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浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【本】『村上春樹全作品1979~1989』3 短編集Ⅰ

2013-01-17 17:46:54 | 日記
 村上作品によく出てくる語。

 煙草 ビール 「疲れた」 「ガールフレンド」 「セックス」

 主人公はよく煙草を吸い、ビールをよく飲む。ボクは煙草も吸わないし、酒も飲まない。だから作品中に煙草やビールがでてくると気になるのだ。

 また主人公は、よく「疲れた」という。

 主人公には、妻のこともあるけれど、妻ではない女性が登場し、しばしばセックスを行う。

 村上作品には、突拍子もない奇想天外の作品と、きわめて小説的なものとがある。たとえば、「中国行きのスロウ・ボート」、「午後の最後の芝生」、「土の中の彼女の小さな犬」、「蛍」などは後者である。「貧乏な叔母さんの話」、「踊る小人」、「シドニーのグリーン・ストリート」などが前者だ。

 『羊をめぐる冒険』は、その二つを統合したものだ。

 それでボクは思ったのだが、村上はいくつかの場面(その場面は、脈絡がなくても良い。あるいは時間も場所も連関しなくても良い。とにかくバラバラの場面)をあらかじめ設定して、それらをつないでいくという手法をとっているのではないか。これはまったくふっと浮かんだことで、根拠はないから当然間違っているだろう。

 まあこの本に収録されている作品については、コメントしなくてもよいだろう。

 
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電話・過疎

2013-01-17 11:48:09 | 日記
 村上春樹の短編集1(1979~1989)を読んでいたら、電話があった。浜松市の過疎について調査したいという内容だった。そしてボクへの協力が求められた。ボクは早速読むべき本を浜松市図書館の目録から選び出して、借りる手はずを整えた。そして浜松市が出しているいろいろな資料を集めてもらうことも依頼した。

 1月末までに、それに関する資料を読みこなさなければならない。となると、村上作品を集中して読むわけにはいかなくなる。それに並行して、ボクは『大杉栄 自由への疾走』(鎌田慧 岩波現代文庫)も読んでいる。なかなか忙しい。

 過疎について書いたものがある。能登半島に行った時のことを書いたものだが、もうかなり以前のこと。もう一度能登には行ってみたいと思っている。おそらく過疎はもっと進んでいることだろう。


 過疎地帯ー奥能登ー

 奥能登の冬は寒い。暗い。わびしい。日本海から吹き寄せる潮風が、山裾の草木を枯らし、荒涼たる姿を現出させる。そしてどんよりとした厚い雲の下で冬の海が荒れる。
 
 ほとんど人影は見えない。時折道のスミを手ぬぐいを被った老婆が、腰を斜めに曲げながら歩いている。それ以外の人には会わない。人家はあった。車もあった。しかし人はいない。コンクリート・ミキサー車が自らの巨体をゆっくりと廻していた。しかし人はいない。ー見捨てられた家、そして車。

 大通りを車がひっきりなしに行き来し、たくさんの人が蠢きあっている「大都市」の生活に慣れた人の眼に、奥能登は異様に、あたかもゴーストタウンのように映る。

 過疎ー。このことばが奥能登を象徴する。全国の山間僻地の状況がここにもある。若者たちは都市に出て行く。の男たちも農閑期には「出稼ぎ」に行く。厳しい冬の中、残された人びとは孤立に耐える。そのように生きてきたし、また生きねばならない。

 過疎ーこれは単に人口の減少ではない。現代に特徴的なきわめて深刻な社会現象なのだ。過疎は「人口減少のために一定の生活水準の維持が困難になり、それとともに資源の合理的利用が困難になって、地域の生産機能が著しく低下し、こうして人口密度が低下し、さらに年齢構成の老齢化が進み、従来の生活パターンの維持が困難になった状態」と、経済審議会地域部会の『中間報告』は定義する。しかし、過疎は進行する。過疎が過疎を呼ぶ。なぜ?

 冬が過ぎ、雪がとけると、奥能登に若者が来る。都会の若者たちだ。奥能登の人びとは忙しくなる。だが、奥能登から出て行った若者は帰ってこない。仕方がない、と奥能登の人びとは考えるのだろうか。


 過疎化は、限界集落を山間僻地に増殖し、とどまることを知らない。人が去り、家屋が倒壊し、子どもたちが遊び、また生業の場であった庭にも、樹木が侵蝕し、人が近付けないところとなりつつある。

 現在の政治社会は、こうした地域を再び「復興」させる手立てを持たない。山間僻地から人が消え、そしておそらく町からも人は消えていく。町で見かけるのは、老人ばかり。あと30年経ったら、町もゴーストタウン化するのかもしれない。

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