女さんの踊りをビデオで見せてもらったのですが、まるでラップ音楽のようなアップテンポなのが面白かったです。
平安時代の保元の乱で破れて伊豆大島に流された源為朝は、伊豆諸島に勢力を拡大しようとして成敗されてしまったとされています。為朝をまつった神社が伊豆大島や八丈島、三宅島にあり、いろんな伝説が言い伝えられています。土屋先生によると、巫女の祭儀の中の重要なパートにも源為朝が出てくるそうです。
講演3「観まもり・残し・伝える」モニタリングの提案・その1
講師は長谷川雅美先生(東邦大学)

伊豆諸島のみならずミクロネシアまで南下して生物(特に爬虫類)を調査してきた長谷川先生は、このブログでも何度か登場しています。
で、今回のお話は…

島の多様な生物や、プレートの動きとの関係の他、外来種問題も取り上げられていました。
講演4「観まもり・残し・伝える」モニタリングの提案・その2
講師は筑波大学の上條隆志先生。

上條先生も伊豆諸島の植物を、特に三宅島を中心に調査研究されてきた方です。
(先日も伊豆大島のガイド講習で講師を務めていただきました)
島の植物がそれぞれの特徴を持つことの話に加え、今回は外来生物の問題も話されていました。

そして長谷川先生と共に、会としてのモニタリング調査を提案されていました。
15時頃からワークショップ&全体討議で、目的、アクションプランや目標を共有しました。

<目的>
伊豆諸島という視点で自然と文化を学び、これを残して島々の元気づくりに活かす
<アクションプラン>
私のグループでは「共通の物語をベースにした各島巡りのスタンプorクイズラリー」の案が出ました。
各グループそれぞれ違う案が出て、1つとして同じものが出てこないのが、面白かったです。
<目標>
これは私のグループで出たもの。

これもまた、グループ毎に様々なものが出ました。
印象的だったキーワードは…
島暮らし体験(ゲストハウス)、ここだけをもっと知りたい、ネット博物館、巡回フォーラム、情報発信、つなぐ、等々…。
18時30分頃まで話しあって、1日目のフォーラムは終了しました。
そして今日(3月8日)は…
午前に3時間、運営ミーティングを行いました。
その結果、今後は以下のワーキンググループを作り、活動をしていくことになりました。
1.ゲストハウス(島暮らし)1年~3年をめどに始動
2.モニタリング(4月後半始動)
3.伊豆諸島に関する文献や研究を一括してネット上で紹介
4.各島持ち回りのフォーラムを水分け伝説の順番で開催(今年の秋に神津島で開催予定。最初はグループ内で実施。やがては一般公開してツアーを展開する可能性も)
そして会の名称を「伊豆諸島ツーリズム研究会」と改め、活動を継続していくことになりました。

会費、会則が決まったら会員募集が始まると思いますので、伊豆諸島(それぞれが個性的な火山!)に、興味関心のある方はぜひご参加ください。
(カナ)

3月7日(昨日)は、朝10時にフォーラムが始まりました。
講演1「伊豆諸島海域における鯨類とイルカ類」
講師は森恭一先生(帝京科学大学)


鯨やイルカの生態と共に、保護と観光活用についても話があり、それがとても面白かったです。
小笠原のホエールウォッチングのルールは、以下のような経過を経て現在の形になったそうです。

1997年の自主ルールの改定で、船を近づけられる距離を50mから100mにしています。これは鯨の行動と船の距離などの観察データから、鯨へのストレスを最小限にできるよう考えて割り出した距離なのだそうです。
「イルカや鯨の観光は、最初にルールを作るとスムーズだが、既に仕事にしている人達がいると収益に関係するので難しい。それぞれの事業者を個別訪問して何時間も意見を聞いた。その中の良い意見を少しずつ反映しながらルールを作っていった。都がトップダウンで作ったルールには反発しても、自分たちで考えたものは守ることができる」という森さんのお話が、とても印象的でした。
ザトウクジラは小笠原で子育てし、北海道沖で餌を食べるのだそうで…

