今日午後、静岡へ行った。「〈天皇代替わり〉をめぐる、憲法・民主主義の問題」という講演を聴きに行った。天皇制に反対している女性が講師であった。
およそ90分間の講演を聴いたが、表面を撫でただけの内容で、まったく深みがなかった。この人はあちこちで講演をして歩いているようだが、聴衆は満足しているのだろうか、と思った。天皇制についての学問的な検討、法的、歴史的、社会的アプローチをしたことがあるのだろうか。
この人の話には、「なぜ」を問う姿勢がなかった。現象を追いながら、それが「なぜ」起きているのかを考えることをしていない。
レジメの「最後に」のところで、「天皇制そのものが違憲の制度であるという視点を取り戻す必要」とあった。私はこういう書き方が嫌いである。日本国憲法には第一章があり、そこには象徴天皇制が規定されている。もちろん基本的人権の観点から見れば、天皇一族の存在は違憲だと言うこともできるが、しかし天皇は国民ではなく、象徴としての国家機関なのであるから、上記の論を展開するならそれ相応の理論が必要だろう。
それに今回の「生前退位」については、それなりの経緯があり、同時に戦時体制期の天皇制をあるべき天皇制だと考えている安倍一派との矛盾など、今考えるべき論点があるはずだ。
内容的には得るところまことに少ないものであったが、聴きながら何を考えなければならないかを、導き出すことができたのでそれだけが成果か。
およそ90分間の講演を聴いたが、表面を撫でただけの内容で、まったく深みがなかった。この人はあちこちで講演をして歩いているようだが、聴衆は満足しているのだろうか、と思った。天皇制についての学問的な検討、法的、歴史的、社会的アプローチをしたことがあるのだろうか。
この人の話には、「なぜ」を問う姿勢がなかった。現象を追いながら、それが「なぜ」起きているのかを考えることをしていない。
レジメの「最後に」のところで、「天皇制そのものが違憲の制度であるという視点を取り戻す必要」とあった。私はこういう書き方が嫌いである。日本国憲法には第一章があり、そこには象徴天皇制が規定されている。もちろん基本的人権の観点から見れば、天皇一族の存在は違憲だと言うこともできるが、しかし天皇は国民ではなく、象徴としての国家機関なのであるから、上記の論を展開するならそれ相応の理論が必要だろう。
それに今回の「生前退位」については、それなりの経緯があり、同時に戦時体制期の天皇制をあるべき天皇制だと考えている安倍一派との矛盾など、今考えるべき論点があるはずだ。
内容的には得るところまことに少ないものであったが、聴きながら何を考えなければならないかを、導き出すことができたのでそれだけが成果か。