『選択』5月号の巻頭に、「日本に鞭打つバイデン政権」という記事があった。副題は「岸田「軍拡・大増税」の深層」である。
書き出しは、こうだ。
ジョー・バイデン米大統領が、第二次世界大戦後の国際秩序を大きく変えようとしている。大戦の敗戦国として軍事力を削がれた日本とドイツに、前例のない大規模な軍備拡張を求め、名実ともに「米国の同盟国」になるよう求めている。
ほんとうにその通りである。民主党の大統領に対する支持が日本ではあるようだけれども、アメリカの歴史をひもとけば、民主党でも共和党でも、どちらもどうしようもない政党である。要するに自国中心主義、独善主義。他国がどうなっても一切責任をとらない野蛮な国。作品社が『アメリカの国家犯罪全書』を出しているから読んでいただきたい。そんなアメリカにベタッとくっついていくことは、きわめて危険なことぐらい、少し歴史を学んだ人ならわかるはずだ。
そしてこう続く。
米国の狙いは、高額な軍需製品を両国にたくさん買わせることだ。
そうすれば、軍需産業中心にアメリカは設けることができ、それが次の大統領選に有利になると見込んでいるのだろう。
通信社政治部デスクは、「岸田の歴史的使命はこれか、と納得した」と言う。防衛費増額と大増税だ。
そしてつぎのような説明が続く。日本は、アメリカから米国製武器をどんどん購入する。そして中古となった武器をアジアに売っていこうと考えている、と。
米国の軍事産業にとって、日本経由の巨大なアジア市場が出現することになる。
岸田が狙っているのは、長期政権である。何をしてよいかわからない岸田、顔を見ればわかるが、無思想の顔だ。
岸田は日本政治のジンクスを信じている。そのジンクスとは、アメリカとうまくやれば政権は長続きする、というものだ。
だから岸田は、そのために、軍拡と増税を推進する。
いい加減に、日本国民は政治の実態を見つめて欲しい、と思う。