伊豆諸島は通過点だったようですが、捕鯨をやめて鯨が増えたため八丈島など新たな繁殖地になる可能性もあるかもしれないとのことでした。(まだ詳しいことはわかっていないとのこと)
講演2「伊豆諸島における自然と暮らしと神々」
講師は土屋久先生(順天堂大学・共立大学兼任講師)


土屋先生は「為政者の年貢取りのための訪問や流人による本土からの文化と、黒潮によって自然的・偶発的にもたらされた文化との交差点が伊豆諸島である。古い日本の文化が地層のように残っているところが面白い」と語られていました。(文化が地層のように残る…という表現が面白かったです)
「古事記や日本書紀にも登場しない多様な民族神の存在があり、自然環境と信仰の問題を考えさせる豊富な事例が存在する。『木を切ってはいけない』と伝えられ守られてきた山は、強風や山津波から人を守ってきたのではないか?」というお話が面白かったです。
八丈島と青ヶ島には巫女の文化があるそうで、海が見えるところでお祈りをしたりするそうです。青ヶ島の巫女さんの踊りをビデオで見せてもらったのですが、まるでラップ音楽のようなアップテンポなのが面白かったです。
平安時代の保元の乱で破れて伊豆大島に流された源為朝は、伊豆諸島に勢力を拡大しようとして成敗されてしまったとされています。為朝をまつった神社が伊豆大島や八丈島、三宅島にあり、いろんな伝説が言い伝えられています。土屋先生によると、巫女の祭儀の中の重要なパートにも源為朝が出てくるそうです。
講演3「観まもり・残し・伝える」モニタリングの提案・その1
講師は長谷川雅美先生(東邦大学)

伊豆諸島のみならずミクロネシアまで南下して生物(特に爬虫類)を調査してきた長谷川先生は、このブログでも何度か登場しています。
で、今回のお話は…

島の多様な生物や、プレートの動きとの関係の他、外来種問題も取り上げられていました。
講演4「観まもり・残し・伝える」モニタリングの提案・その2
講師は筑波大学の上條隆志先生。

上條先生も伊豆諸島の植物を、特に三宅島を中心に調査研究されてきた方です。
(先日も伊豆大島のガイド講習で講師を務めていただきました)
島の植物がそれぞれの特徴を持つことの話に加え、今回は外来生物の問題も話されていました。

そして長谷川先生と共に、会としてのモニタリング調査を提案されていました。
15時頃からワークショップ&全体討議で、目的、アクションプランや目標を共有しました。

<目的>
伊豆諸島という視点で自然と文化を学び、これを残して島々の元気づくりに活かす
<アクションプラン>
私のグループでは「共通の物語をベースにした各島巡りのスタンプorクイズラリー」の案が出ました。
各グループそれぞれ違う案が出て、1つとして同じものが出てこないのが、面白かったです。
<目標>
これは私のグループで出たもの。

これもまた、グループ毎に様々なものが出ました。
印象的だったキーワードは…
島暮らし体験(ゲストハウス)、ここだけをもっと知りたい、ネット博物館、巡回フォーラム、情報発信、つなぐ、等々…。
18時30分頃まで話しあって、1日目のフォーラムは終了しました。
そして今日(3月8日)は…
午前に3時間、運営ミーティングを行いました。
その結果、今後は以下のワーキンググループを作り、活動をしていくことになりました。
1.ゲストハウス(島暮らし)1年~3年をめどに始動
2.モニタリング(4月後半始動)
3.伊豆諸島に関する文献や研究を一括してネット上で紹介
4.各島持ち回りのフォーラムを水分け伝説の順番で開催(今年の秋に神津島で開催予定。最初はグループ内で実施。やがては一般公開してツアーを展開する可能性も)
そして会の名称を「伊豆諸島ツーリズム研究会」と改め、活動を継続していくことになりました。

会費、会則が決まったら会員募集が始まると思いますので、伊豆諸島(それぞれが個性的な火山!)に、興味関心のある方はぜひご参加ください。
(カナ)
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